■レンタルバイクでの転倒、骨折…。私の痛い事故体験

 ゴールデンウィークが始まりました。久しぶりに遠方への旅行を計画し、レンタカーやレンタルバイクでドライブを楽しむ方も多いことでしょう。

 でも、慣れない車やバイクで、慣れない道を走るのは、ちょっと不安でもありますよね。

 私自身も、取材や旅行で車やバイクをレンタルすることがよくあるのですが、実は過去に一度、レンタルバイクでツーリング中に単独事故を起こし、大ケガをしたことがあります。

 事故現場は、自宅から1200キロ以上離れた九州、阿蘇山の麓でした。

阿蘇山の大観峰で。転倒事故はこの翌日に発生。左側が筆者(筆者の友人撮影)
阿蘇山の大観峰で。転倒事故はこの翌日に発生。左側が筆者(筆者の友人撮影)

 あの瞬間は、今もスローモーションのように鮮明に記憶しています。信号の手前でフロントブレーキを握ったとき、雨で濡れた路面でスリップし、いわゆる「握りゴケ」のかたちで大転倒してしまったのです。

 本当に、慣れないバイクを操る危険と、自分のテクニックのなさを痛感しました。

 歩行者や他車を巻き込まなかったことは不幸中の幸いでしたが、私のすぐ後ろを走っていたライダーさんは、私との衝突を避けるために自ら転倒してくださり、大変迷惑をかけてしまいました。

 当然のことながら、その時点で楽しいはずのツーリングからは脱落です。

 すぐに病院へ運ばれた私は、診断の結果、右の上腕骨骨折と診断され、腕を直角にしたまま胴体にぐるぐる巻きに固定されました。

 しかし、ただ激痛に泣いているわけにはいきません。警察への事故届け、レンタル会社と保険会社等への報告、事故現場に停めたままになっている破損バイクの搬送の手配、そして、自宅に戻るための飛行機の予約変更……と、とにかく事故直後から、しなければならないことが山積みでした。

 とはいえ、自力でそうした処理ができたことは、幸運だったと思います。

 万一、遠く離れた旅先で事故が発生したら、どんなことが待ち受けているか……。特に、レンタカーやレンタルバイクを借りて運転する以上、あらゆるリスクを想定しておく必要があるでしょう。

ゴールデンウィークのドライブやツーリング、ゆとりを持って無事故で楽しみたい
ゴールデンウィークのドライブやツーリング、ゆとりを持って無事故で楽しみたい写真:イメージマート

■他車運転特約かあれば、自分の任意保険が使える

 私の「転倒事故」のその後ですが、レンタルバイクには車両保険がかかっていなかったので、バイクの修理代や修理中の休業補償などとして、レンタルバイクの業者(バイクショップ)から十数万円を請求されました。

 現場からのバイク搬送費用は、私自身がJAFの会員だったことから、そちらに依頼しました。

 ただ、搬送距離が長かったので、既定の距離のオーバー分は請求されたと記憶しています。

 もちろん、自分のミスで起こした転倒事故ですから、当然の出費です。

 さて、ここからがぜひ皆さんに知っていただきたいことなのですが、実は、レンタルバイクで起こした単独事故でありながら、私の場合、自分が所有するバイクにかけていた任意保険から、私自身のケガに対する保険金が支払われました。

 具体的に言うと、自分の車やバイクに「他車運転危険担保特約」のついた任意保険をかけていれば、他人の車やバイク(レンタルも含む)で事故を起こした場合でも、その保険と同じ内容の補償が適用されるのです。

 私は自分のバイクに「対人保険」「対物保険」「搭乗者保険」の他、「人身傷害保険」もかけていました。

 人身傷害保険とは、事故が発生して契約者本人や家族が死傷したとき、自分のほうの過失分を補ってくれるというもの。つまり、私は100%の過失で単独転倒し、骨折したわけですが、人身傷害保険をかけていたおかげで、ケガに関する損害については、全額自分の保険から支払われたのです。

 右腕が使えない期間は、日常生活のみならず、仕事にも長期間にわたって影響を及ぼしました。もし、人身傷害保険と他車運転特約がなかったら、精神的にも経済的にも、相当厳しい思いをしたと思います。

レンタカーを借りる前に、任意保険の内容をしっかりチェックしておきたい
レンタカーを借りる前に、任意保険の内容をしっかりチェックしておきたい写真:イメージマート

 私の経験からも分かるように、レンタカーやレンタルバイクで起こした事故であっても、「他車運転特約」があれば自車の任意保険が使えます。

 この特約は、国内の大手損保会社、通販型の損保会社、各種共済など、ほとんどの会社が扱う任意保険に付帯されています。

 バイクの場合、人身傷害保険をかけていない人もいるようですが、ぜひかけておくことをお勧めします。そして、レンタカーやレンタルバイクで万一のことが起こったときは、必ず自分自身が契約している保険会社にも事故の報告をおこない、保険が使えるかどうかを確認してください。

