「MERY」がラジオ番組制作に乗り出した件

Web上でのキュレーションメディアである「MERY」が、紙の雑誌を作り始めた件は既に柳内の方でも紹介しましたが、次はいよいよラジオ番組を始めるようです。今回の施策の概要をおさらいしつつ、MERYチームの狙いを考えてみたいと思います。

コンセプトは「人気モデル達の女子会」

MERYが作るラジオ番組「MERY Cafe at TOKYO」のコンセプトは「人気モデル達の女子会」とのこと。ウェブメディアや雑誌で構築した人気モデルたちとの関係性をフルに活用し、キャスティングをしていくことが予想されます。初回のゲストはMERYのカバーガール的な存在、小嶋陽菜。女子会というコンセプトだと、フリートーク多めのゆるい演出でしょうから、テレビよりラジオ番組の方が相性の良さそうな企画と言えますね。

番組収録の様子(PR TIMESより)
番組収録の様子(PR TIMESより)

まずローカルFMから アプリ経由でスマホにもリーチ

番組が流れるのは、FM新潟・FM岩手(土曜 19:00~19:25)、FMぐんま・FM長野(土曜 20:30~20:55)、FM栃木(日曜 8:30~8:55)といった地方FMからとのこと。これは、予算を抑えながら、ターゲットのユーザーが多そうな場所で、小さく実験をするための選択と思われます。順次エリア展開予定ともあるので、今回の試みがうまくいけば、さらに様々なラジオ局にネットしていくのでしょう。

また、今ラジオ番組は、「radiko」というラジオ各局でリリースしたアプリ経由でガンガン聞ける(ただし放送エリア以外は有料課金あり)ので、スマホにもリーチできるようになっています。MERYユーザーだと、こっち経由で聞きたいという人も多そうですし、FM各局もMERYの番組経由での課金を期待してそうです。

radikoロゴ
radikoロゴ

コンテンツのマルチユースも当然ガンガンする方針 気になるのは本編の二次利用

とはいえ、ラジオは音声コンテンツであり、聞く環境を相当選ぶメディアでもあります。そうなると、このラジオ番組をスマホ最適化した形でマルチユースし、届けることも必要となります。その試みとして、OA後のアフタートークをFacebook LIVEにて配信したり、番組中にやっているゲームの様子をInstagram上で配信したりと、SNSにもコンテンツをバラまいていくようです。さらに

OA後には、OA内容をMERY記事にて、配信いたします。ラジオを聞き逃してしまった方にも、コンテンツをお楽しみいただけます。

出典:PR TIMES

とあり、MERYの一番得意分野である、ウェブ上のテキストメディアによってユーザーに届けることも考えているようです。

ただ、これらのコンテンツは、番組の副産物であり、あくまでオマケです。やはり、今後は、ラジオ番組そのものをスマホ最適化して、届けることこそ、今回のラジオ番組事業の本丸かと思われますが、今のところは、おそらくラジオ局との権利問題などで叶わなかったのかもしれません。これについては、今後の展開に期待ですね。

MERY ラジオ進出における2つの狙い

MERYがなぜラジオ番組を作り始めたのか?私は主に2つの目的があると予想しています。

  1. 本業であるウェブメディアのコンテンツ充実
  2. 多チャンネル化によるMERYブランドの価値向上

1つ目は、ラジオ番組での様子をMERYで記事化することで、本業であるウェブメディアのコンテンツが充実させたいというものです。結果として、PVが伸び、事業の成長が期待できます。オリジナルコンテンツ制作⇒ニュース化というサイクルをグルグル回すことで、本業を加速させていくメリットは間違いなくあるでしょう。

そして、2つ目はMERYブランドを様々なチャンネルで接触してもらうことで、「MERYのブランド価値UP」を狙うというものです。紙の雑誌もそうですが、これまでWebではリーチできなかった層に、ラジオでリーチすることで、MERYの認知度は間違いなくアップします。

これからMERYがさらなる成長を遂げるために必要なのは、PVではなく認知です。更に言うと、マスメディアにも出稿するようなナショナルクライアントの広告費配分の決定権を持っている人たちの認知が必要です。その時に、「ラジオも手がけている」というプレゼンは効くと思いますし、「業界内プレゼンス」も上がっていくでしょう。対ユーザー、及び、対広告業界的にもラジオ番組への進出は「効く施策」だと思われます。

MERYの多チャンネル戦略はどこまで進むのか?メディア業界の人たちは、これからのMERYの展開を刮目して注視すべきでしょう。