生産性が高い話し方「サクバナ」3つのポイント

電話で誰かに何かを伝えたいときは、いつも「サクバナ」(写真:アフロ)

生産性を上げる2つのポイント

長時間労働を是正するために、多くの企業が仕事の生産性を高めようと躍起になっています。しかし現場に入ってコンサルティングしている身からすると、とくにホワイトカラーの生産性を高めるやり方を、多くの経営者、マネジャーが理解できていないと言えます。

仕事の生産性をアップするには、2つの効率を上げなければなりません。1つが「作業効率」そしてもう1つが「コミュニケーション効率」です。たとえば会議が長いのはなぜか? 話が長いから――それ以外に理由がありません。誰も話さない会議など存在しませんから、誰かの話が長い、話さなくてもいいことを誰かが話しているから長くなるのです。

また、仕事の手戻りが多いのもコミュニケーション効率のせいです。相手に誤解されるようなこと、勘違いされるような話し方をするので、やらなくてもいい仕事を増やしてしまいます。

仕事の生産性を高めようとすると、どうしても「作業効率」のほうにばかり意識が向いてしまいます。しかしホワイトカラーの生産性を上げようとするなら、断然「コミュニケーション効率」に焦点を合わせた対策のほうが早く効果が出ます。

さくさく正確に話す「サクバナ」

さくさくタスクを処理することを私のコンサルティング会社では「サクタス」と呼びます。成功を意味する「サクセス」と似ているし、何より語感がいいので、気に入って使っています。

※参考記事:超高速で仕事を片付ける「サクタスチーム」のつくり方

さくさくやるべきことを片付けることは「サクタス」。ぐずぐず言って、なかなかタスクを処理できていないことを「グズタス」と呼んでいます。

「サクタス」するときは、話し方も気を付けます。タスクをサクッと処理するためには、誰かに誤解されないよう正確に話すことが必要です。こういうときに「サクバナ」を意識します。さくさく正確に話すことを「サクバナ」と呼びます。サクタスを文化にするチーム(サクタスチーム)では、「グズバナ」は禁止。

「ぐずぐず言い訳から話さないで、結局どうしたいんだ? 何を言っているかわからない。サクバナを心掛けろよ」

このようにサクタスリーダーは、自分にも部下たちにも「サクバナ」を意識するよう何度も働きかけます。

生産性が高い話し方3つのポイント

「サクバナ」のコツは、相手にわかりやすく「論点」からスタートする話し方をすることです。雑談ならともかく、「論点」を話の後ろにもっていくと相手に誤解される可能性が高まり、「コミュニケーション効率」が著しく悪くなります。

私はよく「木をイメージしながら話をして」と言います。

「論点」は、話の「幹」です。話の中心を構成する「幹」があり、「枝」そして「葉」があると、頭の中でイメージするのです。そしてその「幹」を一番はじめに伝え、その後に、「枝」、そして「葉」の順番に話してみるのです。まとめると以下の3点となります。

■ 一番伝えたい話の「論点」を簡潔に話す(論点=幹)

■ 二番目に、話の「幹」を補足する「枝」をすべて話す

■ 三番目に、話の「枝」を補足する「葉」を個別に話す

この話し方を「ホールパート法」と呼びます。

ホールパート法とは、最初に話の全体像(WHOLE)を相手に伝え、それから話の部分(PART)を説明する話し方。相手の「頭」を整理させるうえで、とても簡単で効果的なコミュニケーション技術です。よく「結果から話す」「結論から伝える」と言いますよね。雑談であれば、結論を最後まで話さずに引っ張るのもいいですが、誤解を避けるためにも、できる限りやめたほうがいいでしょう。

「サクバナ」を心掛けるためには「木」をイメージし、「幹 → 枝 → 葉」と話すこと。そして「幹 → 枝」のパートは、事前に準備しておくとさらに生産性が高い話し方になります。

「この提案書にお客様のニーズを盛り込んでほしい。ポイントは3つ。品質・価格・納期」

このように準備して話します。

「この提案書にお客様のニーズを盛り込んでくれないかな。ニーズのポイントは3つ。品質・価格・納期だ」

「枝」を文章ではなく、短い単語で話すと相手の記憶に残りやすくなります。そして、「枝」を補足する「葉」の話を短く話します。

「品質というのは、お客様が求めているプロダクトの品質レベルのこと。ヒアリングシートに書いてあるから、そこから情報を拾って転記してほしい」

これがさくさく話す「サクバナ」のコツです。短く話しても、相手に誤解されたり、話した相手がさくさくタスクを処理する「サクタス」ができなければ、意味がありません。

「サクバナ」は、チームで仕事の生産性を高めるためには必要不可欠です。

「早とちり」しそうな人、「話半分」に聞いて自己主張を展開したがる相手と話をする場合は、

●「枝」や「葉」の部分で必要となる数値的根拠を「資料」などで用意しておく

● 途中で相手にレスポンスされないよう、最後まで駆け抜けるように話す

といったポイントも押さえておきます。ぐずぐず言い訳から入る話し方「グズバナ」にならないよう、「サクバナ」を心掛けて仕事の生産性を高めたいですね。とくに電話で相手に何かを伝えたいときは、強く心掛けたい話し方です。