■消費生活センターに寄せられるレンタカーのこんなトラブル

 さて、自分の過失で事故を起こした場合は、ただただ反省するしかありませんが、そうではないのに、レンタカーの修理代を請求されたり、休業補償を請求されたり、といったトラブルは意外に多いようです。

 独立行政法人国民生活センターの報道発表資料(令和3年3月25日付)によると、同センターには、レンタカーやレンタカー型カーシェアリングで車両を借りた消費者からの相談が、年間500件程度寄せられているとのことです。

 もっとも多いのは、

「つけた覚えのない傷の修理代等を請求された」

「思っていた以上の高額な修理代等を請求された」

 といった、返却時のトラブルです。

 こうした問題を回避するためには、走行前の車両チェックのとき、スマホなどで動画や写真を撮っておくと安心です。

 また、ドライブ中、電柱にぶつける物損事故を起こし、営業所に戻ってから報告したところ、「事故直後に連絡を入れなかったので保険対応はできない」と断られたケースもあるそうですが、警察に確認すると、翌日であっても事故届を受理すると言われたとのこと。

 もし、レンタカー会社の回答に疑問を感じた場合は、必ず警察や保険会社に確認することが大切です。

■レンタカーの「キー紛失」には要注意!

 消費生活センターに寄せられた事例の中には、「カーシェアでスマートキーを紛失したら、交換実費費用として18万円請求された」という、なんとも切実なケースもありました。

 カーシェア業者の説明によると、「コンピューターまで替えた」とのことですが、たしかに、ホームページには『鍵の紛失時は、自己負担となる』と記載されており、これについてはキーをなくした契約者の責任において、支払わざるを得ないでしょう。

 キーの紛失には、十分に気をつけたいですね。

 ちなみに、自分のうっかりミスでキーを紛失した場合は対象外ですが、キーが盗難やいたずらの被害を受けた場合は、自身の車の車両保険も使えますので、保険会社に問い合わせてください。

写真:イメージマート

■「サイドブレーキはどこ?」慣れない車は事前にチェック

 慣れない車ならではのトラブルも、さまざま報告されています。

 たとえば、走り出してはみたものの、サイドブレーキがどこにあるのかわからず、事業所に電話をしてもつながらず、怖い思いをしたという人など。

 レンタカーで初めての車種を運転するときは、走り出す前に基本的な操作方法についてしっかり確認しておくことは必須です。

 また、以下のようなバッテリーあがりの事例も寄せられています。

【突然、カーシェア業者から連絡があり、「スモールランプがついたままになっていたためバッテリーが上がり、交換したので、その費用1万8000円を請求する」と言われた。しかし、借りた時刻はまだ明るい時間帯なので、スモールランプをつけた覚えはないのだが……】

【レンタカーを借りて旅行に出掛けたところ、キーを抜いてもカーナビの電源がオフにならないことに気が付いた。業者に連絡したところ、エンジンを切って5分程度は稼働している設定にしているとの説明だったが、翌朝、バッテリーが上がり、旅行の予定を変更せざるを得なかった】

■レンタカーにもドライブレコーダーを

 最も深刻なのは、車自体のトラブルでしょう。

 これは私のもとに直接寄せられたケースなのですが、その方は、レンタカーで高速道路を走行中、突然、車が急加速するというトラブルが発生し、大変恐ろしい体験をしたというのです。

 幸い事故を起こすことなく何とか車を止めることはできたものの、そのまま運転を続けることに危険を感じ、レンタカー会社に車を取りに来てもらいました。しかし、「車を点検した結果、異常はなかった」と言われ、ほとんど乗らなかったにもかかわらず、レンタル費用全て客側が負担したそうです。

 せっかくの旅程は大幅に狂い、納得できないというものでした。

 こうしたトラブルには、ドライブレコーダーの映像も証拠として有効でしょう。

 レンタカーにドライブレコーダーがついていない場合は、つけ外しが可能なドライブレコーダーを装備しておくと安心です。

 国民生活センターでは、

『レンタカー、カーシェアのトラブルに注意/事前に保険等の契約条件、車体の傷等を念入りに確認しましょう』

 と呼び掛けています。

 もし、納得できないトラブルに巻き込まれた場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」へ電話すると、最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等を案内してくれるそうです。

 楽しいはずの旅行を、レンタカーやレンタルバイクによる事故やトラブルで台無しにしないためにも、事前に契約内容をしっかり確認し、乗り出す前にその車種の特性をしっかりと理解することの大切さを痛感します。

 そして、万一のことを想定し、あらゆる事態に対応できるよう、自車の「保険」も完璧にして備えておくことが大切です。