出光と昭和シェル、ユニーとファミマ。その合併で、問題の本質は解決するのか

(写真:アフロ)

出光興産と昭和シェル石油は、合併問題でもめていますが、ユニーグループ・ホールディングスとファミリーマートは、経営統合が実現しました。はたして、それで良かったのでしょうか。

なぜ今、合併なのか

このところ、合併や経営統合のニュースが流れています。それぞれに目的があってのことですが、はたして、それはあるべき姿に向かっているのでしょうか。

8月26日には、東京TYフィナンシャルグループが、東京都民銀行・八千代銀行・新銀行東京の3行が合併して「きらぼし銀行」になると発表しました。この合併は「システムの統合によるコスト削減効果」のためだそうです。

9月1日には、ユニーグループ・ホールディングスとファミリーマートが経営統合し、「サークルK」と「サンクス」の「ファミリーマート」への転換が始まったと発表しました。この統合は「規模の力を活かした商品調達力を強化する」ためだそうです。

8月3日には、出光興産の創業家が「企業文化が異なる」ことを理由に、出光興産と昭和シェル石油との合併を阻止するために、昭和シェル石油の株式を入手したと発表しました。この合併は「物流コストの削減」のためだそうです。

攻めの戦略と守りの戦略

いずれの合併も、合併後の規模を活かして、事業の効率化やコスト削減を狙っているようですが、それは「攻めの戦略」と「守りの戦略」のどちらなのでしょうか。

競争力を強化する攻めの戦略だ、といえば聞こえは良いかもしれませんが、本当は、生き残り策としてやむを得ず選択した守りの戦略であれば、やれることはやったのかと聞きたくなります。

企業が苦境の「今」を生き残り、存続していくということは、投資家にとっても働く人にとっても重要な目的です。

しかし、その先に向かう「未来」がぶれているようでは、本末転倒です。生き残ることで何がしたいのか、存続させることでどんな姿になりたいのかが、なくなっているということです。

合併すると、その企業間での競争はなくなり、事業の良し悪しは均されていきます。そして、別々だった企業の「未来」が同じになります。

少なくとも、出光興産の創業家が危惧している出光佐三氏の築いた「企業文化」はなくなっていくでしょう。

諦めるにはまだ早い

私が、経営改善で使っているファンクショナル・アプローチでは、企業の本質や目的(これをファンクションと呼んでいます)を見失わず、全てのやり方や手段をイチから見直すことです。

「誰のため?何のため?」を徹底的に追求していきます。そうすると、売上げの低迷、業績の悪化、競合との価格競争に、万策が尽きた状態からでも、改善していくことが可能なのです。諦めるには、まだまだ早いということです。

企業は、本来の目的を達成することを第一に考え、そのために、目の前の問題解決に努力することが基本です。

けっして、とりあえず今の問題を解決しておき、落ち着いたらこれからのことを考えよう、ではないということです。

問題解決と目的達成はちがう

今日のポイントです。

問題解決は、問題をなくすためではなく、目的に近づくため

問題から逃げたり、向かう目的を変えたりしても、問題が解決したように見えるかもしれません。しかし、それは本来目指していた目的、ビジョンを諦めるのと同じです。

つまり、問題解決は目的を達成するために取り組むものでなければならないのです。そして、企業は問題解決のスキルを高め、組織的に努力していくべきだと思っています。