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「共感力」を高めたいなら「バラエティ番組」を鑑賞すべき

横山信弘経営コラムニスト

人間関係を良好にするために、よく「共感力を磨こう」「共感する力を鍛えよう」と言われます。それでは、どうすれば「共感力」を高めることができるのでしょうか。そもそも「共感」とは、他者と喜怒哀楽の感情を共有することを指します。しかし、お互いの感情を共有するためには、その事実を相手に示さなければなりません。

「昨日、主人からヒドイ誤解をされていることがわかった。とてもショック」

と友人から告白され、こちらも同様にショックを受けているのに、

「ああ、そうなのね」

と無表情で応じたら、「ショックを受けたという感情の共有」を相手に伝えられません。どんなに「わかるわかる」と言っても、反応が薄ければ、相手は「共感された」と思わないものです。重要なことはリアクションです。特に、しっかりと相手に伝えるためには、少々大げさなリアクションをしましょう。

「ええええええっ! そうなのっ! ……ショック……。いや~。ホントにショック……。あなたのご主人に? ヒドイ誤解をされていた? ええええええっ……それは、ちょっとツラいかも……」

文字で記すとこうなります。胸に手を当てて、悶絶するように表現したら満点です。これはモノマネ細胞と呼ばれる「脳のミラーニューロン」が密接に関わっています。映画やドラマに集中していると、ついつい主人公の感情と自分の感情とがシンクロしてしまうのも、この「ミラーニューロン」のせいです。

テレビのスポーツ番組も注意深く観てみましょう。サッカーなどよりも、特に野球放送がわかりやすいと言われます。(投球の合間ごとに休止が入るからです)放送の最中に、緊張しているファンの顔、期待に胸を膨らませ、両手を合わせているスタンドの観客たちがよくテレビに映し出されます。それらの表情や仕草を目にしていると、テレビ観戦しているこちら側もそのような感情を強くします。

反応の薄い観客にスポットライトが当たることはありません。

コミュニケーションを考えるうえで、「言語データ」よりも、「非言語データ」のほうに注目します。人の表情ほど、「脳のミラーニューロン」に強い影響を与える「非言語データ」はありません。しかし日本人、東洋人は感情をオモテに出すことが苦手です。コミュニケーション研修をするとき、受講者の皆さんに感情表現をわかりやすく表情に出す練習をしてもらうのですが、なかなか難しいようです。「共感力」を高めたいのであれば、前述したとおり、少しオーバーかな? やり過ぎかな? と思うほどのリアクションをしてみましょう。意外と、それぐらいでちょうど良いのです。

「え! そうなのっ?」

「マジで!」

「すごぉぉぉおい!」

「へぇぇぇぇ~!」

「うわぁぁぁ、やっちゃったんだぁぁぁ!」

リアクションするときは、常に頭の中に感嘆符(エクスクラメーション・マーク)を思い浮かべるのです。特に上司とコミュニケーションするとき、苦手な人と雑談するときに効果を発揮します。共感しているのに、相手にそのことが伝わらないと悩んでいる人はぜひ試してみてください。表情や仕草だけでいいのです。子供たちとコミュニケーションするときも、ぜひ意識したいです。

テレビの「ワイプ」に映っているタレントや、出川哲朗さんに代表されるリアクション芸人の方々の表情を研究してみるものいいですね。その表情を目の当たりにするたびに、おびただしい数の脳のニューロン(神経細胞)が発火しています。こちらも同じような感情を芽生させていることに気付くことです。「共感力」を高める意味合いで、バラエティ番組を意識して鑑賞してみましょう。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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