はあちゅう(伊藤春香)が懐妊も、妊娠してから妊活宣言した疑惑での炎上に見る「かわいそう属性ジャック」

(ペイレスイメージズ/アフロ)

 ブロガーで作家のはあちゅう(伊藤春香)さんが妊娠を発表しました。おめでとうございます。

 すでに3人の子どもがいる私としても、子どもはとてもいいものだと思いますし、子育てを通じて自分の人生を追体験しながら改めてさらに成長できる機会もありますから、何よりも大事にされ、母子ともにご無事のご出産と健やかな時期をお過ごしいただきたいと願っております。

 事実婚とされるAV男優のしみけんさんも、このご懐妊を機にさらなる飛躍をされることを期待してやみません。

 今回のはあちゅうさんの発表については、それまではあちゅうさんがネットなどで告知していた妊活の内容と、出産予定とされる「秋ごろ」とが食い違い、一部では「妊活を始めたころにはすでに妊娠していたのではないか」という指摘が相次ぎ、話題となっています。個人的には妊娠期間中は母親は誰であれ精神的に不安定になるもので、なるだけそっとしておいてあげるべきと思う一方、今回の妊娠も「はあちゅうという自分自身の人生そのものがコンテンツ」とする本人がネタにできる千載一遇のチャンスと考えて身を切るようなネタに打って出た可能性は否定できず、本人はもちろん周囲もこの手の悪ノリはやめるよう忠告してやるべきではないかと思うところが大です。

はあちゅう、妊娠してから妊活宣言した疑惑で炎上(Togetter 19/3/27)

 何より、今回問題となっている妊活については、本当にはあちゅうさん本人が妊活によって妊娠できたのかどうかは別として、とても子どもが欲しいのに体調や年齢、遺伝的バックグラウンドなどにより妊娠がむつかしいカップルが少なくないなか、プライドを捨てて取り組まなければならない妊活や、非常に高額で精神的にも厳しい不妊治療に取り組む人たちも多くいます。

 ガジェット通信では、19年1月10日にはあちゅうさんが妊活宣言をネットで行った後の発言の流れをフォローしていますが、はあちゅうさんが「嘘をついていない」と言っているのは「妊活を開始した(とされる)1月10日の書き込みの時点では妊娠をしていなかった(知らなかった)」というだけです。少なくとも、3月21日にははあちゅうさん自身が妊娠検査薬陰性を載せているにもかかわらず、秋に出産という時点で具体的な妊活を始めるころにはすでに妊娠していたことになります。

妊娠を隠したままで「ファッション妊活」との批判も…… はあちゅうさん「叩くほうがおかしい」「ウソは書いたことない」(ガジェット通信 GetNews 19/3/29)

 妊活の開始が事実だったにせよ、33歳で比較的早く妊娠することは普通にあり得ることなので、それは単にみんなで「おめでとう」と言って終わるべき話のはずが、妊娠した事実を隠して「妊活に取り組んでいる」と書き続けることは結果として妊活や不妊治療で頑張っている子どもの欲しい女性や夫婦にとっては馬鹿にした話だと思ってもおかしくはないでしょう。

 そのうえで、はあちゅうさんへの批判が出るあたりで、はあちゅうさん自身が「妊娠=裏切り者扱いであればますます妊活中の人はその話題ができなくなる」と書いていますが、はあちゅうさんが「妊活中の人」の立場を代弁する資格はないように思います。繰り返しになりますが、本来は「はあちゅうさん、妊娠して良かったね」で終わるべき話が、妊娠が発覚しても妊活をライフイベントのコンテンツにして発信しようとしてしがみついて発表の時期を逸したためにはあちゅうさん個人が妊活関係なく勝手に炎上しているだけなのです。

 はあちゅうさんにとっては、炎上するにあたり、この手の「かわいそうな人」の属性をジャックして「かわいそうな私」を演出することが少なくないのが特徴です。過去にも童貞の男性を揶揄する書き込みを行ってきたにもかかわらず「#MeToo」運動に乗り出し男性クリエイターからの被害を公表して記事を掲載したBuzzFeedごと馬鹿にされたり、今回も妊活はほとんどしないうちに妊娠できたか、妊活そのものが嘘だった可能性もあるのに「妊活中の女性」にとって妊娠が裏切り者扱いになることを示唆したりします。

 本来であれば、単に自業自得とも見える内容で炎上しているのに、被害を公表した女性に対してや、妊活中の女性が妊娠したことに対するバッシングに置き換え、かわいそうな立場を偽装しているようにすら見えます。

 それでも、これが作家として本を売り、ネット上での話題作りとして一線級の女釣り師として頑張るのだということであれば、それはそれで構いません。ネット民も、はあちゅうさんのネタを是々非々で面白がったり批判したりしながら消化していくことでしょう。

 しかしながら、問題となるのは妊娠したとされるお子さんを巻き込みかねないということです。おそらく、間違いなく子育て日記をコンテンツにしてはあちゅうさんはネットで話題を作り、有料サロンに共感する女性を集め、本を売り、程度の低いかもしれないパトロンに旅行費を出してもらうこともあるかもしれません。でも、子育ての環境においては保育園や幼稚園といった第三者とのかかわりのなかでママ友や保母さんほかとの関係も出ますし、働きたいからといってこれらの施設に預けっぱなしにしたり、母親としての母乳の問題や子どもをかわいがれるのかどうかといった、生まれたばかりの赤ちゃんや周辺の環境に対する黒歴史に類するコンテンツがそのまま残ってしまうこともあり得ます。

 AV男優として人に見られる職業をしているしみけんさんをコンテンツ化するのは、本人がそれで良いとするのならばよいでしょう。事実婚の状態で出産することも、大人の自己決定権のなかであれば、周囲がどう言おうと自由という気もします。ただ、赤ちゃんのいる母親という属性は、ネットで面白い人生をポルノコンテンツにしているというレベルでは済まされない責任を負うことは考えておいたほうが良いと思いますし、周辺も悪ノリを戒めるべきであると感じます。

 また、安定期に入っているのかどうかは分かりませんが、秋ごろ出産と言っていて、実は本当に妊活期間があったのだ、ということならば、着床時期がとても微妙です。一般論として、流産・死産も普通にあり得ますし、妊娠を発表するべきタイミングであったのかは疑問に感じます。私も経験がありますが、切迫早産もあり得ますし、とにかく大事にしてほしいと思います。むしろ、ネタとして実は妊活も妊娠もしていなくて、辻褄を合わせるためだけに「流産してしまいました」というようなライフイベントをコンテンツにすることだけは避けてほしいですし、本当に妊娠しているのであれば、精神的に不安定になるような行為はなるだけ避けて、元気な赤ちゃんを産んでほしいと願っています。