今、ビジネスもサッカーもカンボジアが熱い

夜明けを迎えるカンボジアのビジネスとサッカー

皆さん、カンボジアと聞くと何を連想するでしょうか?

アンコールワットのような世界遺産などの観光地のイメージ。

はたまた、ポル・ポト、戦争、地雷といったネガティブなイメージ。

いま、僕の周りではそのどちらでもなく、ビジネスとサッカーの話題で盛り上がっている。

■まずはビジネスや経済のお話

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東南アジアの経済といえば、シンガポールがダントツに飛び抜けているが、次にタイ、インドネシア、ベトナム、マレーシアといった2ndグループの新興国が追随している。そして、昨今ではミャンマーの民主化が進んでおり、経済が急に解放へと向かったこともあって、メディアも僕の周りの猫も杓子も「ミャンマーミャンマー」と言っていた時期もあった。(最近はすこし冷めてきた気がする)

カンボジアはそんな2ndグループの新興国群と、ミャンマーやラオスといった、まだまだこれからインフラに手を付けます、という発展途上国群の丁度中間に位置していると思われる。

100万人超の人口を持つ首都プノンペンがカンボジア経済の牽引している急先鋒都市。まだまだ不便は多く感じることも多いが、一方で今年6月には大型ショッピングセンターのイオンモールが完成し、地元の人たちのライフスタイルも急激に変化してきている。

14年6月にはイオンモールがオープンする
14年6月にはイオンモールがオープンする

イオンモールの開店に伴い、ワタミフーズなどの日系大手の飲食チェーン店もこぞってカンボジア進出を予定している。

また大手に限らず、中小の飲食店もプノンペンの街を賑わわせている。居酒屋、カフェ、うどん屋、ラーメン屋、焼肉屋、レベルはまちまちだが、どんな日本食でも大抵のものは外食できるほど多くの日本食店舗が存在する。ベトナムやインドネシアなどと異なり、法人登記やビザの問題が比較的容易なのも日系の進出を後押ししている。

日本人経営のおしゃれなカフェも
日本人経営のおしゃれなカフェも

進出している店舗で特徴的なのは、日本でしっかりした経験を積んだプロ中のプロ以外の人でも新たにビジネスを興している点である。これは飲食に限らず、「はじめての農業」や「はじめてのIT」でビジネスを興している例は少なくない。成熟した日本では「隙間」を狙うしかないが、まだまだ発展途中段階にあるカンボジアでは隙間だらけなのである。

今後もどんどん外資が進出してきて、内部資本も成長を遂げ、いずれは淘汰の時代もやってくるかもしれないが、市場はこれからまだまだ伸びてくるだろうし、プノンペン以外(正確に言うとアンコールワットがあるシェムリアップ以外)は本当にこれからというところである。

プノンペンでもだいたいの庶民的な食事が外食でも150円~300円くらいで食べられることもあり、家賃も含む現地での生活コストも安いことから、若い日本人たちが、成熟した日本ではできない新たな経験・挑戦をすべくやってきているケースが多い。

サムライカレープロジェクト初期メンバー
サムライカレープロジェクト初期メンバー

僕もグローバル人材育成の仕事に従事しているが、その一環で立ち上げた「サムライカレープロジェクト」では、「はじめてのカレー屋」として、アウェーの地での実務体験を積み、いままさにこの瞬間にもプノンペンで若者研修生たちが目を輝かせながら、リアルな失敗と成功の経験を体得している。「最近の若者は・・・」と嘆いている方は、ぜひその若者をこの地へ送り込むと良いだろう。

とはいえ、プノンペンは、決してアフリカの奥地や、地雷原に溢れるジャングルではない。インターネットも快適につながり、オイルマッサージが1時間1000円で受けられるような、過ごしやすいフロンティアだ。いまここに多くの日本人が集まってきている。

■そんなカンボジアという国で、いま日本サッカーの風が吹き荒れている

今年になって、タイリーグでは元日本代表の岩政選手や茂庭選手が移籍が発表されているが、タイだけでなく、東南アジア各国における日本サッカーが急激にプレゼンス(存在感)を増している。カンボジアリーグもその例外ではない。

2011年に太田敬人という日本人サッカー選手がはじめてカンボジアプロリーグに移籍したが、それから3年、2014年の今年はすでに10名を超える日本人プロ選手が誕生している。

カンボジアリーグはまもなく開幕を控えているが、今年ははじめてホーム&アウェー方式を導入する可能性がある。昨年は10チームでリーグを運営していたが、すべてプノンペンで試合が行われていた。

今シーズンからはチームも増える見込みで、日本人資本のチームも2チーム誕生するとのこと。

2部リーグから昇格したトライアジアFCに加え、巷ではアルビレックス新潟もプノンペンにチームを発足させ、1部リーグに参入すると言われている。

その他、前述の太田選手が移籍したBuild Bright United FC(現地の大学母体のチーム)にも山形選手、高野選手の2名の日本人プレーヤーが加入し、現地でホテルなどを経営するNaga Groupが持つNaga Corp FCには、アジア含む世界各国で活躍した深澤仁博選手の加入が決まった。トライアジアには元J1の木原正和選手までもが加入している。

日本も顔負けのフットサルコートもある
日本も顔負けのフットサルコートもある

選手だけではなく、当地でサッカースクールを運営するGFA Soriyaの額田さんや、ベガルタ仙台やJICA、日本サッカー協会からの支援でカンボジアローカルのサッカーアカデミーに参画している壱岐さんなど、多くのサッカー関係者もプノンペンに集まってきている。

とはいえ、まだまだ環境も待遇も決して良いとは言えない状況だ。そんなところでも「はじめてのプロサッカー選手」として日本の若手選手もこれからどんどんこのリーグへ挑戦してくるだろう。

クラブも選手も「フィールド・オブ・ドリームス」を求めて。

左から、筆者、壱岐さん、山形選手、額田さん
左から、筆者、壱岐さん、山形選手、額田さん

ビジネスもこれから本格化してくるカンボジア。

この国に限らず、東南アジアどこの国でも絶大的な人気を誇るサッカーというスポーツ。

すでにいくつかの日系企業は、現地への浸透、マーケティングのツール・メディアとしてのサッカーに目を付け始めている。

ビジネスとサッカー。

一見、リンクしなさそうな2つのキーワードが、いまカンボジアで熱い。