「ブルース女子」ブームの秋 アナ・ポポヴィッチに注目

初来日・アナ・ポポヴィッチ

学祭シーズンが迫ってきた。各大学で軽音楽系サークルのライヴも数多く行われるが、そんな中で今年、目立っているのが“ブルース女子”である。

現代の音楽シーンにおいてガールズバンド、いわゆるギャルバンはひとつの潮流となっている。プロ・アマあわせて玉石混淆、多数のバンドが存在する中で、もちろんブルース・バンドの数は決して多くはないものの、ブルースを演奏する層は着実に増えている。

大学の部室の開け放った窓から「エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース」や「悪い星の下に」などのブルース・スタンダードを演奏するのが漏れ聞こえてくるのには、ブルース好きのおじさんからすると感動すらおぼえる。

ブルース女子 急増の理由

なぜブルース女子が増えているのか?その理由を考えてみよう。

まず言えるのは、『けいおん!』世代の女子が一歩ステップアップした音楽活動を志向していることだ。

中学/高校時代にバンドを始めた彼女たちは、より自由な表現を求めて、ブルースに向かうのだ。音符どおり演奏するポップ・ソングと違って、ブルースはきわめて緩くて、プレイヤーに委ねられる部分が多い。同じ曲を演奏しても、まるで異なったものになってしまったりする。自由度が高く、自分らしさを表現しやすいスタイルが、支持されるようになったのである。

もうひとつ、女子たちが憧れるようなブルース・ギター・ウーマンが活躍していることもある。古くは1960年代、アメリカ出身のシスター・ロゼッタ・サープが渡英したことで、イギリスの少女たちがエレキ・ギターをかき鳴らし、ブルースを弾くのがブームとなったことがあった。アメリカにおいてもボニー・レイットやスー・フォーリーなどのブルース姐御たちに憧れて、ブルースを始める女子が多い。カッコ良いことは大事なのだ。

最近では、生前のマイケル・ジャクソンがラスト・ライヴで抜擢したオーストラリア出身のギタリスト、オリアンティがブルース・テイストあふれるアルバム『ヘヴン・イン・ディス・ヘル』を発表しているし、キッド・ロックのバンドで活動するシャノン・カーフマンは、日本でバディ・ガイと共演したこともある実力派女性ブルース・ギタリストだ。

さらにデボラ・コールマン(アメリカ)、ジョアン・ショウ・テイラー(イギリス)、イリア・ライチネン(フィンランド)など、世界各国から若い世代のブルース・ウーマンが登場している。

日本においても静沢真紀や長見順らキャリアのある面々に加えて、女子高生ブルース・バンドとして話題を呼んだRESPECTから発展したBLUES SISTERS from RESPECTの大久保初夏らがブルース界を盛り上げている。

自分の最もカッコ良い部分を自由に表現できるブルースが、女子の中で人気を獲得しつつあるのは、当然だといえるだろう。

ブルース女子注目、アナ・ポポヴィッチが初来日

そして、ブルース女子が要注目なのが、アナ・ポポヴィッチだ。旧ユーゴスラビア出身の彼女はヨーロッパを中心に年間100回以上のライヴをこなす、実力派ブルース・シンガー兼ギタリスト。単身ブルースの本場、アメリカのメンフィスに乗り込んで最新アルバム『キャン・ユー・スタンド・ザ・ヒート』をレコーディングするなど、いま世界で最も注目されるブルース・ウーマンの一人だ。大人の女らしさを窺わせるセクシーなムードと美脚に加えて、たまに垣間見せる無邪気な笑顔ゆえに、“ブルース界のぽぽちゃん”と呼ばれることもあるという。

そのアナ・ポポヴィッチが今月、初来日公演を行うことになった。ライヴが行われるのは10月8日(火)~10日(木)、東京・丸の内のライブレストランCOTTON CLUB。数々の一流ジャズ/ブルース・ミュージシャンたちを迎えてきたこのクラブで、世界最高峰のブルース女子がストラトキャスターを抱えて魅せる、カッコ良さとセクシーさを兼ね備えたライヴ・パフォーマンスを堪能するチャンスは、見逃せない。

2014年、ブルース女子ブームが日本に襲来するか?その鍵を握るのがアナのライヴだ。

●アナ・ポポヴィッチ来日公演

2013年10月8日(火)~10日(木)

東京・丸の内 COTTON CLUB

各日とも

1st show: open 5:00pm / start 6:30pm

2nd show: open 8:00pm / start 9:00pm

問)COTTON CLUB

http://www.cottonclubjapan.co.jp

03-3215-1555