今年初めて現れた優しい紅葉景色

仁王門から本堂に至る参道 (以下写真は全て著者撮影)

世界文化遺産に登録されている醍醐寺は、山上山下に広がる広大な寺域をもち、京都でも有数の文化財を持つ寺院です。下醍醐には国宝の金堂五重塔、特別史跡・特別名勝庭園をもつ三宝院など見所も満載ですが、特に豊臣秀吉が行った醍醐の花見で知られ、現在も桜の時期には多くの参拝者が訪れます。

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国宝・金堂

そんな醍醐寺ですが、実は金堂・五重塔の奥に位置する弁天堂を中心とするエリアは、隠れた紅葉スポットとしても知られ、秋にはその景色を求めて通な人が訪れています。

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この秋も、私自身その景色を求めてお客様と足を運んだのですが、道中いたるところで9月4日に直撃した台風21号の影響からか、多くの素晴らしい木々の枝が折れ、その被害の大きさを感じざるを得ませんでした。さらに衝撃だったのは、仁王門を抜けて、金堂や五重塔のエリアに向かう参道です。以前はうっそうとした森の中を進む感じで、昼間でも暗い参道でしたが、今月初めに訪れた時には景色が一変していたのです。一言でいうと大変明るく開放的になっており、それもそのはず、参道の南側の木はなんとほぼ全て台風によってなぎ倒され、もう醍醐寺の方は決断されたのか、すべての森を更地に変えておられる最中でした。参道北側の被害も甚大で、これはここからの復帰は難しいのでは、と思うほどでした。

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衝撃さめやらぬ中で、奥のいつもの弁天池の周辺の紅葉をめぐり、五重塔や金堂にもお参りした帰り道、またその参道に差し掛かろうとすると、参道には美しい紅葉が被害の衝撃を和らげるかのように優しく道に寄り添っていました。

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今まで入ってこなかった日の光を存分にうけて輝くがごとくのその風景に、台風の被害の大きさを感じると同時に、自然のしなやかな強さもまた感じることができました。この秋、最も心を打たれた光景でした。今後、この森がどのように再生されていくのか、楽しみに見守りたいと思います。そして台風被害の結果、突如主役に躍り出たかのような美しい紅葉を、また来年見に来ようと思いました。