残業しないし成果も出さない社員が急増中 勘違いワークライフバランスの悲劇

結局ツケを支払わされるのは……(写真:アフロ)

勘違いワークライフバランス

「働き方改革」や「ワークライフバランス」「時短」「生産性」……という言葉を、正しく理解せずに口にしている人がとても多くなっており、企業の現場では混乱が起きています。こういった時代のキーワードが流行することで、いつの時代も犠牲になるのは成果にコミットしている現場の責任者です。

なぜ混乱が起きているのか。いろいろな理由がありますが、まず、これらのキーワードを正しく理解せず、単に働く時間を短くできる権利がもらえたと勘違いしている社員が急増していることも事実。何事も順序が大事です。権利を得るにはまず、責任を果たすことが重要だと知りましょう。

「時間単位」ではなく「成果単位」の意味

「時間単位」ではなく「成果単位」で労働を考えていこうという考えが政府の後押しもあって広まりつつあります。この「時間」と「成果」とは、労働を考えるうえで非常に重要な切り口となります。このケースでも重要なのは順序。必ず「成果」から物事を考えます。

よく「逆算思考」と言いますが、何から逆算するかといえば、当然のことながら「成果」から逆算して物事を考えます。朝10時にお客様のところへ行くのであれば、朝10時までに到着している状態から逆算して、どの電車に乗り換えるか、どの時間にオフィスを出るのか、準備をいつまでに終わらせておくべきかを考えます。「成果」が先で「時間」が後。

ですから仕事でも同じです。今期の成果は何か? そこから逆算して四半期はどうするのか。月単位でどのように計画し、週や日単位でどのようにタスクを処理して、自分の仕事のあり方を考えていきます。

最悪な逆算思考は?

最悪なのは、「時間」から逆算して「成果」を決める人です。

「定時まで、この仕事があるので、その仕事はムリです」

と、平気で答える人。

残業しなくてもかまいません。頼まれた仕事を定時までにするには、どうすればいいか。業務スピードを速めるか、優先順位を変えるか、業務を細かく分割して、他の人にも手伝ってもらうか。いろいろな選択肢があります。にもかかわらず、

「時間がないので、なかなか終わりません」

と言って、毎日定時で帰っていたら上司は頭を抱えることでしょう。

「時間」から逆算して「成果」を決める人は、考える習慣がありません。瞬発的に「ムリです」「難しいと思います」と言葉が出てしまうのです。

いったん立ち止まり、深く考えるクセがないと、

「成果を出せばいいってもんじゃないですし」

「成果、成果、と言われるとモチベーションが落ちます」

などと、論点とずれた返答をしてしまいます。

慣れない仕事をするときは、他人よりも時間がかかってあたりまえ。そして時間を区切ることなく、一気にやり切ったほうが作業の習熟度はアップします。したがって多少、残業をすることになったとしても、仕事が終わるまではやり切る習慣を身につけることが重要です。

そうしなければ何事も上達しませんし、成長しなければやりがいを持つこともありません。

「時間」から逆算して仕事をする人は作業密度が非常に薄い。とはいえ、組織の業務量は一定です。したがって、多くの場合、そのツケは、「成果にコミットしている中間管理職」が支払うことになります。

AIやロボットがさらに進化していく今日において、誰かから言われたことを時間単位で処理するだけの人材はもう必要ありません。人手不足の時代だからこそ、組織の重荷にしかならない人材は求められないのです。

「働き方改革」も「ワークライフバランス」も重要なキーワード。だからこそ順序だけは間違えないようにしたいですね。