絶滅寸前?「仕事が趣味」のエクストリーム・ワーカー(Xワーカー)たちは4月からどうすればいいのか?

「仕事が趣味」のXワーカーたち(GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

■「仕事ギライ」が増えている?

リクルートキャリアが実施した「働く喜び調査 2013~2017年」において、興味深い結果が出ています。「働く」と聞いて思い浮かぶキーワードが、年々ネガティブ化しているようなのです。

あなたは「働く」と聞いて、どんなキーワードを思い浮かべますか。「生活」ですか。「お金儲け」ですか。「疲れる」ですか。「喜び」ですか。

今回の調査で第1位になったのが「報酬」。2013年から2017年まで、5年連続――2位にダブルスコアの大差――で、「報酬」が1位です。

ある意味、当然ですし、健全なキーワードと言えます。報酬というのは、お金のみならず、承認や評価、地位、名誉といった「精神的報酬」も含まれますから。

2位は5年連続で「生活」。3位も5年連続で「お金を稼ぐための手段」です。

これら上位キーワードのポイントに変化はありませんが、「大変」「つらい」「しんどい」「苦しい」「疲れる」「我慢」といったネガティブなワードは順位を上げています。

また、「働く」ことにネガティブではなくとも、「仕事ばかりの人生はいや」「もっと余暇を楽しみたい」といった労働者が増えていることは間違いありません。

■「エクストリーム・ワーカー(Xワーカー)」とは?

いっぽうで、真逆の価値観を持つ人がいます。つまり、「朝から晩まで働きたい」「寝る時間を削ってでも働きたい」「仕事が趣味」……という人たちです。

金銭的報酬のためではありません。会社に対する忠誠心が高いわけでもない。にもかかわらず、働くことが楽しくてしょうがないから、「限界まで働きたい」といった極端な発想を持っている人たち。

このような人たちは、まるでスポーツやゲームをするかのように、仕事にハマっています。身体能力や度胸の限界を求めるスポーツ、「エクストリーム・スポーツ」に夢中になっている選手と同じ感覚です。

スカイダイビング中に、パラシュートが開くまでボードを使った演技をする「スカイサーフィン」。スケートボードで舗装された坂道をハイスピードで下る「ストリートルージュ」。断崖絶壁から水着一枚でダイブする「クリフダイビング」など……。傍から見ていると、危険で過激なスポーツが「エクストリーム・スポーツ」。しかしこの特殊なスポーツに熱狂する若者たちが、世界中にたくさんいるのです。

■ 刺激に慣れていく感覚

刺激に馴れていくことで、刺激を刺激だと認識しなくなる現象を「刺激馴化」と呼びます。辛い食べ物に馴れていくと、もっと辛い物が食べたくなる人がいるように、もっと過激なスポーツをしたい、もっと危険な目に遭ってもやりたいという心理現象が、このような行動を人にとらせます。

この心理現象は、当然のことながら労働にもあります。

働けば働くほど成果が上がる。自身のビジネスが好転するとわかれば、起きている時間はすべて働く時間に充てたい。寝る時間を惜しんで働いていたい……という発想になっていきます。

このような働き方をする人を私は「エクストリーム・ワーカー」と呼んでいます。エクストリーム・スポーツを「Xスポーツ」と記すので、「エクストリーム・ワーカー」も「Xワーカー」と記すことにします。

■「エクストリーム・ワーカー」の定義

「エクストリーム・ワーカー(Xワーカー)」は、世の中で問題になっている長時間労働者とは区別すべきです。Xワーカーの定義をここで明確にしておきましょう。

● 1日の労働時間が「15時間」を超えている

● 働いて成果を上げることに快感を覚える

● 長時間の労働を主体的に続ける(やらされ感は一切なし)

● ITを駆使し、作業密度を高める工夫を怠らない

● 学習の意欲が高く、自己投資を繰り返す

● 長時間働ける体力作りに余念がない

● 好きな言葉は「仕事の報酬は仕事」――ソニー創業者の一人、井深大氏の名言

1日15時間というのは、朝7時から夜10時ぐらいまでノンストップで働くペース。実際には移動時間や食事の時間もあるため、朝4時や5時に起きてすぐに働きはじめ、夜も11時、12時まで働き続けます。

しかもダラダラ働くのではなく、労働生産性をあげる努力を人一倍やります。働くこと自体が楽しいため労働時間の絶対量を減らそうとしません。したがって、処理できる仕事の量がドンドン増えていくことになります。それこそが自分の成長の実感と受け止めるため、Xワーカーたちはこなせる仕事量が増えれば増えるほど喜びを覚えます。

時間を惜しみ、ランチや夕食をミーティングの場にするXワーカーもいます。ゲーム感覚で働いているため、寝る時間以外は労働に充当する傾向があります。

体を鍛えるXワーカーも多いでしょう。

一年中、ほとんど休むことなく働く知人弁護士は、ゴールドジムに通って筋肉隆々の体を手に入れました。100キロを超えるウルトラマラソンや、アマゾン、南極で行われる特殊なマラソン大会に参加する友人もいます。彼ら彼女らも、ふだんは異常なほど働いて成果を出すXワーカーたちです。

■「エクストリーム・ワーカー」の今後

2019年4月1日から、働き方改革関連法が施行されます。残業上限規制が新ルールとなり、有給休暇の取得が義務化されます。

Xワーカーにとって、これ以上の逆風はないでしょう。いま、タバコを吸える場所が極端に減っている愛煙家のような気持になっているのではないでしょうか。

先述したように、「働く」ことにネガティブになっている人が増えています。長時間労働に対する風当たりは、加速度的に強くなっています。

それでも企業経営者にとってXワーカーたちは、この上なく魅力的な存在です。24時間365日、頭の中が仕事のことでいっぱいの経営者にとっては、これほど共感ポイントが同じ相手はいません。

コンプライアンス違反になるため、会社はXワーカーを放置できません。隠れて仕事しないように、パソコンを取り上げたり、セキュリティを強化して、時間外のメール処理や社内システムを活用できないようにするなど、企業は対策を立てることでしょう。

思う存分働きたいXワーカーたちは、今後、海外へ行くのか、それとも起業という道を選ぶのか。創意工夫し、成長することに喜びを感じる人種ですから、短時間で付加価値を最大化できるノウハウを開発し、世に貢献してもらいたいと思います。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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