中洲で愛され続けるラーメンとは

屋台だけが博多の夜のラーメンではない。
屋台だけが博多の夜のラーメンではない。

 「豚骨ラーメンの街」福岡博多で夜のラーメンと言えば、やはり中洲や天神などの屋台を連想する人も多いだろう。しかし、福岡には明け方まで営業しているラーメン店も数多くあり、どこも遅い時間まで賑わいをみせている。中には明け方に行列を作る店すらある。

 福岡随一の夜の街「中洲」で、飲んだ締めに食べるべきラーメンはどんなラーメンなのか。前回に続いて今回も福岡のラーメンを食べる上で欠かすことの出来ない、深夜に営業する人気ラーメン店3軒をご紹介する。中洲の夜はこれを食べなければ終われない。

長浜の味を川端で楽しめる『元祖ラーメン 長浜家』

2010年に長浜で創業した『元祖ラーメン 長浜家』。2016年に現在の川端商店街へ移転した。
2010年に長浜で創業した『元祖ラーメン 長浜家』。2016年に現在の川端商店街へ移転した。

 福岡のご当地ラーメンである「長浜ラーメン」。長浜ラーメンとは博多漁港に面する長浜で生まれたラーメンのこと。1953(昭和28年)に開業した『元祖長浜屋』がその発祥と言われているが、その流れを汲む人気店が『元祖ラーメン 長浜家』(福岡県福岡市博多区上川端町10-242)である。2010年に長浜で創業したが、2016年に中洲に程近い上川端に移転し、中洲の酔客や観光客に愛されている。

 メニューはシンプルに「ラーメン」のみ。後は「替玉」「替肉」を追加するシステム。驚くほどにあっさりとしたスープはラードのコクが印象的。卓上にあるタレや紅生姜、ゴマで好みの味に調整するのが楽しい。麺の茹で加減や油の量、ネギの量などは好みに応じてくれる。座ると同時に「ベタナマ(油多め、麺超硬め)」などとオーダー出来たら一人前だ。

創作系豚骨ラーメンの嚆矢『ラーメン 海鳴』

魚介豚骨やジェノベーゼなど、他にはない味を次々に提案する『ラーメン 海鳴』。
魚介豚骨やジェノベーゼなど、他にはない味を次々に提案する『ラーメン 海鳴』。

 中洲の東側、博多川に面した場所にある『ラーメン 海鳴 中洲店』(福岡県福岡市博多区中洲3-6-23)。2009年、清川に創業すると同時にオリジナリティあるラーメンで一躍人気店となり、現在は福岡市内と名古屋に7店舗を構えている。2011年に開業した中洲店は、明け方まで行列が絶えない人気店だ。

 従来の博多の豚骨ラーメンとは一線を画した、自由な発想から生まれたラーメンが特徴。看板メニューの「魚介とんこつ」は、臭みのない豚骨スープに煮干しや魚節の出汁をブレンドしたバランス型の一杯。ジェノベーゼソースをモチーフにしたユニークな「ラーメンジェノバ」など、ラーメンの持つ可能性に挑戦し続けている店だ。

半世紀以上愛される醤油ラーメン『王餃子』

豚骨一辺倒の博多でいち早く醤油ラーメンを提供した『王餃子』。
豚骨一辺倒の博多でいち早く醤油ラーメンを提供した『王餃子』。

 1964(昭和39)年の創業以来、中洲で半世紀以上愛されている人気店が『王餃子』(福岡県福岡市博多区中洲2-5-9)だ。店名の通り、餃子をはじめとする中華メニューが揃う町中華だが、深夜でも店内は満席で外に待ちが出来るのは当たり前。中洲の締めには欠かすことが出来ない店として知られている。

 自慢の「博多醤油ラーメン」は、鶏ガラ、鶏首に餃子にも使う野菜から取った深みのあるスープに、小麦が香る自家製の細ストレート麺が泳ぐ、あっさりとした味わいの醤油ラーメン。豚骨ラーメン一辺倒だった博多の街で、長年にわたり愛され続けて来た歴史ある醤油ラーメンは、中洲の夜を締めるのにふさわしい一杯だ。

 豚骨、魚介豚骨、醤油と、中洲の夜のラーメンはよりどりみどり。今回ご紹介した3軒は、いずれも深夜まで客足の絶えない人気店ばかりだが、コロナ禍の影響で早仕舞いをしている場合もあるので、酔いが回る前に営業時間をしっかりと確認してから足を運んで頂きたい。

※写真は筆者によるものです。

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