やってはいけない! お店スタッフの「塩対応」

不思議なもので、同じお店で、同じものを売っているのにもかかわらず、お店のスタッフによって売れ行きが変わることがあります。スタッフの顧客対応によって、お客様の購買意思決定が変わるのです。私は、スタッフ個人が作り出す「空気」が原因だと考え、どのような「空気」を作れば、売れる可能性が高まるのかを研究してきました。

今回は、「売れる空気」ではなく「売れない空気」に着目します。「売れない空気」をつくっているスタッフの特徴は「無機質&放置」のコミュニケーションスタイル。お客様に「布団からベッドに替えようと思い、ベッドを買いにきたんです」と言われても、

「そうですか。寝具は2階にもありますので、ごゆっくり見ていってください」

と答えるだけです。店内にいろいろなディスプレイや広告があるので、それで売れる場合は売れるし、売れなければ、商品のスペックや価格、店内プロモーションの責任だろうと考えるのです。スタッフに知識がないのではありません。お客様に質問されたら、それなりの知識を使ってキチンと応対します。

「この枕の素材はなんですか?」

「その枕は低反発の素材を使用しています。細かな気泡のオープンセル構造になっているため、弾力と通気性、復元力に優れています。とても寝心地がいいと思います」

つまり「聞かれたら答える」し、「聞かれなければ答えない」という姿勢なのです。

「そうですか……。枕にもいろいろあるので、迷ってしまいます。どういった枕を選べばいいのでしょうか?」

「はい。それは、『お客様が何を重要視するか』によりますね。奥にもございますので、ご覧になってください」

コンビニや書店のように商品アイテムが多く、回転率がとても高い場合は、このような接客スタイルになっても仕方がありません。しかし枕やベッドは、それほど膨大な種類があるわけでもなく、立て続けに新商品が市場へ投入されるわけでもありません。悩んでいるからこそ、お客様は質問しているのです。にもかかわらず、

「お客様がどうしたいか、ですよね」

という言い方をするスタッフがいます。このような「お客様次第です」といった突き放した言い方も、私は「塩対応」と呼びたいと考えています。「塩対応」とは、いわゆる「しょっぱい対応」のことで、AKB48等、アイドルの握手会などでよく使われる言葉です。(島崎遥香さんが有名)アイドルが冷たく、そっけない対応をすると「塩対応された」などファンがつぶやくことから広まりました。

何をどう選んだらいいのか判断材料が乏しい場合、お店のスタッフが積極的にお客様からニーズを聞きだし、そのニーズにマッチする判断材料をティーチングする姿勢が必要です。これは「売り込み」とは違います。

「いま使っている布団と枕だと、起きたときに首と背中が痛くてどうしようもないのよ。どうしたらいいかなと思って」

お客様にこう言われ、スタッフの対応が「売り込み」の場合は、

「お客様、こちらのベッドはいかがでしょうか。年末のキャンペーン商品で、従来よりも20%お安く購入できますが」

となります。お客様の悩みは聞くのですが、その声は無視して、お店にとって都合のいい商品を提案しているからです。以下のような顧客対応が適切でしょう。

「お客様、起きた時に首と背中が痛いとおっしゃったので、『A』という問題を抱えているのかもしれません。『A』を解決するためには、『B』と『C』という要素が必要であり、それらを満たす商品を選択されてはいかがでしょうか。当店で扱っているものとしましては、こちらのベッドと枕の組み合わせは、まさに『B』と『C』の要素が両方備わっており……」

お客様のニーズに合った商品を選択するうえでの判断材料をティーチングしています。そのうえで、このお店で買うなら、こちらの商品がよいでしょうと提案しています。押し付けがましい感じがしませんし、何よりお客様の抱えている問題を解決しようとする思いやりを感じます。

ちなみに「塩対応」は、

「いつも起きた時には、首と背中が痛いということすか。それはそれは大変ですね。当店にはお客様のニーズに合った各種商品を取りそろえておりますので、時間の許す限りご覧になってくださいね」

……こんな感じになります。

「Aという商品と、Bという商品があるけど、どっちがいいんでしょうか?」とお客様に質問されても「それは私が決めることではなく、お客様が決められたらよいと思いますよ」的な対応です。「塩対応」をするスタッフは、お客様個人に「関心」がないことを示しています。【無関心=愛がない】という公式からすると、このような姿勢でお客様とラポール(信頼関係)を構築できるはずがありません。”自分自身で判断材料を収集し、買うか買わないかぐらいは勝手に決めるから放っておいてくれ、という雰囲気を醸し出しているお客様”以外には、正しい知識をもってティーチングすることが重要です。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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