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Facebookで「リア充」の投稿を繰り返す人が、自己成長できない理由とは?

横山信弘経営コラムニスト
「リア充」の投稿には、たくさんの「いいね!」がつくが……(写真:アフロ)

Facebook(フェイスブック)のフィードを眺めていると、投稿でよく目にするのが、「リアルが充実している記事=リア充記事」です。

家族で美味しい食事を食べに来てます。職場の飲み会で盛り上がってます。海外旅行へ来ています。誕生日のお祝いをしてもらいました。今日、後輩と夢を語り合いました。……こういった投稿です。

私も、美味しい食事をしているとき、家族で楽しい時間を過ごしているとき、素晴らしい景色を観て感動したとき、ついつい誰かに報告したい。こんな充実した時間を過ごしている自分を誰かに知ってもらいたい! という衝動に駆られます。写真を撮影したりしてフェイスブックに投稿するときもあります。

充実しているリアルを表現すれば、多くの「友達」から確実に「いいね!」をもらえることでしょう。自己顕示欲や承認欲求は満たされるはずです。そのことはいいですし、ドンドンやればいいと思います。他人がとやかく言うことはありません。

ただ、気になるのは、成長欲求が強い人がそのような投稿を繰り返すケースです。

私は目標の「絶対達成」をスローガンにして活動するコンサルタントです。そのせいで、周りには成長欲求が強い方が集まってきます。人生において高い目標を宣言し、それを叶えようとする人ばかりです。

高い目標を設定し、それを達成させるためには、2種類の目標を設定し、常に意識することが重要です。それは「遠隔目標」「近接目標」です。

たとえば「1年後にTOEICで900点とる」という目標があったとします。この目標が「遠隔目標」です。いっぽう「TOEICで900点とるために、週に20時間勉強する」が「近接目標」。

しかし、仕事をしながらであったり、他に学業があるなら、週20時間の勉強は大変でしょう。途中で心が折れそうになるかもしれません。本当に自分はTOEICで900点とる必要があるのだろうか。もっと他にやるべきことがあるのではないか。などと思考ノイズが脳内に駆け巡ることもあるはずです。

それでも、こういったノイズを断ち切って日々精進するからこそ自己成長があるのです。葛藤に打ち勝つことで、過去の自分ではできなかったことが、今の自分ではできるようになります。

たとえば「1年後にTOEICで900点とる」というような「遠隔目標」をフェイスブックに投稿したら、多くの人が「いいね!」をくれるでしょう。「ガンバレ!」「応援する!」「●●ちゃんならできるよ!」なんて多くの人がコメントしてくれるはず。しかし「近接目標」に向かって頑張ってる姿、葛藤している日々を投稿したら、どれぐらいの方が共感してくれるかはわかりません。

「葛藤」しているという事実は、「現在が充実していない=リア充ではない」からです。「いいね!」をもらえる確率は減ります。世の中の多くの人は、常日ごろから葛藤から逃れていたい、目を背けて生きていたいと思っているのです。

現状に満足している人は、自己成長を願っている人を客観的に見ると、無意識のうちに違和感を覚えます。それが仲の良い友人だったりすると、お節介なコメントを残したくなるのです。

「週に20時間も勉強してるの? 息抜きも大事だよ~」

「週20時間も勉強すればいいってもんじゃない。勉強の仕方を工夫したほうがいいんじゃないか?」

「何のためにTOEIC900点を目指してるの? 今のままでも十分、素敵だよ!」

このようなコメントを残されると、投稿した人はさらに葛藤を覚えます。「確かに、息抜きも大事かも」「週20時間って指標が間違ってるのかな?」「TOEIC900点って、確かに何の意味があるんだろう」などと。

本来なら、

「私も触発された! 私も自分の夢を追いかけてみる。一緒に頑張ろうね!」

と、このようなコメントを期待しているのに、誰も書いてくれません。

したがって、日々努力し、葛藤に打ち勝とうとしている人は、あまりフェイスブック等のSNSには近づかなくなっていきます。そこに本当の仲間がいないと知るからです。

リアルが充実している、という投稿ばかりを繰り返す人は、いま現在が多くの他人によって承認され続けます。「今の君は素敵だね」「なんて素晴らしい毎日を送っているんだ!」「私もあなたを見習いたい」と言われながら、強烈な「現状維持バイアス」にかかっていくのです。【現状のあなたのままでいい】というメッセージを送られ続けているからです。

いま現在がゴールであり、ゴールに到達している自分を繰り返し日々味わい続けます。これはこれで幸せなことであり、「今の幸せな私を存分に味わい続けたい」という方にとってフェイスブックは最高のツールでしょう。

しかし現状に満足せず、高い目標に向かって自己成長を繰り返したいという人にとっては逆効果です。向上心が高い人は、【現状のあなたのままではダメ】。「もっと上を目指せ」と言ってくれる人に全幅の信頼を置くものです。したがって、本気で自己成長したい人はフェイスブックで「リア充」な投稿を頻繁にするのはやめましょう。目標に達していない自分を他人から承認されてはいけないのです。

自分ひとりでは、すぐに気持ちが萎えてしまう。モチベーションが続かない、という人は、高い目標を設定して、お互い叱咤激励し合える仲間とだけフェイスブックグループを作ることをお勧めします。

投稿ルールを定めて、「自分も頑張ってるから、みんなも頑張れ!」という投稿を続けると、無理してでも頑張ろう! 努力しよう! という空気ができあがっていきます。

他人に見られているからこそパフォーマンスがアップする「ホーソン効果」という心理現象も期待できます。本気で自己研鑽している人たちとだけ繋がることが、自分を律するうえでもいいですね。フェイスブックやSNSは素晴らしいツールです。うまく付き合っていきましょう。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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累計40万部を超える著書「絶対達成シリーズ」。経営者、管理者が4万人以上購読する「メルマガ草創花伝」。6年で1000回を超える講演活動など、強い発信力を誇る「絶対達成させるコンサルタント」が、時代の潮流をとらえながら、ビジネスで結果を出す戦略と思考をお伝えします。

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