女性の部下から「相談されるスキル」をアップする、たった一つの考え方

最近、よく相談にくるようになった……(ペイレスイメージズ/アフロ)

急増する「女性の部下」

現代の日本社会において、女性が活躍できない職場に未来がないのはすでに周知の事実です。「女性活躍推進法」などが制定され、この機運が下火になることはあり得なく、「女性の部下って苦手なんだよな」と頭をかいている上司がいたら、もう退場と言っていいでしょう。

とはいえ、長年、男性の部下しか持ったことがない男性上司は、戸惑うことも多いでしょう。そこで、女性の部下と良好な関係を構築するために必要な心構えを簡単に解説します。とくにどうすれば相談されるのか? 「相談されるスキル」を向上させる考え方、テクニックを考えてみます。

2種類の相談事

他人からの相談事には、2種類の目的があることを知っているでしょうか? その目的とは、以下の2種類です。

1.問題を解決したい

2.安心欲求を満たしたい

頭でっかちの人は、すべての相談の目的は前者の「問題解決」であろうと考えます。私のようなコンサルタントは職業柄、すぐにそのように判断し、後者の「安心欲求」目的の相談でさえ、問題を解決しにいってしまう癖があります。具体的に会話例を見ていきましょう。

たとえば女性の部下から以下のような相談をされたとします。

「同期入社したAさんが当社の人事制度に不満があるようで、退職したいと言ってるんです。話を聞いてみると、かなり誤解しているようなんですが」

こういう相談であれば、上司は問題を解決するために頭を働かせないといけないことでしょう。

「そうだなァ、当社の人事制度って、けっこうわかりづらいからな」

などと呑気なことを言っている場合ではありません。いっぽうで、以下のような相談をされたらどうでしょうか。

「昨日、同期のAさんと二人で飲みに行ったんですけど、行った先の居酒屋のご主人が人手不足で困ってるって言ってました。居酒屋さんがアルバイトを集めるのって、どうすればいいんですかね」

こういう相談であれば、相談というスタイルをとった世間話ですので、適当に返事をしなければなりません。

「どんな居酒屋かな。居酒屋であっても、待遇だけじゃなくて、働きがいを感じられないようなお店だと、なかなかアルバイトは見つからないと思う。知り合いの人材派遣会社を紹介してもいいけど、どういうアルバイトを集めたいのか、もう少し詳しく教えてもらえないかな」

などと、本気で問題解決しようとしてはいけません。女性の部下は「なんだか面倒くさいことになったな」と受け止めることでしょう。こういう場合こそ、

「へェ、居酒屋さんも大変なんだね。確か、僕がこの前行ったお店も人手不足で大変だって言ってたよ」

と、相手の話に共感し、同じような感想を口にする。これぐらいできなければいけません。

「私の幼なじみがスペイン料理の店をやってるんですが、従業員が少なくって店をたたむらしいんです」

「それは残念だね。せっかくお店を開いたのに」

「スペインで3年修行して、ようやく2年前にお店をもったんですよ。私もすごく残念です」

「そうかァ、なんとかならないのかなァ」

……と、これぐらいの緩さで世間話に付き合うのです。

部下とのペーシングが大前提

部下と関係を構築するためには、日ごろから相手にペースを合わせたコミュニケーション(ペーシング)をすることです。レッテルを貼るわけではありませんが、女性からの相談時は「安心欲求」を満たしたいという目的である可能性が高い。その相談を受けて、論理的に話を噛み合わせたほうがいいのか、それとも表面的に調子だけ合わせればよいのか、正しく識別してギアチェンジできること。これが、円滑なコミュニケーションをするうえで大切なことです。

相手が男性であろうが女性であろうが、良好な関係ができてはじめて「相談される」ものです。なかなか相談されない上司は、ついつい

「どうしてわからないことがあったら相談しないんだ。いつでも相談しろと言ってるだろう」

と相手に相談を要求します。しかし、だいたいが、

「課長っていつも忙しそうじゃないですか。だから、なかなか声をかけられなくて……。わかりました。これからは何かあったら相談します」

と言われるだけです。上から目線で相談しろとと求められれば、部下との関係はどんどん悪化していきます。当然これ以降も相談される回数は増えません。女性の部下から相談されやすくするには、日ごろからの何気ない「共感コミュニケーション」が大切です。