次々と信用を失い続けるFacebookのすごさ

(写真:ロイター/アフロ)

 今度は「Facebookにおいて、ユーザーデータ管理で問題発覚」との報が入ってきました。

Facebook、数億人分のユーザーパスワードを数年間可読状態で保存と発表(ITmedia 19/3/22)

 個人的には「ああまた何かあったのか」という感慨しかなく、もう同社にはあまり堅牢なサービスを順調にしてもらえることを期待していないのですが、今回は以下の点が大変気になりました。

パスワードのプレーンテキストでの保存は2012年から始まっており、2万人以上の従業員が検索できたという。アクセスログでは約2000人がプレーンテキストのパスワードを含むデータに、約900万回のクエリを実行していた。

出典:ITmedia

 Facebook幹部の匿名による内部告発が発端での事態発覚とのことですが、これに対するFacebook側の対応としては「これらのパスワードには社外からアクセスできず、これまでのところ、内部の人間が不適切にアクセスしたり不正に扱った証拠はない」ので大きな問題ではないみたいなノリになっているように読め、本来なら、さすがにその言い訳で事は済まないだろうと思います。そうであれば、プレーンテキストのパスワードを含むデータに約900万回のクエリが社内で実行されていたのは一体何だったのかは詳しい説明が欲しいところです。

 ただまあ、Facebookなので、そういうこともあるのだろうと驚かなくなっている部分はあると思うんですよね。

 たまたま我が国においては政府が大手プラットフォーマーに対してヒアリング作業中のタイミングであり、Facebookもこの一件についてはシカトできなくて謝ったそうでしてNHKのニュースにもなっていました。

フェイスブック パスワード管理を自民会合で陳謝(NHKニュース 19/3/22)

フェイスブックの担当者は、数億人規模の利用者のパスワードが社内の人間であれば誰でも見ることができる状態にあったことについて陳謝したうえで、個人情報の適切な管理に努める考えを示したということです。

出典:NHKニュース

 Facebookの中の人達はこれまでも不祥事のあるごとに“適切な管理に努める”といった趣旨の発言を繰り返してきましたが、そろそろこうした弁明は通用しなくなりつつあり、米国内ではかなり追い詰められている気配があるように見えます。

独禁法推進派がもくろむFacebookの分社化(TechCrunch Japan 19/3/21)

「何か悪事が明らかになるたびに、Facebookは否定、中身のない約束、謝罪キャンペーンを順番に繰り返します」と、Cicilline氏は書いている。「それでも、何も変わりません。だからこそ私は、反トラスト法と、商業および行政法に関する下院小委員会の委員長として、Facebookの行為が反トラスト法に違反しているかどうかの調査を求めます」

出典:TechCrunch Japan

 これはやや煽り気味の記事なのでどこまでそうした可能性があるのかは判断しかねるところもありますが、もし米国内で反トラスト法違反のような形で具体的に行政処分が行われるようなことになれば、さすがにFacebookを取り巻く状況も大きく変わるざるを得ないだろうと思いますし、ここは成り行きには注目したいところです。

 それにしても欧米圏ではFacebookがSNSとして他を圧倒しており、また代替となるようなサービスも他にあまりないことからこの世の春を謳歌してきたわけですが、その流れが昨年あたりから徐々に変わり始めて遂にここまできたというところでしょうか。

 日本でFacebookというとどうも最近は中高年ユーザーを中心に同窓会連絡ツール的なポジションがもっぱらな印象もあったりしますが、そうした国内ユーザーがFacebookの海外での評判ぶりなどにどこまで敏感であるのかはよく分かりません。しかしセキュリティやプライバシー問題を気にする皆さんであれば、自分の家族にはせめてFacebookのやらかしぶりを分かりやすく伝えると共に、なんでもかんでもあからさまに個人情報のようなことを書き込む行為はあまり安全ではないかもしれないぐらいの心構えは伝えておくべきなのかもしれません。まあ、過度に神経質になるのも精神衛生上よろしくないですが。

 これは何もネットでのことに限らずの話になりますが、他者とのかかわりあいをもって何かをするということは、相手をどれくらい信用するかを常に天秤にかけて判断していかざるを得ないところがあります。残念な形で何度も裏切られるようなことを繰り返しやらかす人がいれば、それは仏の顔も三度という格言もあるようにどこかで態度を明らかにして付き合いを絶つ必要はあるでしょう。相手のダメさ加減を分かりつつで上手に付き合いを継続できるのであれば止めはしませんが、そのバランス感は人それぞれでむつかしいですね。