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就活でチェックしたいお金の話 「月給25万」でも実際もらえるのは?計算法を紹介

横川楓日本金融教育推進協会代表/やさしいお金の専門家/金融教育家
(写真:アフロ)

もうすぐスタートする、就職活動。

仕事の内容などももちろんですが、やはり就職をするにあたり、気になるのが収入面です。昨年12月に発表された経団連の調査では、大卒の初任給の平均金額は事務系で218,472円、技術系で217,864円となっています。

 

応募する企業の初任給の額に加え、ボーナスや歩合があるのか、月給制なのか年俸制なのか、手当があるのかなど、就活時には考えるべきところがたくさんあります。

また、年収として書かれている金額と、実際に手元に入ってくる金額は異なるのにも注意が必要。

 

今回はそんな就活時に知っておきたいお金の知識についてお話していきます。

 

 

◆お給料の受け取り方はさまざま

お給料は毎月一定額をもらうもの。

ですがその毎月もらうお給料も、決まり方にパターンがあります。

 

一般的により多くの会社が採用しているのが「月給制」です。

募集要項に月給いくらと記載がある会社は、月単位でお給料のベースが決まっていて、残業代やその他の手当てなどはそれに上乗せされる形で毎月の最終的なお給料が決まります。

 

一方で、お給料の金額が年単位で決まるのが「年俸制」です。

1年分の年収を12か月で割った金額を毎月もらう形となります。

 

月給制も年俸制も、基本的には自分自身のスキルによってお給料の金額はあがりますが、残業代での増減や随時昇給の可能性があり、月々の金額が定まっているわけではない月給制と違い、年俸制の場合、1年分のお給料があらかじめ決まるので、年間の収入の見通しが立てやすいという安心感もあります。

 

写真:Paylessimages/イメージマート

 

 

◆残業代やボーナスは?

気になるのが残業代とボーナス。

月給制の場合、それぞれの会社の就業規則に沿って、法律に基づいた計算額で残業した分の残業代が加算されることになります。

一方で年俸制の場合も、残業代の支払い自体は義務付けられているのですが、あらかじめ年俸に決められた時間に対しての月々の固定残業代が含まれている場合などは、その時間を超えるまでは残業代は支給されないので、注意が必要です。

 

また、ボーナス(賞与)については、月給制でも年1回や2回と回数が異なっていたり、時期の記載がない場合などもあります。

年俸制の場合、ボーナスの金額があらかじめ年俸に含まれていることも、年俸に上乗せされることも。

ボーナスがどのように支給されるかどうかはきちんとチェックしておきたいところです。

 

 

◆年収と手取りはどう違う?

就活の際に確認する募集要項には、月給○○万円や、年収〇〇〇万円などといったような記載がされていますが、この金額は額面金額といって、額面金額から所得税や住民税、健康保険、厚生年金などが引かれた金額が最終的に手元に残るいわゆる「手取り」という金額になります。

 

この実際に入ってくる「手取り」の金額がいくらかというのは、実は大体の金額を自分で調べることができます。

東京在住で、月給25万円の会社を検討する場合を想定して、手取りの調べ方をご説明してきましょう。

 

①社会保険料(健康保険・厚生年金)を調べる

実際にはその会社がどの健康保険組合に入っているかにもよりますが、「社会保険料」と検索すると、協会けんぽの「保険料額表」というのが出てくるので、まずはこちらを参考に社会保険料の金額をチェックしていきます。

協会けんぽ
協会けんぽ

ここで自分の住む都道府県を選択すると、「令和〇年〇月分(〇月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」というpdfページが開きます。

こちらを元に、左から2番目の「報酬月額」という枠の部分から、25万円に該当する欄を見つけます。

 

次に「全国健康保険協会管掌健康保険料」の欄の「介護保険第2号被保険者に該当しない場合」の「折半額」という枠から、先ほど見つけた25万円に該当する金額をチェックすると、健康保険が「11,844円」ということがわかります。

 

同じ要領で、「厚生年金保険料(厚生年金基金加入員を除く)」の欄の「折半額」から、25万円に該当する金額をチェックし、厚生年金が「21,960円」ということがわかります。

