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目標を絶対達成させるには「逆算思考」よりも「カウントダウン思考」がおススメ

横山信弘経営コラムニスト
本当の逆算思考を持つためにはカウントダウン思考が必要(写真:アフロ)

達成できないのは目標の「あり方」に問題がある

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。

これまで膨大な現場経験からしてわかるのは、目標を絶対達成させられない人は、大きく分けると、目標を達成させる「やり方」に問題があること、そして目標の設定――つまり「あり方」にも問題があること、この2つです。これは思考パターンからきている問題ですから、そもそもの思考を変えるべきと受け止めましょう。

たとえば目指すべき「あり方」が、『残業削減』だったらどうでしょうか。『残業が少ない職場』というのがありたい姿だとわかっても、目標を達成させることは困難です。『残業が少ない職場』という表現が抽象的すぎて、この状態から逆算してアクションプラン(やり方)を作ることができないからです。

目標から逆算するためには、そもそもの目標の設定の仕方に気を配るべきです。

まず抽象的な表現を具体的な表現に変換します。「総論」を「各論」に変えるわけですから、「総論賛成各論反対」思考の方には大変でしょうから思考チェンジが不可欠です。

以下が事例です。

●『残業が少ない職場にする』 → 1ヶ月の残業時間を全員20時間以内にまで減らす。あと4ヶ月で。

●『若い人材を増やす』 → 25歳以下の人財を3人採用する。あと6ヶ月で。

●『秋のイベントの集客を頑張る』 → 11月24日のイベントに400人を集客する。あと78日間で。

ポイントは2つ。

■ 目標を数値で表現する

■ 期限を決めるだけでなく、期限までの長さを数値で表現する

ここでとても重要なのは、2つ目です。期限までの「距離感」を数値で確実につかむことです。

「今週中にやる」のと「あと3日でやる」のとでは、受け止める感覚が異なります。どちらがプレッシャーになるかというと、当然後者です。さらに業務分析をすれば、「あと3日でやればいいわけだが、余裕のある時間は正味2.5時間ぐらいしかない。2.5時間で40人は集客しないと、自分に割り当てられた集客目標が達成しない」などとわかります。

具体的にやるべきことが明確になり、目標を達成しやすくなります。

逆算思考より「カウントダウン思考」

私がお勧めするのは「カウントダウン」です。「逆算」よりもインパクトがあるので、効果は高いと言えます。表現の仕方はこうです。

「目標」+「目標までの不足分」+「期限までの日数」

実際に言葉をあてはめてみましょう。

集客目標400名まで、あと378名。あと76日です。

このようなカウントダウンを定期的に表現していきます。

集客目標400名まで、あと234名。あと65日です。

集客目標400名まで、あと198名。あと30日です。

集客目標400名まで、あと89名。あと22日です。

期限が近づいてきたら、毎日のように表現します。

集客目標400名まで、あと76名。あと21日です。

集客目標400名まで、あと64名。あと20日です。

集客目標400名まで、あと59名。あと19日です。

集客目標400名まで、あと40名。あと18日です。

集客目標400名まで、あと27名。あと17日です。

集客目標400名まで、あと9名。あと16日です。

……ここまで来たら盛り上がってくることでしょう。「あと9名だ!」「一気に400名を超えさせたい」「まだ2週間以上あるから450名も狙える!」となります。

カウントダウンするときに気を付けるべきは、実績を表現しないことです。

集客目標400名に対して、現在は276名の実績です。

……このように表現すると、「276名」の実績がすでに出ていることに満足してしまいます。目標を絶対達成させるために意識すべきは、あと「124名」も不足しているというポイントです。実績は省略すべきです。

また、「あと124名を11月24日までに集めなければ」と言っていても、危機感を正しく持てません。「あと31日で124名を集めなければ」と、期限までの日数がはっきりすることで「毎日4名ペースで集客しないと達成できない」という強い意識を持てるようになります。

目標を達成させるためには「逆算思考」を持て、とはよく言われますが、もっと具体的な行動に落とし込むためには「カウントダウン思考」を持つべきです。カウントダウンできるような目標の設定、そしてアクションプランの作り方が大事になってきます。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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