もう後戻りできない いまこそ企業が発揮すべき4つ目の機能

前を向いて操るカヤック。後ろを振り向く暇はない。(写真:アフロ)

企業が維持継続していくために必要な機能は、3つではなく4つなのです。4つ目の機能を備えていない企業は、時代に流され、本流をそれていくのです。

もう後戻りできない

前回の「着々と進む 物流の無人化 未来は確実に変わる」にも書きましたが、時代はシンギュラリティを迎えていると思います。

テリーザ・メイ首相は、3月29日のEU離脱通知で「もう後戻りできない」と言い、5月3日には英下院を解散させました。東芝は、4月24日に本体の完全分社化を決め、銀行から融資扱いを格下げされました。北朝鮮は益々国際社会から孤立し、「日本は放射能の雲に覆われる」と核攻撃を示唆しました。

この1ヶ月だけ見ても、今の時代は、過去の延長にないことは明らかです。このように時代が勢い良く変わっている時に、経営者は何をすべきなのでしょうか。

企業が維持継続していくためには、いくつかの機能が備わっていなければなりません。経営環境に応じて、それを発揮していく必要があるのですが、いつの間にかその機能を失ってしまっている企業も多いのです。

そういう企業は、時代に流されて、本流をそれてしまうのです。本流を保つためにどうすればよいか。ポイントは、4つ目の機能です。

大黒柱を失った東芝は分社化

東芝は4月24日、主要事業の分社化を発表しました。7月以降に、約2万人(単体)の従業員が新会社に移っていくそうです。

1995年に7万3千人いた東芝従業員は、2016年3月で3万6千人になりました。そして現在の2万4千人から、7月以降には4千人になっていくのです。

先行して分社化した「東芝メモリ」は、4月1日より営業を開始しています。東芝を支えていた大黒柱ですが、いま売却されようとしています。

もっと他に方法はなかったのでしょうか。こうなる前に、早く手を打つことはできなかったのでしょうか。

東芝という大企業がこうして少しずつ崩れていくのは、日本の高度経済成長の象徴が崩れていくような気さえします。

過去を手放せないと致命的

企業が、目先の問題解決を優先し、本質を見失うと致命的です。一時的に状況は改善されるかもしれませんが、すぐに似たような事象で、苦しい経営が再来するでしょう。

自らの努力を怠り、経営環境のせいにしたり、時代のせいにしたりすることは簡単です。大手術をしなければならない状況まで誤魔化し誤魔化し経営するのではなく、そうなる前の早い段階から改善努力をするべきなのてす。

きちっと経営している経営者でも、本質を見失ってしまうものです。気づかない内に、過去のシガラミ・誰かのコダワリ・将来のオモイコミが選択肢を減らし、経営の視野を狭くしているのです。

そうならないためにも、企業は4つ目の機能を発揮するときなのてす。

企業が備えているのは3つの機能

安定している時代の企業は、これまでの仕組みを維持する必要があります。そのために、備えている機能は、3つです。

  • 営業機能
  • 管理機能
  • 経営機能

営業機能は、製品やサービスを顧客に提供し、対価を得るための機能です。言ってみれば直接部門の活動です。

管理機能は、営業機能のために必要な人材・資材・場所・成果などを管理・調達するための機能です。言ってみれば間接部門の活動です。

経営機能は、企業の進む方向を決定し、実行させるための機能です。言うまでもなく経営者の活動です。

これら3つの機能で良いのは、順風満帆な安定した時代の時です。こういう時代の未来は、過去の延長線上にあります。

したがって、「ボート」のように、後ろ向きに座り過去の成果をよく観察し、ゆっくり本体を操る必要があります。

すぐに必要となる4つ目の機能

今は、時代の変化が激しい時代です。風向きは頻繁に変わり、方向転換も忙しい時代です。こういう時代の未来は、過去の延長線上にはありません。

したがって、「カヤック」のように、前を向いて未来の変化をいち早く捉え、すばやく本体を操る必要があります。後ろを振り向く暇はありません。

この時代には、4つ目の機能が必要になります。

  • 改善機能

改善機能は、現状を分析し、これからとるべき新たな行動を示すための機能です。この機能を備えていない企業が多いのです。そのため、こんなことが起こります。

営業部門は、管理部門が改善すべきと思っている。

管理部門は、経営部門が改善すべきと思っている。

経営部門は、営業部門が改善すべきと思っている。

「思考する」を増やすこと

これまで、相談を受けるクライアントに「改善機能は、だれがしていますか」と聞くと、このように返ってきます。「特に決まっていない」「経営者がしている」「誰もしていない」

つまり、改善機能は、企業に備えるべきものとして構築していないということです。属人的に実行しているから、間違った改善、表面的な改善になってしまうのです。このような企業は、イノベーションは起こりにくいのです。

改善機能とは、「思考する」を増やすことなのです。思考が増えることで、イノベーションを起こすのです。それらを仕組みとして構築することなのです。まとめて言えば、改善機能に必要な要素は、次の3つです。

  • 改善を正しく思考できるスキル
  • 改善しようと思う組織的な意志
  • 改善を確実に実行できる環境

いますぐ、改善機能の有無をチェックして下さい。なければ改善機能の構築をはじめて下さい。あれば直ちに改善活動を開始して下さい。