「騙されたと思って」と言われたときの対処方法とは? ――ブラック営業対策

営業には、キチンと説明を求めましょう。(写真はイメージ)(写真:アフロ)

■「騙されたと思って」が通用する2パターン

「騙されたと思って、一度やってみませんか?」

と誰かに言われたとき、さて、あなたはどうしますか。

シチュエーションはさまざまでしょうが、誰もが言われた経験があるでしょうし、相手の提案にのってやってみた経験もあるでしょう。もちろん、断った経験もあるはずです。

「騙されたと思って」は、だいたいが「食わず嫌い」の人に対して背中を押すために使う表現です。

「トマトが苦手って聞いたけど、福島の名水によって育てられたこのトマトは最高に美味しいから、騙されたと思って、一度食べてみて。驚くほど甘いんだから」

こう言われてしまうと、普段はトマトを食べない人でも「そこまで言うなら」と心を動かされるかもしれません。

このように、「騙されたと思って」という表現は、

1.絶対に相手を満足させる自信があり

2.相手が嫌がる根拠がない

ときに使われることが一般的です。

■ ブラック営業の手口

かんぽ生命の「不適切販売」は完全なる「ブラック営業」です。で、私はブラック営業について書きました。

記事で紹介したとおり、「ブラック営業」と「詐欺」は異なります。相手を騙すトークも、明確に差があります。詐欺のほうが、はるかに高等な説得技術を使いますし、何しろその技術を使うための訓練が、徹底されています。

接点の数が「1回」しかないことが大半の詐欺の場合、その場で商品を買わせ、その場で現金を支払わせるため、きわめて高いトーク技術、演技力がないと、相手を信用させられないからです。

しかし、一般的な営業は、詐欺師のように普段から技を磨こうとしません。とくにブランド力のある商材を扱う営業は、その商品力に甘え、不勉強で、営業トークも拙いのです。(営業コンサルタントの私が言うのだから、間違いありません)

今回の日本郵便やかんぽ生命のように、誰もが知っている大企業の営業でも、このようなケースは見られます。いつも顔を合わせている局員などが販売しており、お互いに絶対的な信頼関係(ラポール)が構築されているからです。

それこそ、

「騙されたと思って、入りませんか」

と強く迫られるだけで、

「いつもお世話になっているし、そこまで言うなら……」

と、言われるままに保険に入ってしまう高齢者も多いはず。そうでなければ、保険料の二重払いなど、お客様に不利益を与えた可能性のある契約が、18万件以上にのぼるという調査結果が出るだなんて、あり得ません(2014年度以降で)。

■ しっかり説明してもらう勇気を

騙されたと思って、と言われて買ったら、本当に騙された――では、シャレになりません。

お客様の利益を支援することが営業の仕事です。お客様の側になったとき、本当に自分にとってその商材が自分(自社)の利益となるのか、冷静になって吟味しましょう。

どうしても理解できない場合は、「なぜ自分にとってこの商品がいいのか」と説明を求めるべきです。信頼関係があればあるほど、聞きづらいでしょうが、勇気をもって説明を求めるのです。もし、相手がその論拠を正しく解説できないようなアマチュアな営業なら、その人から何も買う必要はありません。

「騙されたと思って」は友人・知人が言うのならともかく、営業が使うフレーズではないからです。