従来型書店の危機 買い方は変わった!売り方は変わったか?

書籍・雑誌小売業1128社の業績(東京商工リサーチ)

いま、書籍・雑誌の買い方が大きく変わり、書店の経営は危機的状況にあります。これは書籍・雑誌だけの問題ではなく、多くのビジネスでも起こりうる現象です。他人事ではないかもしれません。

東京商工リサーチが、7月20日に興味深いデータを公開しています。従来型の書店の経営状態です。4割の書店が減収、2割の書店が赤字とのこと。書店という、ビジネスモデルも、時代の変化とともに進化を余儀なくされています。

従来型の書店の役割

このデータは、ネット書店や電子書籍と区別した、従来型の書店のデータです。書籍ビジネスの動向を読み取るには、とても参考になるデータです。

企業別の収入で見れば、増収が23%、横ばいが36%、減収が41%となり、損益で見れば、黒字が78%、赤字が22%となっています。全体では、減収減益です。

1,128社の売上高合計は、最新期で1兆47億2,700万円(前期比0.6%減)で、前期から63億2,600万円減少した。前々期から前期は230億2,300万円(同2.2%減)減少、減少幅は縮小したとはいえ減収傾向が続いている。

 最新期の「増収」は255社(構成比22.6%)と2割にとどまり、467社(同41.4%)が「減収」、「横ばい」が406社(同35.9%)だった。

出典:東京商工リサーチ

同記事の終わりには、倒産実態のデータもでています。2年連続で倒産件数が増加、倒産のすべてが息切れ倒産、休廃業と解散は倒産の2倍とのことです。

従来型の書店は、今の時代に合わなくなってきていることは確実にいえます。書籍離れの影響もあるでしょうが、購買方法の変化の影響が大きいと思います。

紀伊國屋書店も営業終了する時代

売上高トップの紀伊國屋書店ですら、新宿南店の1階から5階を8月7日に営業終了します。大型書店の閉店は、2012年のジュンク堂新宿店や2015年のリブロ池袋本店など、今に始まったことではありません。しかし、売り場面積に見合った利益が出なくなってきていることは事実です。

大型書店が閉店するということは、大量の返本が発生します。その影響は、零細出版社にとっても大きなものとなります。

出版社の倒産件数は2年連続で増加(東京商工リサーチ)するような状況ですから、書籍というビジネスモデルは、明らかに進化するタイミングです。

手段を変えても、目的は変えない

従来型の書店にあった「読者と書籍との出会いの場」として役割は、別のカタチで満たされてきたと言えます。それに合わせたカタチに進化させていかないといけないということです。

しかし、変えてはいけないところもあります。大切なのは、書籍の売り方は時代に合わせて変えていったとしても、書籍がもつ本来の目的を変えてはならないということです。売れないからといって、ネットの記事と区別のつかない電子書籍にはなってほしくないです。

私も著者の1人として、書籍というカタチがどのように進化していくのかが、気になるところです。

参考:経営の変化4つのタイプ。世の中についていけないのはシャープだけじゃない!