社会課題を可視化する「データ・ビジュアライゼーション」とは

筆者作:三大都市圏の人の流れ(2014年)

Yahoo!ニュースで記事を書かせていただくことになりました矢崎です。私はデータ・ビジュアライゼーションとよばれる領域で実務家として活動しています。

データ・ビジュアライゼーションとは

データ・ビジュアライゼーションという言葉、聞いたことがありますか?インターネット検索するとたくさんのページがヒットしますが、言葉を分解すると「データ」と「ビジュアライゼーション(可視化)」でして、昔から存在していたもののようにもみえます。いったい何が新しいのでしょうか?

二つの一般名詞が合体して、新しい言葉「データ・ビジュアライゼーション」として語られる際、まずはチャートやグラフ、地図を思い浮かべてほしいのですが、これらがインターネット・ブラウザ上で、年代・地域など、色んな切り口で操作可能なことが最大の特徴です。ここでのポイントは操作して動かせると楽しい、ということだけではなく、データの切り取り方をユーザーが選べることでコンテンツをより自分事にすることができたり、多様なモノの見方を提供できること、などにあります。

統計学で存在しているチャートやグラフの原理原則、地図の世界で確立されてきた視覚的な原理原則、サイエンスの世界で活用されていた可視化技術、それらを現代の視点で包括的に扱い体系化した知といえそうです。

これらの技術を用いることで、一般の人であっても新しい価値観の提案ができるのではないか、ということに可能性を感じ、この連載を「新しい単位」としました。

(説明が足りていない部分もあるかと思いますが、今後の記事の中で徐々に触れていきたいと思います。)

Yahoo!ニュースでカバーする範囲

で、具体的には何を書くの?という話なんですが、Yahoo!ニュースですので、データ・ビジュアライゼーションが網羅するすべての領域ではなく、社会課題に関わっている事柄について書いていこうと思います。エンターテイメントへの適用、メディアアート作品など、データ・ビジュアライゼーションならではの楽しい領域があるのですが、泣く泣く割愛します。

「シビック・テック」

私はコード・フォー・トウキョウという団体で活動しています。アメリカで始まったCode For Americaという団体の活動を2012年に知り影響をうけたこと、日本でもコード・フォー・ジャパンの活動が始まったこと、少し遡って2010年ごろのGov 2.0の動きに受けた影響に端を発しています。これらの活動は「シビック・テック」と呼ばれています。「シビック」(市民の)と「テック」(テクノロジー)をあわせたこの言葉の定義の話をはじめると別な記事がひとつ必要になってきてしまいますので以下のページを参照いただき、

* テクノロジーで地域課題を解決、草の根的に広まる「シビックテック」とは【柴田重臣】

ここでは一旦手短に「行政と住民、デザイナーやプログラマー、データ分析家などが連携して、行政サービスに類するサービスを、IT技術やオープンデータを活用して実現するコミュニティ活動を指す」とします。

この活動のほか、データ・ビジュアライゼーションの専門家として、他の地域で活動されている団体から呼んでいただいたり、勝手に押しかけたり(汗)することもあります。これらの活動の中で得た知見や経験・視点などを、当事者・観察者として、社会へ紹介していけたらと思います。

日本や海外での事例紹介

また、上記以外の日本での事例、海外での事例も紹介していきます。海外での事例についてはこれまではIT系海外翻訳メディアなどで、数あるコンテンツの一つとして、散発的にデータ・ビジュアライゼーションの事例が日本語で紹介されていることがありましたが、その領域の話が集積しているメディアは、日本語ではまだあまりないように思えます。この連載がその一助となればと願います。専門家の観点から日本社会にとってどのような意味がありそうか、どう適用可能か、関連する事例はあるか、どういう人たちが関わっているのかなど、単なる翻訳にとどまらず時には当事者へ問いかけながら、コンテクストをあきらかにしていけたらと考えています。