ワシントンな夏は完全に夏休みモードになるが、静かなワシントンで活発に活動する若者たちもいる。連邦議会でサマー・インターンをする大学生たちだ。

 インターンというと、アルバイトのような仕事を想像するが、アメリカでは貢献できる経験と能力があれば、サマー・インターンでも政策に影響を与えることができる。

 そんな例が、先日のワシントン・ポストに掲載されていた。

 ペンシルバニア州のチェイネイ大学に通う20歳のトーマス・マクラは、サマーインターンの最終週、養子制度に関心が深い上院議員と下院議員の前で里親制度の改革の必要性について提案した。

 彼は、生まれてから1ヶ月で母親に捨てられてから、大学に入るまで22件の家をたらいまわしにされて育ってきた。

 最初は、母親が父だと主張する男性の家に連れて行き、そこで10歳まで育った。そのとき、父は体調の悪化から友達に息子を頼んだのである。だが、その家庭で、その家の14歳の孫が銃を暴発し、マクラは右肩を撃たれた。その家庭は孫を守ろうとしたが、近所の人が銃声に気がついたことが幸いしマクラは治療を受けることができたと言う。

 その後、育ての父とはなんらの血縁がないことが判明し、しかも彼はすぐに病気で死亡した。それから彼は11歳からは公の里親制度のもと、家を転々とする。

 マクラは銃で撃たれただけではなく「お前は何もできない怠け者だ」と罵る里親もいたという。

 マクラはPTSDとウツ、そしてADHDと診断されながらも、優秀に成長する。彼は、最後に養子縁組してくれた友達の家族とそして短期の里親であるが初めて家庭を味あわせてくれた家族に出会えたことが、今の人生につながったと振り返る。

 マクラは、大学2年生でミスター大学生に選ばれ寮のリーダーにも選ばれている。そして、サマーインターンに選ばれるほど優秀な学生だ。

 マクラは、子供のときからの体験と思いを克服するために、養子制度に貢献するためにサマーインターンとしてワシントンに戻ってきた。

サマー・インターンになるには、大学生が自分でそれぞれの議員事務所に交渉する。見事サマーインターンになる男子学生にはカーキ色のブレザーと明るい青色の蝶ネクタイをはめて連邦議会でインターンをする。連邦議会に訪れた際、こんなファッションの若者を見かけたら彼らがサマーインターンである。