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「どうしてもやる気が起こらないときに、どう気合いを入れたらいいのか」という疑問に答えます。

横山信弘経営コラムニスト
どうしても、やる気が起こらない……。(写真はイメージ)(写真:アフロ)

■ 気合いを入れるビフォーアフター

私はいつも、気合いを入れる前(ビフォー)と、気合いを入れた後(アフター)について、真剣に考えるクセがあります。特に仕事中に、そうしています。

「わかっちゃいるけど、なかなかできない」ってことありませんか。誰にでもありますよね。どんな小さなことでもかまいません。筋トレでもいいし、ランニングでもいい。読書でもいい。目の前のビールや甘いものを我慢することもそう。

面倒な人への電話もそうですし、上司への毎日の報連相も、なかなかできない。こういう人もいるでしょう。

私がついつい「やらない決断」をしようとするとき、いつも必ず思い描くことがあります。それは「もし気合いを入れてやったら、その後にどんな気分になるだろう」ということです。

考える、と書きましたが、感じる、が正しいでしょう。

たとえば、私は筋トレをすることが習慣になっていません。無意識のうちにできないですから、やるには気合いが必要です。

■ 感覚レベルについて

しかし「気合いを入れるだけ」とわかっていても、これが意外にできない。1時間、2時間、何かをするというのではなく、ちょっとでいいから「えいや」と自分を奮い立たせるだけなのですが、それが容易にできないものです。

そこで、私は気合いを入れる前に、気合いを入れる前(ビフォー)と後(アフター)では、自分の感覚レベルがどのように変わるのかを思い巡らせるようにしています。感覚レベルとは、自分の生理現象に意識を向け、10点満点で数字をつけるのです。ポジティブな感覚であればプラス。ネガティブな感覚を覚えていたらマイナスにします。

たとえば、とてもやる気あふれる気分を味わっているときは「プラス7」とか。ちょっと意欲的なときは「プラス2」などとします。気分が乗らないときは「マイナス3」。かなり落ち込んでいて、心が冷え込んでいるときは「マイナス6」などとします。

そもそも、今やったほうがいいことをやりたいと思えない状態なら、現在はポジティブな感覚を持っていない証拠です。感覚レベルは、だいたいマイナスの数値になるはず。おそらく「マイナス1」とか「マイナス2」ですね。

私が筋トレをする気分にならないとき、だいたい感覚は「マイナス2」ぐらい。頭では「やったほうがいい」とわかっているのですが、何となくやる気にならない。何となくダルい。という感じなのです。

いっぽう、こういうときでも無理して筋トレすれば、気持ちがスッキリすることは以前から、わかっています。

それなりに負荷をかけて腕立て伏せ、腹筋、スクワットをやった場合、感覚レベルは「プラス2」ぐらいにはアップします。

それだけでも悪くはないですが、5つのステップからなるバーピーや、ジャンプスクワットといったハードなトレーニングを複数回組み合わせると、私の場合、かなり息切れして頭が真っ白の状態になります。

コンディションにもよりますが、負荷を上げることで感覚レベルは「プラス5」ぐらいまではアップします。汗だくになり、床に臥せって立てなくなるほど追い込んだとき、ものすごい充実感を覚えます。

トレーニングしている最中は苦しくて仕方がないですが、その後の爽快感は何とも言えません。筋トレ後、冬でも水シャワーを浴びるのが私の日課で、水シャワーを浴びると体が火照り、これからやるべき仕事を片っ端から処理してやろうという強い気持ちが内側から盛り上がってきます。

病気のときはいけませんが、少々ダルいときなら、まず100%の確率で、ハードなトレーニングをすると熱い気持ちになれます。

このように、気が進まないときでも、「えいや」と自分に気合いを入れ、先送りすることなく、やり切ったあとの爽快感を、常に感覚レベルとして覚えておきます。何となくではなく、数字として記録するといいと思います。

■ まとめ

まとめると、こうです。

気分が乗らない(マイナス2) → 気合いを入れる → 行動をスタート → やり切る → 爽快感を覚える(プラス5)

この感覚レベルの移り変わりを、常に頭の中に入れておきましょう。気合いを入れてやるだけで、冷えた心に、大きな火がつきます。反対に、気合いを入れることなく、そのまま先送りをしたら、次のようになります。

気分が乗らない(マイナス2) → グズグズ悩む → 何もやらない → 自己嫌悪を覚える(マイナス3)

何もやらないだけで、いちだんと心が冷え込んでいきます。マジメな人ほど、自分に対する失望感が増えることになるのでしょう。だから、気を付けたいですね。

気合いを入れてやる前(ビフォー)と、やった後(アフター)との感覚レベルを冷静に分析すること。それから、次にとる行動を判断しましょう。自分を律してやる(やらない)ほうがいい場合は、気合いで自分の精神をコントロールするのです。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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