あなたの資産が2倍になる時間「72の法則」とは
老後まで安心して生活していくためには 貯金の習慣付けが大切です。前回「貯金ゼロからでも大丈夫!自動的にお金持ちになる方法
」では、手取り月収から一定額を自動的に積み立てる方法をお勧めしました。
資産運用を始めるなら早ければ早いほど有利です。例えば、運用利率ゼロで試算したとしても、22歳から60歳までの 38年間、毎年60万円の積み立てをすると2280万円を貯めることができます。
もう少し高い利回りで複利運用した場合に、資産はどれくらい増えるでしょうか。複利とは、元金によって生じた利子を次期の元金に組み入れて計算する利子法です。元金だけでなく利子にも、次期の利子が発生します。
【38年間毎年60万円を積み立てた場合】
0.5%複利 2517万円
3%複利 4274万円
5%複利 6786万円
同じ金額を貯めていく場合、運用利率が高いほど資産の伸びは大きくなります。さらに、運用する期間が長いほど資産の伸びは大きくなります。
【20年間毎年60万円を積み立てた場合】
3%複利 1661万円
5%複利 2083万円
つまり、40歳になってから運用を始める場合より、22歳から始めたほうが有利ということになります。ですが、実際にはいくつになっても資産運用を始めるには遅くはありません。
会計の世界で 「72の法則」というものがあります。預けた元本(元手)を金利によって2倍にするには、どれだけの年数がかかるのかを知ることができる計算式です。
計算方法は簡単で、72を金利(複利)で割れば2倍になるまでのおよその年数が分かります。
(例)年利(複利)3%の場合
72÷3=24
つまり、3%複利で運用すれば、24年で元金と利息の合計が元金の2倍になることが分かります。現在、40歳の人も65歳まで働いて3%運用を目指せば資産を倍増させることも可能なのです。
3%の利回りを目指すには預金や国債などの「安全資産」だけでは難しいです。そこで、運用利率を上げるには、 運用資産に「株式」を加えていくことが考えられます。株式の期待リターンはざっくり5%程度と考えるとよいでしょう。
株と聞くと、「リスクがある」というイメージをお持ちかもしれませんね。たしかに1つの企業の株式を持つことには、その企業が突然経営破綻する危険もつきまといます。
そのため初心者におすすめするのが、十分に分散された 「投資信託」です。投資信託は、複数の企業の銘柄が組み入れられたパッケージ商品です。日経225やTOPIX(東証株価指数)に連動するような投資信託もあります。個別株投資のように個別企業のニュースを日々追い続ける必要もなく、新聞やニュースサイトなどで指数を容易に追いかけることができます。
なぜ株式に投資をすると高いリターンが得られるかというと、 高いリターンは元本の変動との引換に得られるものだからです。株式に投資をすると、元本を1000円とすれば650円~1450円くらいの幅で動きます。つまり投資をすれば、資産が増えるかもしれないけど減るかもしれないのです。あまりリターンは増えないけれど、減らない「安全資産」とは性質が異なるために注意が必要です。
世の中にある高いリターンの投資商品は、その見返りとして必ずリスクを引き受けなければならないことを覚えておきましょう。1年で元本が2倍といった類のものは詐欺の場合が多く、手を替え品を替え、世の中からなくならないので注意が必要です。
できる限り安全に運用するには、 リスクのある商品は小額で始めること、分散をすることが大切になります。投資信託も月100円から積み立てられたり、ポイントを利用できるオンライン証券会社もあるほどです。また、株式だけではなく債券(預金、国債なども債券の一種)も組み合わせることによってリスクを低減させることができます。