時代は変わった! 企業にとってチャンス?ピンチ?

(ペイレスイメージズ/アフロ)

トランプ氏の当選をきっかけに、企業の経営環境は2016年11月から大きく変わりました。ついに、経営は第四世代に突入したようです。各企業は対応できているでしょうか。

創造的破壊への期待

2015年に出版した拙著『第三世代の経営力』(横田尚哉・著、致知出版社・刊)では、戦後の経済環境の変化と消費行動の関係を示し、企業に必要な経営力の違いを明確にしました。

2016年から、第四世代に入ったと言っても過言ではないほどの変化がきています。日銀のマイナス金利、英国のEU離脱、米国の大統領選挙などです。

特に、トランプ氏の当選をきっかけに変わり始めた経済の流れの影響は大きいです。いまだに、トランプ氏に対する印象を選挙中の言葉や態度で判断している人は、読み間違えているかもしれません。

今の世の中が期待していることは、現状に対する不満創造的破壊への期待です。こういう時代は、川下りで言えば、広々とした緩流域から狭く曲がりくねった急流域にさしかかったようなものです。

中小企業にとってのチャンス

とにかく変化が、激しくなるのですから、企業に必要なことは、次の3つの要素です。

  • 状況を素早く把握する
  • 体制を身軽にする
  • 決断を早める

これができる企業にとっては、大きなチャンスになるでしょう。

大企業は、「3つの要素」がなかなかできません。大企業であっても、時代を見る目と判断力・行動力があれば進化できます。孫正義氏のいるソフトバンクのような企業です。

孫氏は、英国首相選でメイ氏の当選確定(2016年7月11日)から1週間後に、アーム社買収を発表(7月18日発表)し、さらに1週間後にメイ新首相と直接面談(7月25日)をしました。驚くべき早さです。

さらに孫氏は、トランプ氏当選(2016年11月8日)から1ヶ月後に、10兆円と言われている『ソフトバンク基金』(2016年10月14日設立発表)から、その半分以上の規模となる5兆7000億円をアメリカに投資すると、トランプ氏と電撃会談しました(2016年12月8日、東スポ)。これまた素早いです。

中小企業は、「3つの要素」がやりやすいのです。どんなやり方でも構いません。とにかく、大きなカーブにさしかかっているので、カーブアウトしないようにしていただきたいということです。

私は、すでに中小企業の経営者向けに「経営改善塾」を立ち上げ、希望する企業に、進化を支援するサービスを立ち上げました。

確認すべきことは2つ

「3つの要素」を整えたら、自社のビジネスや事業に対して2つの質問で確認します。

  • 誰がビジネス・ターゲットなのか
  • ターゲットの何の要求を満たそうとしているのか

なぜなら、ターゲットが変わっているかもしれないからです。自分たちが今、考えるべきターゲット、ステイクホルダー、関係者を見直すときなのです。「誰のため」にビジネスがあるのか、事業があるのかを確認する時です。

もう一つの理由は、そのターゲットの要求が変わっているかもしれないからです。何か大きな変化があれば、それに影響を受ける企業の要求も変わります。人々の意識を変わります。「何のため」にビジネスがあるのか、事業があるのかを確認する時です。

コツはドライビング・テクニック

過去の印象で、そのまま進んでいると、カーブを曲がりきれなくなることでしょう。瞬間的に体制を変え、カーブを乗り切るコツは、ドライビング・テクニックで言う「スローイン・ファーストアウト」です。

カーブに差し掛かる手前で急速に速度を落とし、カーブに入ったらアクセルを踏み込むというものです。カーブを曲がりながらハンドルを切ろうとすると、ハンドルは重く、思うように曲がらないのです。

スローインとは、時代の本格的な変化が始まるまでに、ビジネスや事業に改善余地がないかを見直し、もしあればすぐに改善に取り組むコトです。ファーストアウトとは、時代の変化についていくために、躊躇なく一気に駆け抜けるコトです。

2016年から2017年は、まさにカーブに差し掛かりました。企業にとって大きなチャンスにつなげていただきたいと思います。