Yahoo! JAPANとLINEが経営統合の報

(写真:西村尚己/アフロ)

 日本経済新聞が、日本のポータルサイト最大手「Yahoo! JAPAN」と、SNS最大手の「LINE」の統合で話が進んでいる旨の報道をしました。

 現段階では、両社から公式なアナウンスはありませんが、最近頻繁にLINE親会社にあたる韓国NAVERの慎ジュンホさんが来日している状況が続いていたため、風評が出ていたのは事実です。

ソフトバンクがLINEと包括提携検討(共同通信 ヤフーニュース 19/11/13)

ヤフーとLINE、経営統合へ(日本経済新聞 19/11/13)

 記事でもある通り、ソフトバンクグループとNAVERが50%ずつ出資する共同出資会社を設立し、ZHDの筆頭株主となって、その下にYahoo! JAPANとLINEが傘下に入る方法が一番無難ではあるのですが、Yahoo!はソフトバンクグループが求める収益の拡大、LINEはあまりあるユーザー層を抱えながらも収益性ではまだ課題が残っているという両社共通の悩みがあります。機能的に違えども、膨大なユーザーを擁しながら収益を確保するためのプロセスを構築するには、単にデータドリブンを図りユーザーの情報を吸い上げて分析し、その購買行動などを予測するというだけではなかなか大きくなり切れないという懸念はあったのではないかと思います。

 同様に、立脚するユーザー層には一定の被りがありながらも、ニュースやコンテンツ配信といった分野でのカニバリや、法人向けプロモーションでの棲み分けを今後どうしていくのかは収益性をより高くしていくうえで大きな課題となります。いずれにせよ、日本のインターネットに大きな影響を持つこの経営統合で、その持ち株の50%を実質的に韓国NAVER社が握ることに対する是非や、無いとは思うけど一応は独占禁止法上の制約はありやなしやというところも含めて、日本政府がこれに介入するのかどうかは注目していかざるを得ません。

 また、両社を合わせると確かに日本での一大プラットフォーム事業者になるというさらなる飛躍がある一方、決済分野やショッピング、金融事業などの収益事業ではまだこれから取り組む余地が大きく残っており、また、何処まで行っても日本国内市場に強く依存するドメスティックなパワーに留まり、一部アジア市場などでLINEが健闘しているものの、現在問題となっている多国籍GAFA+M対策という点ではこの大きな経営統合が実現したとしても未知数なところがかなりあります。

 WeWorkの欠損が大きい状態で資金需要があるソフトバンクグループがこの統合後に収益面で伸びしろのないZHDとLINEの持ち株会社50%の株式をどこかに売却されたときに、我が国の情報面での安全保障は誰がどう担保するのか、非常に悩ましい状況になるかもしれません。

 Yahoo!JAPAN、LINEともに取り組むべき課題のハードルが高いところへ、さらなる飛躍を求めたこの経営統合の交渉がどうなるのかは見ものですが、国内事業のさらなる収益化や、国際展開が劇的に改善に向かうような取り組みはこのディールでは完結しないので、ソフトバンクグループがより大きな国際的取引を仕掛ける可能性もあるのではないでしょうか。