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侍ジャパンは坂本勇人をリードオフに据えて悲願の金メダルへ!!

横尾弘一野球ジャーナリスト
3試合で打率.429の坂本勇人(巨人)が打線に勢いをつけ、悲願の金メダルへ。(写真:ロイター/アフロ)

 稲葉篤紀監督が率いる野球日本代表“侍ジャパン”は、8月2日に横浜スタジアムで行なわれた東京五輪の準々決勝でアメリカとタイブレークの延長におよぶ激闘を7×6で制し、準決勝では宿敵・韓国と対戦することになった。では、韓国を倒して銀メダル以上を確定させ、8月7日の決勝に進出するための修正点はどこになるか。

 アメリカ戦では、苦しんでいた鈴木誠也(広島)が大会初安打となる会心の一発を放った。この先は勝負強さを発揮してくれると期待したいが、クリーンアップにチャンスを供給するリードオフは、山田哲人(東京ヤクルト)から坂本勇人(巨人)に変えても面白いだろう。

 また、菊池涼介(広島)と七番という打順だけが、ややフィットしていないと感じる。ならば、山田を七番に入れて下位の攻撃力にも厚みを持たせ、二番は近藤健介(北海道日本ハム)に任せてもいいのではないか。

6 坂本勇人

7 近藤健介

D 吉田正尚

9 鈴木誠也

3 浅村栄斗

8 柳田悠岐

4 山田哲人

5 村上宗隆

2 甲斐拓也

 投手陣では、青柳晃洋(阪神)がお役御免になるか。ドミニカ共和国との予選リーグ第1戦は難しい展開での初登板だったが、アメリカ戦でも打ち込まれたのは痛い。ただ、これは青柳に問題があるのではなく、国際大会特有の現象だろう。どんな国際大会で、どの国の選手でも、なぜか必ず普段と同じパフォーマンスを発揮できないケースがある。技術やメンタルの問題ではなく、国際大会経験者が「その大会には合わなかった」と表現するものなのだが、残念ながらチームの勝利のためには起用できない。

 3日はゆっくり休養して、4日のナイトゲームで韓国と決戦。この試合に勝てば、銀メダル以上が確定する。万が一、敗れても5日には敗者復活戦を勝ち上がってきたチームと決勝進出を争うことができる。残り最大3試合なら、先発投手は山本由伸(オリックス)、森下暢仁(広島)、田中将大(東北楽天)がもう一周でもいいのではないか。胃が痛くなるような接戦が続くが、着実に金メダルには近づいている。

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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