会話が「ゆがむ」危険人物とは、相手を「外国人」だと思って話す

人と話をしていて、この人とはいつも「話が噛み合わない」「会話がゆがむ」と感じる、ということはありませんか。たとえば相手が社長だったり、夫であったり、部下であったり、ご近所の奥様であったり……。心の準備をして接するのですが、相手のペースに巻き込まれ、伝えたいことが伝えられなかったり、正しく相談できなかったりすると、イライラしたり、ストレスがたまります。

私は現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。クライアント企業のスタッフに目標を達成してもらうため、お互いの会話がゆがんでしまうと話が前に進みません。ですから会話の「ゆがみ度」が高い危険人物を特定しておき、常に接し方を考えています。

私はそのような危険人物と話すとき、相手を「外国人」だとイメージして接しています。(※ この場合の外国人とは、そこそこ日本語が話せる程度の外国人、と定義します)相談相手にならない「危険人物」4つの特徴に書いたように、会話が「ゆがむ」人の特徴は、以下の4つです。

● 置かれた立場や環境などが著しく異なる人

● リアルでの接点が少ない人

● 自分のほうが立場・地位が上だと考えている人

● もともと「感度」が低い人

「置かれた立場や環境などが著しく異なる人」という特徴はまさに外国人とピッタリ。次の特徴は「リアルでの接点が少ない人」。リアルタイムで会話をしないと、言葉の省略やタイムラグが発生したときに「ゆがみ」の微調整ができません。これも相手が外国人だと、同じような感覚を味わいます。

「自分のほうが立場・地位が上だと考えている人」はともかく、「もともと感度が低い人」という特徴は、当てはまります。外国人は感度が低いのではなく、話し手が使っている言語が母国語ではないため、どうしても単語や文章そのものを正しく認知することが困難です。言葉を省略して聞いてしまい、話を歪曲化してしまうことは仕方のないことでしょう。

たとえ日本語がわかるといっても、相手が外国人だとわかれば、多くの人は以下の3つのポイントを心掛けて話すはずです。

1)前提知識を丁寧に伝える

2)ゆっくりと話し、論点を繰り返そうとする

3)話が通じないときは仕方がないと思う

たとえばルイスという名のメキシコ人マネジャーに、メキシコ本社にいる社長と話をしてほしいとします。

「ルイス、ぜひ今回の取引を成功させるために、ボスにこのことを伝えてほしい。ええと……ボスというのは、つまり君の会社の社長のことだ。必要な資料に、必要な事項を記入のうえ、送り返してもらいたい。必要な事項というのは3つだ。よく聞いてくれ。1つ目は――」

このように、相手が曲解しなよう、慎重に言葉を継ぎ足していくはずです。たとえ日本語がわかると言っても、相手は外国人ですから、もしも誤解されても、いちいち腹を立てません。

「私がこの資料を記入して送り返せばいいんですね」

「いや、ルイス。もう一度言うけれど、この資料に記入するのは君の会社の社長だ。社長に説明するときに、この手引きを渡しておいてくれ。ここに、どうして社長ご自身の記入が必要か書いてあるから」

「わかりました。この手引きに必要事項を社長が書いて送ればいいんですね」

「いやいや、違う。この手引きに記入するわけじゃない。社長に記入してもらいたいのは、こっちの資料だ。ピンクの蛍光ペンで印をつけておく。これで間違えることはないだろう」

「このピンクの蛍光ペンはどこで買えるんですか」

「え? 蛍光ペンのこと? これならどこでも売ってるが……」

「こういう蛍光ペンは見たことがない。とてもキレイに色が出る。私が日本に来たとき、一番驚いたのは、何より文房具が美しいことで――」

「ルイス、ルイス。わかった。その話は後にしよう。もう一度、整理させてくれ。これはとても重要なことなんだ。君の社長にやってもらいたいことは……」

このように相手が会話をゆがませようとしても、相手が外国人だから仕方がないと思えますし、何とか理解してもらおうと、かなり慎重に対応するはずです。話の「背骨」となる論点を繰り返し、相手に理解させようと努力することでしょう。

もしもこれが日本人であれば、

「田中さん、この資料に必要事項を記入し、送り返していただけませんか。社長にそうお伝えください」

「かしこまりました。私が責任もって記入し、返送します」

「いえいえ。そうではなくて、社長にお願いしたいんです」

「え、社長が返送作業を? 当社の社長はそんな作業まではやりませんよ」

「何を言ってるんですか。社長自身に必要事項を記入いただきたいのです。なぜそうすべきかは、この手引きに書いてあります」

「どうして私ではなく、社長自身が記入しなくてはならないんですか」

「ですから、ここの手引きに書いてあるって言ったじゃないですか。蛍光ペンで印をつけておきます。記入してもらいたいのは、ここと、ここと……」

「あ、その蛍光ペンって、どこで売ってるんですか」

「はァ?」

「けっこう発色のいいペンですね。売ってるところを教えてくださいよ」

「そんなこと、今どうだっていいじゃないですか。田中さん、いつもあなたはそうやって……」

相手が日本人だとわかっていると、「これぐらいで話は通じるはずだ」と、どうしても期待してしまうものです。ですから、その期待を裏切られるとイライラするのです。会話の「ゆがみ」を発生させないためにも、そして、たとえ「ゆがみ」が発生してもイライラしないためにも、「ゆがみ度」の高い危険人物と話すときは、相手を外国人と考えて接したほうが賢明ですね。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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