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「AIに使われる人」ではなく「AIを活用する人」になるために『地頭力』を鍛える方法【横山塾】

横山信弘経営コラムニスト
(写真:PantherMedia/イメージマート)

■生産職や事務職はAIに置換される

三菱総研の調べでは、2030年までに「職の大ミスマッチ時代」が到来すると言われている。

AIやロボットによる自動化の影響で、生産職が90万人、事務職が120万人過剰になるという。いっぽうで170万人不足すると言われるのが専門職だ。

ここで取り上げられている専門職というのは、具体的にどのような職種を指すのか。資料には「ノンルーティン」で「コグニティブ」な仕事とあるため、非定型で認知スキルが高い人財が求められる、ということだろう。

とくにこれからは、問題解決能力のみならず問題発見能力も重要だ。

世界中の巨額マネーが「ESG投資」に流入すると言われ、「脱炭素」の流れで自動車業界や鉄鋼業界が窮地に追いやられていく。

すべての企業が環境対策を迫られる今後、ではどのようにビジネスチャンスを見出していくのか。目先の問題を解決する力だけではなく、クリエイティビティがないと新たな発想は浮かばないだろう。

そこで今回はこれからの時代、どのようなスキルが必要なのか考えてみた。その必要なスキルと、そのスキルをどう身につけるべきかを考察する。

■ノンルーティン&コグニティブ=地頭力?

今後必要なスキルとは、私が思うに「地頭力」と言える。誰でも一度や二度は耳にしたことがあるだろう。常に意識している人も多いのではないか。

ちなみに「地頭力」とはどのような能力だろうか。細谷功氏の著書『地頭力を鍛える』にはこう書かれている。

・地頭力のベースとなるのが論理思考力と直観力である

・地頭力には少なからず、「ひらめき」を伴う右脳的思考あるいは「アート」ともいえる直観力が必ず必要とされる。

つまり論理的に物事を考えられる能力のみならず、理屈に頼らず直観で素早い決断や素晴らしい発想ができる力、ということである。

ナポレオン・ヒルが発した以下のような名言がある。

――財産を築く人は、素早い決断力を持ち、一度下した決定を変更するときは、じっくり時間をかける。反対に、富を築くのに失敗する人は、決断を下すのが遅く、変更するのがやたらに早い。しかもやたらに変更を行う――

人が決断するうえでは、7割が直観だと言われている。複雑性や曖昧性が高くなってきた昨今(VUCAの時代と言われる)、論理だけで打開できることはないのである。

それでは、この「地頭力」を鍛えるにはどうしたらいいのか。「具体」と「抽象」の往復運動をスムーズにするために、NLP(神経言語プログラミング)理論を使いながらテクニックを解説する。

このテクニックさえ押さえれば、

・自分の持っているスキルを他のスキルに「転用」することができる

・自分のやっている商売を「応用」して、別のビジネスモデルを構築することができる

このように新しい発見や、新しいチャレンジができるようになるのだ。確実に、これからの時代に必須のスキルと言えるだろう。

■そもそも「抽象化」とはどういう意味か?

それではまず「抽象化」について考えていきたい。抽象化とは、具体的な事物から共通点や法則を見つけることである。ざっくりとひとまとめにしたり、分類にわけること、カテゴライズすること、と表現してもいい。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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