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新年度を迎え、すべてのビジネスパーソンが「肩の力を抜いて」仕事をするために

横山信弘経営コラムニスト
はじめからリラックスして仕事をすることはできない(写真:アフロ)

肩の力の抜き方

4月になり、いよいよ新年度がスタートします。新入社員をはじめ、転職や転勤、異動などによって、新しい仕事に就く人たちはたくさんいることでしょう。

何か新しいことをスタートさせたり、関係の浅い人と仕事をしなければならないとき、どうしても肩に力が入ってしまうものです。緊張したり、肩の力が入っていると、自分の力が発揮できないものです。ですからリラックスしよう、もっと冷静になろうと自分に問い掛けます。周囲からも「大丈夫」「心配しないで」「もっと肩の力を抜いて」などと言われることでしょう。とはいえ、なかなか「心がけ」では肩の力を抜くことはできません。

なぜ肩に力が入るのか?

肩に力が入ってしまう理由は、単純です。慣れないことをするからです。

慣れない作業をさせられている、慣れない人と付き合わなければならないシチュエーションに置かれているからです。「慣れない」ということは「習慣化していない」ということ。習慣は過去の体験の「インパクト×回数」でできています。この場合「数」です。「数」が足りないから、ある物事に「意識」を向けないと、そのことができない。この状態を「意識的有能」と呼びます。意識しているときは有能だが、無意識のときは無能であるということです。

車の運転免許を取得したばかりのとき、助手席の人とお喋りしながら運転できるかというと、多くの方はできないでしょう。運転に集中しているため、他事に意識を向けられないのです。

しかし「数」を繰り返すことによって意識しなくてもできるようになっていきます。この状態を「無意識的有能」と呼びます。この状態になることで、無意識のうちにできるようになる、つまり「習慣化」するということです。車の運転でいえば、場数を踏むことで運転に慣れ、同乗者の人とお喋りしたり、音楽を聴きながらでも自然と運転ができるようになるのです。

「場数」が唯一の解決方法

脳はある物事に焦点を向けると、他のことには焦点を向けられません。これを「脳の焦点化の原則」と呼びます。慣れない作業を同時に2つ以上こなすことができないのは、このせいなのです。

肩の力を抜くためには、「完璧主義者にならないこと」「上手にやろうとしなくてもいいの」「リラックスして。あなたならできる」などと言われても気休めにもなりません。「場数」です。量をこなすことで「無意識」のうちにできるようになり、緊張感から解放されます。同時にいろいろなことを習慣化させることは不可能ですので、ひとつひとつの事柄に意識を向け、ひとつひとつを習慣化させていけば、必ず肩の力を抜くことができます。そして本来のポテンシャルを発揮できるようになるのです。

会社に入り、たかが3~4ヶ月で会社を辞めてしまう人がいます。よほどの事情がない限り、世間的に「きわめて残念」だと受け止められることでしょう。なぜなら、「意識的有能」の時期にストレスがたまるのは誰でも同じ。その状態を抜け出せば、自分の力をいかんなく発揮できるようになると多くの人はわかっているからです。最初は肩の力が入るでしょうが、半年~1年もすれば「場数」が多くの事柄を解決してくれます。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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