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あなたの問題を【10分の1】に減らす! ~「問題思考」「解決思考」の違い~【横山塾】

横山信弘経営コラムニスト
(写真:PantherMedia/イメージマート)

■あなたの人生は「問題」だらけか?

「それは原因のひとつになり得るだけ。問題ではない」

「その解決策をとっていないことが問題ではない。それは問題モドキだ」

ここ1年ほど、セミナーや講演でずっと言い続けていることがある。私のセミナーに参加した人なら、一度は聴いたことがあるだろう。それが以下のフレーズだ。

「問題でもないことを、問題だ、問題だ、と騒ぎ立てている経営者や役員が多すぎる。もちろんそんな会社の生産性は、非常に低い」

これは会社だけでなく、個人でもそうだ。

問題でもないことを「問題だ」と言っている人は、よほど問題が好きらしい。日ごろから問題ばかりを探している。世間話でも、

「A部長、どうですか。最近?」

「いやあ、問題だらけですよ」

なんて口にする。

具体的な問題が頭にあるわけでもないのに、口癖のように「問題だらけ」「問題が山積み」と言ってしまう。これは完全に思考プログラムの問題だ。

このような思考で生きていると、本来「複雑」ではないことを「複雑」で「込み入った問題」と捉えることだろう。

ビジネスにおいても、ふだん生活している中でも、解決しない問題に直面しつづけ、悩み多き人生を送ることになる。

いっぽう本質を見極め、問題を正しく「問題だ」と捉えられる人は、物事をありのままにシンプルに捉える。

こういう思考だと、ビジネスにおいても、ふだん生活している中でもストレスを蓄積させない。困ったことはあるかもしれない。気になることは多いかもしれない。しかし、それが問題なのかどうかを見極めることができる。だから心は平穏だ。悩みが限りなく少なくなるからだ。

問題ばかりに焦点を合わせている人が組織にいると、「Win-Win」ではなく「Lose-Lose」になる。

本人はよかれと思って問題提起しただろう。だが、組織にとってはいい迷惑だ。「勘違い野郎」とか「ありがた迷惑な人」と言われないようにしたい。

今回は、いつも問題に焦点を合わせている「問題思考」と、解決に焦点を合わせている「解決思考」を対比し、どのように思考を変えていけるかを解説する。

■「問題思考」と「解決思考」

まず言葉の定義を整理する。本来、問題でもないことを「問題だ」と認識する傾向のある思考を「問題思考」と呼ぶ。

この「問題思考」を持っている限り、人生に平穏は訪れないだろう。常にビジネスではトラブルに巻き込まれ「問題が山積している」「どの問題から片づけたらいいかわからない」と、いつも頭を抱えていることになる。

悩みが多いのは当然だ。問題でもないことを「問題だ」と思い込んでいるわけだから。本人が思い込んでいる問題は減っていかない。問題ではないから、解決しようがないからだ。

つまり、最初は【10】の問題が【20】に増え、【30】に増え、いずれ【100】になっていく。その「問題だ」と捉えていることが自然発生的になくならない限り、

【10】 → 【20】 → 【30】 → 【50】 → 【70】 → 【100】 → 【120】 → 【160】 → 【200】 → 【260】……

と、このようにずっと増え続けることになる。いずれキャパシティオーバーで、

「もうやってられない!」

と嘆き悲しむことになるだろう。

いっぽうで「解決思考」の人は、正しく問題を捉える。だからそもそも抱える問題の量が極端に少ない。最初は【2】だった問題が、【3】や【4】に増えることはある。しかしその問題は徐々に解決されていくから減っていく。なので、

【0】 → 【2】 → 【3】 → 【4】 → 【3】 → 【1】 → 【0】 → 【2】 ……

このように推移する。だからいつも冷静だ。冷静だからこそ、頭が整理できる。本質を捉えられるし、本当の問題かどうかの判別もできる。これほどまでに差が出てくると、さすがに驚くことだろう。

特に、経営者や組織リーダーは、日ごろから多くの「問題モドキ」を抱える。だからこそ、この取捨選択が必要だ。

それでは、具体的にどうすればいいのだろうか。

■「真の問題」と「問題モドキ」の区別

まずは、本当の問題を「問題」。問題でもないのに問題のように思えるものを「問題モドキ」として定義して解説していこう。

まず真の「問題」とは何か? これは簡単だ。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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