他人に軽く扱われたくないなら、今すぐ「クールビズ」をやめなさい

スーツは男の戦闘服である……(写真:アフロ)

2005年から始まった「クールビズ」は、10年以上が過ぎました。室温「摂氏28度」でも能率的に仕事ができるようにと考えられた「ノーネクタイ、ノージャケット」のクールビズの発想は、多くのサラリーマンに受け入れられ、瞬く間に普及しました。

おそらく誰もがお気づきでしょうが、クールビズが普及したのは、その服装のほうが「ラク」だからです。エコ対策というのは建前であり、室温を28度以上にしないオフィスでも、ラクな服装をしているサラリーマンが大半です。

とはいえ、見かけの「強さ」は、説得効果に大きく影響します。

「権威の原理」という言葉をご存知でしょうか。権威のある人(ありそうな人)には説得されやすいという心理現象を指しています。たとえば、ある30代の男性に何か頼まれたと仮定します。その男性の服装が、

● くたびれたジャージにスリッパ

● ポロシャツにジーンズ

● スーツにネクタイ

● 警備員の制服

上記の4種類によって、説得効果は異なります。まったく同じ男性であっても、「警備員の制服」を着用している人から依頼されたほうが断りづらい、という統計が出ているのです。要するに人から軽く扱われたくないなら、「軽く見られない服装」をすることが重要です。つまりだらしない服装をすることはご法度。(これを「ユニフォーム効果」と呼びます)

仕事上、人を説得・リーディングすることが多い人(管理職や営業職)にとって、服装はとても重要なアイテムです。「ラク」だからといって軽視するわけにはいきません。服装は「ラク」になっても、部下やお客様が動いてくれなければ、本当の「ラク」は手に入らないからです。

歴史的に見ると、もともと下流階級ほど「薄着」をし、上流階級になるほど「厚着」する傾向があり、これはスーツ発祥の地、イギリスをはじめとした西欧のみならず、世界の広範囲で見られるものです。つまり洋服を着込むのはパワーがある証拠とみなされてきたのです。人間に対する心理効果は、人間が進化・退化しない限り、不変のもの。服装に対しても、同じことが言えますね。

「軽く見られる人」というのは、精神的弱さが見える人です。難しい試験を合格することができない。スポーツでも結果を残せない。大勢の人前で話すとき緊張してしまう。苦手な人の前ではうまく話すことができない。何をしても長続きしない……。こういう人が、他人から軽く扱われるのです。

とはいえ、困難なことを乗り越えて何らかの結果を出したり、面倒なことを継続するのは骨が折れます。しかし、スーツを着て、ネクタイを締めることは、100%誰でもできます。なぜなら、クールビズの期間以外は誰でもやっていることだからです。

環境省が設定するクールビズの期間は、現在5月1日~9月30日の【5ヵ月間】

5月1日から、ネクタイをとり、ジャケットを脱ぎ、半袖シャツにしなければいいだけの話。夏用の涼しいシャツやスーツに衣替えすることはあっても、4月30日までと同じようにネクタイを締め、ジャケットを羽織ればいいのです。たったそれだけのこと。(一度脱いだらダメ。もう一度着こむのは困難でしょう)

12ヶ月のなかで5ヵ月間、軽く見られる服装に変えるのか。それとも、精神的強さが感じられる服装のままにいるのか、の選択です。「精神的強さを見せろ」ということではありません。周りが勝手に精神的弱さをさらけ出す服装をするのを拒否するだけ。簡単なことです。

とはいえ、オフィスで働いている以上、周囲とのコントラストも気にするでしょうから、お勧めするのはジャケットを脱ぐぐらいはしたほうがいいかもしれません。

通勤では、必ずジャケットは羽織るか、手に持っていきます。オフィスでは、ジャケットを脱いでもいいでしょう。その代り、パリッとした長袖シャツを着て、ネクタイをキチンと締めておきます。ネクタイは、夏に似合う淡い色のピンクやブルーでいいかもしれません。長袖シャツとネクタイをすることで、ラクではないでしょうが、暑くて仕事に集中できない、などということはないはずです。

説得効果を高めるうえでも、ラクではない服装をすることは効果があります。人から軽く見られたくない、という人は、今すぐクールビズをやめてみましょう。