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今絶対に食べておくべき 東京駅のラーメン「最新」3軒

山路力也フードジャーナリスト
東京駅には2021年も多くの新しいラーメン店がオープンしている。

東京駅は「隠れラーメン激戦区」だ

八重洲側と丸の内側の両方にラーメン施設を擁する東京駅。
八重洲側と丸の内側の両方にラーメン施設を擁する東京駅。

 東京は日本一ラーメン店が集まる都市だ。渋谷、新宿、池袋など、ラーメン店が数多く集まるエリアは多々あるが、「隠れラーメン激戦区」として注目すべきエリアがある。それはズバリ「東京駅」だ。

 東京駅には八重洲側と丸の内側の両方に、人気ラーメン店が集まるラーメン施設がある。一つは八重洲口地下に広がる『東京駅一番街』(東京都千代田区丸の内1-9-1)に、2009年オープンした『東京ラーメンストリート』『六厘舎』『ひるがお』など、東京を代表する人気店8店舗が出店している。

 もう一つは2019年、丸の内側にある商業施設『KITTE 丸の内』(東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー内)の地下1階に登場した『ラーメン激戦区 東京・丸の内』。人気店『中華蕎麦 とみ田』による『松戸富田麺絆』など実力店4店舗が集う。

 東京駅に行けば美味しいラーメンがたくさんある。2021年にはさらに新しい店がオープンして注目を集めている。今回は、今東京駅で食べるべきラーメン店を厳選した。いずれも2021年にオープンした新店ばかりだ。

中華の技が光る担々麺『茶麺房 貴勇』(2021年6月オープン)

丸の内北口の線路高架下にある『茶麺房 貴勇』。
丸の内北口の線路高架下にある『茶麺房 貴勇』。

 2021年6月、丸の内北口の線路高架下にオープンしたのが『茶麺房 貴勇』(東京都千代田区丸の内1-7-2)。「ミシュランガイド東京」で毎年一つ星を獲得している人気店『私厨房 勇』によるプロデュース店。ジャズが流れるスタイリッシュな空間で、本格的な担々麺や小皿料理を楽しむことが出来る。

 担々麺は汁あり、汁なしの他にトムヤムクンベースのものと3種類が揃う。そこに排骨(パーコー)や東坡肉(トンポーロー)、香菜(パクチー)などを好みでトッピングも出来る。他にもエビチリや魯肉飯などがあり、中国茶や紹興酒なども楽しむことが出来る。目の前の茶釜で中国茶をウェルカムドリンクとして出してくれるのも嬉しいサービス。

 基本の「担々麺」は、辛さや痺れを抑えた万人受けする味ながらも、この店ならではの個性が感じられる一杯。しっかりとした旨味のあるスープには、複雑な辛味が加えられることで立体的な味わいに。さらに上品な酸味が広がって旨味や辛味と重なり合っていく。中華の技法が光る本物の担々麺だ。

麺が美味しい喜多方ラーメン『らーめん 七彩飯店』(2021年8月オープン)

八重洲地下街にオープンした『らーめん 七彩飯店』。
八重洲地下街にオープンした『らーめん 七彩飯店』。

 2021年8月、八重洲口の地下街『八重洲地下街(ヤエチカ)』(東京都中央区八重洲2-1)にオープンしたのが『らーめん 七彩飯店』。人気ラーメン店『麺や七彩』がプロデュースした新業態の1号店。今後は直営やFCなどを含めて積極的に店舗展開を計画しているという。

 「圧倒的に美味しい麺」をブランドコンセプトに掲げ、同時に古き良き東京の町中華のエッセンスも加えたメニュー構成。ソース味の焼飯「東京ソースチャーハン」や「ジャンボシウマイ」など、町の中華料理店にかつてあったメニューも置いて、懐かしくも新しいラーメン店の楽しみ方を提案している。

 『麺や七彩』の看板商品とも呼べる「喜多方らーめん」がこの店でも登場。豚骨や豚肉の旨味を抽出した優しい味わいのスープは、『麺や七彩』同様に化学調味料を使わずに仕上げた。サラッとしていながら旨味が深く、ついつい飲み干してしまうほど。そこに合わせられる平打ちのもちもちとした太麺は、口の中で程よく暴れる心地よい食感。さらに噛みしめれば麺の美味しさが増していく。

ニンニクが効いた熊本ラーメン『ラーメン天外天』(2021年11月オープン)

『東京ラーメンストリート』に期間限定出店中の『ラーメン天外天』。
『東京ラーメンストリート』に期間限定出店中の『ラーメン天外天』。

 東京駅八重洲口の『東京駅一番街』(東京都千代田区丸の内1-9-1)にあるラーメン施設『東京ラーメンストリート』。「東京で真っ先に食べたいお店」をコンセプトに、これまでは東京に店舗を構える店が出店していたが、2021年7月より東京以外の名店が出店する期間限定店舗企画『ご当地ラーメンチャレンジ by 東京ラーメンストリート』が展開されている。

 第1弾は神奈川の名店『支那そばや』が出店し、連日行列を作る人気を得ていたが、第2弾として現在出店して早くも話題を集めているのが、熊本ラーメンの人気店『ラーメン天外天』(本店:熊本県熊本市中央区安政町2-15)だ。こちらは2022年2月24日までの期間限定店舗となる。

 熊本ラーメンは豚骨ラーメンだが、豚の他に鶏の旨味も合わせていることと、ニンニクを効果的に使うのが特徴。豚ゲンコツに鶏ガラを合わせたスープは口当たりこそ軽めながらも旨味の濃度が高く、グイグイと飲み進めさせるパワーがある。さらに大量の自家製ガーリックパウダーを浮かべることで、パンチの効いた味わいに。翌日を気にしない人にはスライスしたニンニクの醤油漬けもオススメ。コリコリとした食感の糸島メンマに、スープに溶ける有明海苔と、具材にも手抜きなし。

 東京駅には美味しいラーメン店がたくさん集まっていて、選ぶのに迷ってしまうほどだが、今回ご紹介した3軒はいずれも2021年にオープンした新店ばかり。そして新店とは思えない実力派ばかりだ。それぞれ味の方向性や個性は全く違うので、ぜひ3軒とも食べて自分好みの味を見つけて欲しい。

※写真は筆者によるものです。

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フードジャーナリスト

フードジャーナリスト/ラーメン評論家/かき氷評論家 著書『トーキョーノスタルジックラーメン』『ラーメンマップ千葉』他/連載『シティ情報Fukuoka』/テレビ『郷愁の街角ラーメン』(BS-TBS)『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)『ABEMA Prime』(ABEMA TV)他/オンラインサロン『山路力也の飲食店戦略ゼミ』(DMM.com)/音声メディア『美味しいラジオ』(Voicy)/ウェブ『トーキョーラーメン会議』『千葉拉麺通信』『福岡ラーメン通信』他/飲食店プロデュース・コンサルティング/「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を考えながら様々な媒体で活動中。

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