【緊急提言】新型コロナウィルスと共存していくために飲食店が今すべき2つのこと【#コロナとどう暮らす】

コロナと共に飲食店はどうあるべきなのか。(写真:アフロ)

飲食店への営業自粛要請が解除へ

 東京都では6月19日から接待を伴う飲食店やライブハウスの営業が再開できるようになり、一部の大規模なイベントを除き休業要請は全面的に解除された。小池都知事は事業者への感染防止ガイドラインの徹底を呼びかけるとともに、都民には自発的な感染防止の取り組みを呼びかけた。

 「自粛から自衛の局面」へと移行した新型コロナウィルス対策。2ヶ月近い長期間の外出自粛と、自治体からの営業時間短縮や休業の要請もあり、飲食業界はこれまでにない大打撃を受けている。資金がショートした個人店の廃業も相次ぎ、大手ナショナルチェーンのレストランや居酒屋も大量閉店を余儀なくされた。「緊急事態宣言」が解除されてから1ヶ月近く経つが、テレワーク化が進んだことやインバウンド需要がいまだ回復していないこともあり、飲食業界の冷え込みはいまだ続いている。

 今、飲食店は新型コロナウィルスと共存する新しい世界に順応した営業が求められている。政府が提言している「新しい生活様式」に基づき、飲食店においてもソーシャルディスタンスを始めとするいわゆる「三密」対策や、マスク着用、アルコール消毒、検温などの対策は、当面の間継続していかなければならないだろう。その上で、早急に飲食店が取り組まなければならないことを2つ挙げてみたい。

テイクアウト業態の精査が急務

 まず、真っ先に取り組まなければならないのが「テイクアウト業態」の見直しである。営業自粛と外出自粛要請の中で、テイクアウトやデリバリー業態を始めた飲食店が急増し、今も継続している店が多い。しかしながら、これまでテイクアウトの商品を販売していなかった飲食店が急場を凌ぐ形でバタバタと始めた業態だけに、懸念材料が少なくないのが現状だ(参考記事:『コロナショック』で急増する飲食店のテイクアウトや通販への懸念)。

 夏場を迎えるにあたり、一番の懸念はなんといっても「食中毒」だ。冬はノロウィルスなどの「ウィルス性食中毒」に注意すべきだが、夏場に多く見られるのは「細菌性食中毒」。飲食店で気をつけなければならないのは「黄色ブドウ球菌」「腸管出血性大腸菌(O157など)」「カンピロバクター」「サルモネラ菌」「ウェルシュ菌」などが挙げられるが、これらの発生環境や潜伏期間などについて理解しておく必要がある。

 弁当店やファストフード業態など、以前よりテイクアウト業態を主軸に置いていた飲食店の場合は、日頃から食中毒対策に取り組んでいることがほとんどだが、調理したてのものを目の前で提供して喫食する飲食店の場合は、食中毒に対して意識するポイントが異なっている。調理してからどのように保存され、何時間後に喫食されるかコントロールしづらいテイクアウト商品に関しては、これまでとは異なるものだけに万全を期した対策が望まれる。今回のコロナショックで見切り発車のようにテイクアウト業態を始めた飲食店は、今一度自店のテイクアウト商品の安全性をしっかりと確認すべきだ。

フィルムやアクリル板のリスクを知る

 また、飛沫拡散防止策として厨房と客席の間に塩化ビニール製などのフィルムやアクリル板を設置している飲食店も少なくないが、その結果として火災報知器やスプリンクラーなどが正常に作動しない状況になっているケースが増えている。また火元が近いところでは引火のおそれがあったり、白熱灯に近い場所に設置してある場合は白熱灯の熱で引火する可能性もある。消毒用アルコールを厨房内でフィルムに噴霧して引火したという事例もあった。

 厨房内でソーシャルディスタンスを確保することは難しいだろうが、マスク着用を徹底することで飛沫拡散は防ぐことができる。これはあくまでも個人的な意見ではあるが、従業員が必要以上の私語を避けてマスクをしっかりと着用しているのであれば、前述したリスクを抱えてまで厨房にビニールフィルムを設置する必要はないのではないか。火があることが大前提である厨房内で、可燃性の塩化ビニールやポリエチレン製のフィルムをぶら下げるリスクは想像以上に高いと考える。今一度、フィルム設置場所の見直しや付け替え、撤去などの対策を検討していただきたい。

 新型コロナウィルスの拡散を防止することは、飲食店にとって必須の課題であることは間違いない。しかしながら、それによって食中毒を起こしたり火災などを起こしてしまっては身も蓋もない。新型コロナウィルスと共存していく時代になった今、飲食店にはコロナ対策と共により一層高い安全対策意識が求められている。

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