詳しい理由は省略しますが、社会保険料は会社が半分負担してくれているため必ず「折半額」という部分をチェックするように気を付けて下さい。

協会けんぽ
協会けんぽ

健康保険と厚生年金を足して、額面25万円の場合の月の社会保険料は、「33,804円」となります。

 

※厳密に言うと社会保険料は4月~6月に支給されるお給料の平均額で1年分が決まり、また、1年分の保険料が決まってからも大幅な昇給などで社会保険料の金額が変わることもあります。

あくまで大体の金額を把握するためのシミュレーションだと思ってください。

 

 

②所得税を調べる

次に所得税を調べていきましょう。

「源泉所得税 表」と検索して出てくる国税庁の「令和〇年分 源泉徴収税額表」のページをクリックします。

いくつかのpdfに飛べるページが出てくるので、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」のpdfデータを開くと、先ほどの社会保険料の時のような表がでてきます。

国税庁
国税庁

先ほどと大体の流れは同じなのですが、今回は額面25万円をもとに数字を探していくのではなく、25万円から調べた社会保険料の金額を引いた「216,196円(250,000円-33,804円)」に該当する金額から、額面25万円に該当する所得税の金額を探していきます。

 

一番左の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」の欄から「216,196円」を探していくと、「215,000円以上217,000円未満」の欄が見つかります。

 

そして「甲」欄の「扶養親族等の数」が「0人」(法律上の扶養家族として養う家族がいる場合はその人数に応じた欄を選ぶことになります)の部分をチェックすると、この場合の所得税の金額が「5,340円」ということがわかります。

国税庁
国税庁

つまり、額面25万円の時に引かれるのは社会保険料が「33,804円」、所得税が「5,340円」

手取りとして手元に入ってくる金額は「210,856円」ということがわかります。

額面として25万円でも、実際に手元に入ってくるのは約21万円と4万円分の差があるのは大きいですよね。

 

住民税が引かれるのは社会人2年目からなので今回は省略したのと、他にも雇用保険やその他会社によっていろいろなお金が引かれる可能性もあるので、必ずしもこの調べ方で出てきた金額が確実な金額というわけではありません。

 

とはいえ、この方法で一度でも調べてみると、月給いくらでそのときの手取りはいくらか大体の金額を把握でき、より手元に入る金額をリアルに考えることができます。

 

 

会社に勤める上で月々手元に入るお金がいくらなのかというのは生活をしていくうえで、とても大切なことです。

最近では、コロナ禍の時勢を鑑みて通勤手当がなくなり、代わりに在宅勤務手当を支給するという会社も。

通勤手当は非課税である一方で、在宅勤務手当は毎月定額の支給だと課税対象となるので、一見すると手取り額は減ってしまうことになります。

 

しかし、在宅勤務手当でも実費相当額の精算であれば非課税だったり、用途が通勤のために使うと限られている通勤手当と違い、毎月定額でも在宅勤務手当はある程度自分の裁量で使い道を考えることができるので、実質額面金額の上乗せになるとも考えられます。

 

写真:アフロ

 

お給料の仕組みは会社によってさまざまで、成果報酬という形でお給料が上乗せされたり、資格を取ったり、一定の役職につくことで、額面金額に加えて手当という形でお給料のボトムアップの実現も可能だったりします。

 

就活をしていくにあたり、自分が勤めたいと考えている会社がどのような給与体系で、どれくらい月々お金をもらうことができ、入社後収入アップにはどのような制度があるのかなど、できる限り前もってチェックしてみるようにしましょう。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

日本金融教育推進協会代表/やさしいお金の専門家/金融教育家

経営学修士(MBA)、AFPなどを取得し、お金の専門家/金融教育家として活動。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓蒙、金融教育の普及に尽力している。1990年生まれ。明治大学法学部卒。経営学修士(MBA)、AFPなどを取得し、現在はやさしいお金の専門家/金融教育活動家として活動。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓蒙、金融教育普及に尽力している。2022年1月には一般社団法人金融教育推進協会を設立、代表理事となる。子供向けからお父さん向けまで、雑誌、WEB、新聞等の連載多数。著書『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)。

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