道頓堀で13歳韓国人少年が「通り魔」被害に?韓国で大阪観光への不安広がる

在阪の韓国総領事館が道頓堀での安全に「注意」を呼びかける事態に(写真:アフロ)

韓国人観光客への差別的な嫌がらせと疑われるトラブルが相次ぐ大阪で、今度は13歳少年に対する「通り魔」的暴行事件が発生していたと韓国のメディアが報道し、騒ぎになっている。

発端となったのは、11日16時過ぎに韓国SBSテレビがスクープとして公開した記事だ。記事によると、今月5日、46歳の父親と一緒に道頓堀を訪れていた韓国人の13歳少年を、何者かが突然後ろから蹴り上げるという事件が発生した。翌日、少年の家族は在阪の韓国領事館に被害を報告したものの、直接警察に通報するよう助言され、帰国便までの時間もなく被害の届け出を断念したという。

実は道頓堀での同様の「通り魔」的被害の報告は韓国のSNS上で相次いでおり、在阪の韓国総領事館にも度々報告が寄せられているようだ。総領事館は韓国語版のWebサイトに「安全情報」と題した告知文を掲載した。この告知の中で総領事館は「道頓堀で韓国人が夜間の時間帯に被害を受けた事例が報告されている」とし、特に夜間に道頓堀を訪れる人は「安全に注意するよう」呼びかけている。

在大阪韓国総領事館サイトに掲載された注意を呼びかける告知文
在大阪韓国総領事館サイトに掲載された注意を呼びかける告知文

今回の件は、SBSが夕方最初に報道した後、twitterで1時間足らずの間に数千RTに達するなど一気に話題となり、追随してKBSテレビや聯合ニュースなど他の韓国大手メディアも一斉に大きく報道を始めている。筆者が代表を務めるJX通信社では、全世界の報道とそれに対する反響を24時間機械的にウォッチしているが、今回の件に対する韓国国内でのネガティブな反響の大きさからこの事案が日本国内でも相応の報道価値を持つものと判断し、17時半ごろ自社速報サイトでSBSの報道を紹介した。

こうした事件が倫理的に問題であることは全く議論の余地がないが、それに加えて懸念されるのは訪日外国人によるインバウンド関連需要への打撃だ。

日本政府は小泉政権下の2004年からビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)と称して訪日外国人を増やすキャンペーンを行ってきた。その成果もあり、昨年一年間で日本を訪れた外国人観光客は2000万人近くになるなど、インバウンド関連需要の大幅な拡大に成功してきている。官公庁主導の対外キャンペーンとしては稀に見る大成果だ。実は、この中で韓国人旅行客の占める割合は約2割の400万人に上り、中国人に次いで2番目に多くなっている。今回、このようなケースが韓国国内で大きく報道され「炎上」状態となったことで、特に大阪周辺のインバウンド需要に対して一定の打撃も想定される。

「治安の良さ」が売りのはずの日本で、主要観光地が「安全に関して注意を要する場所」との認識が広まること自体、異常なことだ。中国人観光客による「爆買い」需要も冷めてきていると指摘されるなかで、必要な調査や対応がなされなければ「観光立国」「おもてなし」といったキャッチ・コピーもおよそ空虚なものに聞こえてしまう。行政や治安当局による今後の対応に注目したい。