桜の早咲きの名所 車折神社
「桜の宮」と称される京都の神社をご存知だろうか。
四条大宮から嵐山までを結ぶ「嵐電(らんでん)」という電車の駅名にもなり、三条通にも面して立つ。さらには、芸能人が京都の中で最も多く訪れるとされる神社。京セラの創業者、関係者からも信仰を集める商売繁盛の神社。京都唯一、清少納言を祀る神社。新緑の5月に嵐山一帯で行われる三船祭を例祭に持つ神社。
それが車折神社(くるまざきじんじゃ)である。
平安末期に活躍した貴族である清原頼業公を祭神とする。社名は後嵯峨天皇が嵐山へ遊行の折、社前で乗っていた牛車の轅(ながえ)が折れたことにより、「車折大明神」の神号を贈ったことに由来する。創建当初から「桜の宮」と称されてきただけあり、現在も15種類40本の桜が境内を彩る。ここで強調したいのは、「早咲きの桜が多い」ことである。3月上旬の河津桜からスタートし、3月中旬の八重桜(下写真)、寒緋桜、3月下旬の渓仙桜(日本画家・冨田渓仙が奉納)など、4月の本格的桜シーズンを前に充分に早咲きの桜を楽しむことができる。ほかにも境内にある芸能神社で約2000もの玉垣を見ながら好きな芸能人を探したり、今年1月に改修が終わって美しくなった清少納言社(下写真)にお参りしたり、社務所では人気の祈念神石も授与していただける。嵐電に乗って嵐山の少し手前の朱色でコーティングされた車折神社駅でぜひ下車してお参りをおススメしたい。周辺には、足利義満が若き日に創建した鹿王院(下写真)や、陰陽師として活躍した安倍晴明墓(下写真)(こちらも3月22日現在、早咲きの桜が満開)もあり、嵐山まで歩いても徒歩10分ほどで着くことができる。