いい加減やめたほうがいい大企業の1LDK(一日の長い会議)習慣

いつまでこの会議はつづくのか……(写真:アフロ)

■「1LDK」とは何か?

 働き方改革時代となった現在でも、いまだに「1LDK」をやっている企業があります。とくに大企業に、その習慣が残っています。

 「1LDK」とは「One Long Day Kaigi」の略語。つまり「一日中やっている長い会議」のこと。朝の9時からスタートし、お昼の休憩を挟みながら、夕方の5時や6時ぐらいまでつづく会議です。

 10時から始まり、夕方の4時ぐらいまでやったとしても「1LDK」と言って差し支えないでしょう。いくらお昼休憩があったとしても1日に5~6時間もの時間を会議に費やすなどという発想は、あまりに時代錯誤的です。

 しかも経営幹部ほど「1LDK」の参加率が高い傾向にあります。企業における貴重な経営資源を空費しているとしか言いようがありません。

■「1LDK」は業績も下降させる

 調査によると、業績が下降している企業ほど「会議時間が目立って長い」という結果が出ています(JR東海エージェンシー調べ)。現場に入って長年コンサルティングしている私たちも、それは強く肌で感じることです。

 お客様対応よりも会議を優先する企業もあります。電話しても「部長は現在、会議に入っておりまして」と取り次いでもらえないケースが、そうです。

 「何時に会議は終わりますか」と尋ねると「夕方には会議が終わると思いますが、正確な時間はわかりかねます」などという返答が戻ってくる。

 夕方まで会議だから、それまでコールバックできない、しかも終わりの時間がわからないだなんて。それをまるで申し訳なさそうな態度をすることなく電話対応するアシスタントの方の感覚も、普通じゃありません。

 最低限の会議は必要ですが、長すぎるのは異常です。業績も下降するわけです。

■ 働き方改革に「1LDK」は最大の敵

 また昨今、働き方改革を妨げる最も大きな要因が「無駄な会議」という調査結果も明らかになっています。(キーマンズネット調べ)

 上司が部下とのコミュニケーションをとろうと思っても、会議が終わったあとデスクに戻ると、昨今の部下はもう退社していないことでしょう。上司が朝から定時後まで会議をやっていたら、組織内コミュニケーションはますます活性化しません。

 以前のように、残業してまで上司の「帰り」を待ってくれる時代ではなくなりました。長時間会議に明け暮れていると、メールの受信トレイに届いている「お先に失礼します」という部下からのメールに返信するしかコミュニケーションをとる術がなくなってしまいます。

■ 有益な「1LDK」など存在しない

 業績を伸ばすうえでも、働き方改革を断行するうえでも「長時間に及ぶ無駄な会議」は、とにかく減らしたほうがいい。

 というか「脱会議」(日経BP社)を執筆した筆者からすると、「長時間に及ぶ有益な会議」など、長年の研究から存在しないと断言できます。そのため、「長時間会議」はすべて減らしたほうがいいのです。

 テーマごとに参加メンバーを入れ替えながら、30分集中して実施される会議が、たまたま連結してしまって5時間にも6時間にも及んだ、というのであれば話は別です。しかし、そんなことは現実的にあり得ません。

■ ヒドイ「1LDK」の例

 全国の支店長や、部課長などの管理者が、本社などに一堂に集結する会議があります。その会議の内容は、各支店や営業所による近況の報告や、次の方針の発表などで、大勢が顔を揃えて話し合う必要はないものがほとんどです。

 これは、いわゆるお役所主催の「委員会」などの会議を真似ているだけと私は捉えています。

 このようなお役所の会議は、表面上「委員の先生方からさまざまなご意見をいただく場」となっています。「事務局が考えた方針について先生方がお墨付きを与える場」であることも少なくありません。

 大量の資料が作成され、原則的に委員の先生方には事前に届けられます。ところが多忙な人も多く、結局は会議で資料を初見する人も多いのです。こういう人たちのために、事務局は資料のポイントを会議の場で読み合わせします。

 こうして会議時間の大半が、事務局が作成した資料の読み合わせのために使われ、終盤になって、「それでは時間も押しておりますので、先生方からひとことずつご意見をうかがいたいと存じます」ということになり、先生方が大量の資料をバサバサしながら、勝手気ままに発言するのです。

 これはお役所だから仕方がないことであって、企業が真似しても、良いことなんてひとつもありません。

 最もヒドイ例を挙げると、前回から数字や文言が更新されていない資料がそのまま提出されるケースです。

 「前と少しも変わっていないじゃないか」と上司が指摘すると、部下は「申し訳ありません。口頭でご報告させていただこうかと思ってまして」みたいな言い訳をするのです。これでは資料を印刷するだけ無駄です。資料の紙代のみならず、印刷する時間も無駄。更新していないのなら、資料を印刷することなく、「更新し忘れました。申し訳ありません」と堂々と言うべきです。

■ 会議はF1のピットイン

 F1にたとえるならば、会議は「ピットイン」のようなものです。ピットクルーたちがタイヤ交換し、インテークに入り込んだゴミを除去し、ウィングの角度を調整したりして、マシンを再びレースへと送り出す。このピット作業に費やす時間は、短ければ短いほどいいのです。

 レース中、ピットクルーたちは、ドライバーやマシンの状況を正確に把握しようと努め、短いピット作業のなかで何をすべきかに全神経を傾けています。ピットインする前に、チェックすべきことはすべて終了させているのは当たり前のことです。

 したがって、会議での作業が、資料を見ながらの報告や確認、共有ならば、ピットインしたF1マシンを、クルーたちがただ眺めているだけではないですか。

 現場で働く人たちが、会議室という名のピットに寄り道しているだけで、その経営資源(時間と労力)は、経営上、完全にロスしているのです。

 もう「1LDK」はやめましょう。管理者たちを思考停止にします。組織の風通しも悪くなります。業績的にも、働き方改革的にも、デメリットしかないのです。

 「会議=仕事」だと受け止めている管理者がいるのであれば、総会議時間が減ることでやることがなくなり、「会議難民」化するでしょう。しかし、働き方改革時代においては、まず避けては通れない道です。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。メルマガ「草創花伝」は4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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