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これからのマネジャーに必須のスキル「気にしすぎない技術」を、コーチングの基本とともに解説する

横山信弘経営コラムニスト
(写真:アフロ)

■ 厄介な「気にしすぎる」人たち

「気にしすぎだろう……」

私はあきれた。「気にする」のはいいが、「気にしすぎる」のはどうか。

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントである。この働き方改革の時代に目標を達成させるためには、できる限りクライアント企業の社員たちにムダなことをさせたくない。不毛な議論もさせたくない。そう思っている。

なのに、多くのクライアント企業で、私の考えを理解してもらえない。

営業部長と、課長3人が会議室で議論している。部長が、

「彼らの本音を聞きたい」

と言うと、

「部長、私は部下ひとりひとりと面談する予定です」

「私は全員に、ならどうすればいいか。意見を出させるつもりです」

などと、課長らがこう発言した。誰も「気にしすぎです」とも「もう少し様子みましょう」と言わない。

ことの発端は、営業部長が社内アンケートに複数のネガティブ意見を発見したことだ。

これから組織改革を進めるうえで、みんなの意見を聞きたかったと管理本部が実施したらしいが、私から言わせれば、改革に後ろ向きの意見が出るのは当たり前だ。というか、諸手を挙げて賛同するメンバーが多ければ、それは改革とは呼ばない。

■ 部下育成がヘタな人ほど「気にしすぎる」

だいたい、部下育成がヘタな人ほど「気にしすぎる」。コーチングの研修を2日間程度受けて「コーチングが重要だ」などと、わかったことを言うミドルマネジャーと同じだ。

「気にする」のはいいが「気にしすぎる」と、とにかく生産性が悪くなる。無駄な仕事、不毛な議論が増えるだけでなく、組織風土が悪くなることも多々ある。結果的に、気にしすぎた本人も、ストレスがたまる。

いいことなど、何もない。

それでは、気にしていいことと、気にしすぎてはいけないことを、どう判別したらいいのか。

今回は、正しいコーチングの技術を学び、「自己満足コーチング」「フェイク親切」「アドバイス攻撃」をして、自分も、部下も苦しませないようにするポイントを紹介しよう。6000文字に迫る大作だ。

本当に、多くの組織マネジャーが気にしすぎなので、最後までしっかり読んでもらいたい。

■ コーチングって本当に知ってる?

「コーチング」はクライアント(個人)の能力を開花させ、目標達成に向けた行動変容を促がす手法として素晴らしい技術だ。しかし残念なことに、多くの人がコーチングの基本を知らない。

にわか仕込みのコーチング技術では、コミュニケーション相手の達成意欲を向上させるどころか、悩みを深め、かえって傷つけてしまうことがある。だから気を付けたい。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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