「横浜家系ラーメン」が「博多泡系ラーメン」をジャックする?

博多ラーメンの人気店『博多一幸舎空港南店』が2日間にわたり『町田商店』へと衣替え

『博多一幸舎』『町田商店』がコラボレーション

「元祖泡系」を謳う博多ラーメンの人気店『博多一幸舎』
「元祖泡系」を謳う博多ラーメンの人気店『博多一幸舎』

 博多豚骨ラーメンと横浜家系ラーメン。どちらも地元はもちろん全国的にも認知度が高いご当地ラーメンだが、博多ラーメンの人気店『博多一幸舎』(株式会社ウインズジャパン 本社:福岡市博多区/代表取締役:入沢元)と、横浜家系ラーメンの人気店『横浜家系ラーメン 町田商店』(株式会社ギフト 本社:東京都町田市/代表取締役社長:田川翔)、二つのご当地ラーメンの人気店がタッグを組んだイベントが福岡で開催されている。

横浜家系ラーメンを全国や海外にも展開している『町田商店』
横浜家系ラーメンを全国や海外にも展開している『町田商店』

 『泡系が食べられない2日間』『博多一幸舎が「家系」にジャックされる!!』と銘打たれたタッグイベントは、『博多一幸舎 空港南店』(福岡市博多区西月隈3-15-8)にて10月18日(金)19 日(土)の2日間にわたり開催(参考記事:博多一幸舎ホームページ)。店の前には『町田商店』の幟がズラッと並び、外観はもちろん内装やスタッフのユニフォームにいたるまで一幸舎の文字はなく、文字通り「ジャック」されたような演出が施されている。そしてこのイベント期間中は『博多一幸舎』のメニューは一切なく『町田商店』のラーメンだけが提供される。

『博多一幸舎』が2日間だけ『町田商店』に
『博多一幸舎』が2日間だけ『町田商店』に

 全国に横浜家系ラーメンを展開している『町田商店』だが、実は福岡県への出店はなく今回が初めての試み。博多ラーメンや長浜ラーメンなどの豚骨ラーメンが根強い福岡には、他の地域のご当地ラーメンが進出してくることが少なく、福岡市内で横浜家系を名乗る店は皆無に近い。果たして全国で人気を集めている『町田商店』の横浜家系ラーメンは、豚骨の聖地である福岡博多の人たちの舌を満足させることが出来るのだろうか。

収益は台風の被災地に義援金として

店内の装飾やスタッフのユニフォームもすべて「ジャック」されている
店内の装飾やスタッフのユニフォームもすべて「ジャック」されている

 18日(金)イベント初日、実際に『博多一幸舎 空港南店』へ足を運んでみた。店舗上の大きな看板こそ一幸舎のままだが、それ以外の看板やポスターなどはすべて『町田商店』のロゴで覆い尽くされている。小雨が降る悪天候ではあったが、事前の店頭告知やSNSなどによってオープン前から行列が出来ていたとのこと。訪れた午後1時過ぎでも店内は常時満席という盛況ぶりだった。

 「いらっしゃいませぇー!」スタッフの威勢の良い元気な声が店内に響き渡る。『町田商店』のスタッフだけではなく『博多一幸舎』のスタッフもこのイベントでは『町田商店』のユニフォームを着て営業しているが、急遽結成された混成チームとは思えない一体感のある営業はさすが人気店同士。活気のある店内が心地よい。

 今回のイベントで提供されるラーメンは『町田商店』で通常出されているものと同じ「横浜家系ラーメン」。メニューは「ラーメン(醤油)」「ラーメン(塩)」の2種類のみで、あとはライスとトッピング。『博多一幸舎』の「元祖泡系」と呼ばれる博多ラーメンなどは一切提供されない。価格はどちらも一杯500円(税込)。このイベントでの収益は、先日の台風19号で被害を受けた被災地への義援金として寄付されることとなった。

横浜家系ラーメンは博多で通用するのか?

ライスと一緒に食べるのが家系の流儀。スープを飲み干すと「完まく一丁」の文字が現れる
ライスと一緒に食べるのが家系の流儀。スープを飲み干すと「完まく一丁」の文字が現れる

 『博多一幸舎』で食べた『町田商店』の横浜家系ラーメンは、実店舗で食べたものと変わらぬクオリティだった。家系ラーメンはライスと一緒に食べるのが一般的。大判の海苔をスープに浸してご飯を包んで食べたり、卓上に置かれたお漬物などと一緒に食べたりする。

 さらに『町田商店』ではスープを飲み干すことを「完まく」と呼び、スタッフ全員から感謝と賞賛の大きな声をかけられ、「完まく」する毎に公式アプリにスタンプが1つ付与され、スタンプが10個貯まるとラーメン1杯無料クーポンが貰える仕組みになっている。今回のイベントではスタンプ付与こそないが、大声で「完まくいただきました!」「ありがとうございました!」の声が響き渡っていた。

 横浜家系ラーメンはひと言でいえば「豚骨醤油ラーメン」。スープは濃厚な味わいの豚骨醤油味で、キレのある関東の醤油ダレが効いたもの。麺は自家製のややもちっとした中太麺を合わせている。この組み合わせは豚骨の旨味が軸となるスープと、加水率が低くややボソッとした極細ストレート麺の組み合わせである博多ラーメンとは真逆。同じ豚骨ラーメンではあるが、味も見た目もまったく別物だ。

今回のイベントは『町田商店』の丼と『博多一幸舎』の受け皿のダブルネームが実現
今回のイベントは『町田商店』の丼と『博多一幸舎』の受け皿のダブルネームが実現

 横浜家系ラーメンは豚骨ラーメンの街で通用するのか。おそらく10年以上前の福岡であれば、このラーメンに拒否感を持つ人が多かったかもしれないが、ここ数年の福岡では「脱豚骨」「非豚骨」と呼ばれるラーメンが増えており、豚骨醤油はもちろん辛麺や鶏白湯、つけ麺にまぜそばと、色々なラーメンの選択肢が急激に増えている。今の福岡のラーメンシーンにおいて、横浜家系ラーメンを受け入れる土壌は十二分にあると感じた。

 今回のコラボレーションイベントは、両者で何か一緒に面白いことをやろうということからトントン拍子に決まったと聞く。しかし邪推するまでもなく、全国展開している『町田商店』は横浜家系ラーメンが福岡で通用するのかを確かめたかっただろうし、『博多一幸舎』も豚骨ラーメン以外のジャンルのポテンシャルを見たかっただろう。果たして、今後福岡の地に横浜家系ラーメンが広がっていくのかどうか。注目していきたいと思う。

【『博多一幸舎』×『横浜家系ラーメン町田商店』イベント概要】

 日時:2019年10月18日(金)、19日(土)11:00~21:00

 実施店舗:博多一幸舎 空港南店(福岡県福岡市博多区西月隈3-15-8)

 提供メニュー:ラーメン(醤油) 500円/ラーメン(塩) 500円/ライス 100円/トッピング味玉 100円/トッピング海苔 100円(いずれも税込)

 詳細ページ:博多一幸舎ホームページ

※写真はすべて筆者によるものです。