Twitter社など、単なる営利事業でしかないSNSに何をどこまで求めるか問題

(写真:ロイター/アフロ)

 ネットビジネスは気楽に起業できる割に継続するのがなかなか大変でして、だらだらと事業規模だけが拡大していくパターンに陥る中でどうやって利益をあげていくかはどこも悩みの種であります。当然ながらTwitterもその例外ではないという分析記事が出ておりました。

ツイッターの売上推移などをグラフ化してみる(最新)(ガベージニュース 18/10/26)

上場を果たしたものの、利益を得られる構造の構築に難儀し、続々登場する新規競合サービスとの争いの中で苦戦を強いられていることは否めないツイッター社。

出典:ガベージニュース

 めでたく四半期単位では4期連続黒字を計上中も、視点を変えれば「純損益」は依然としてマイナスのままというあたり、商売はそうそう簡単ではないよねという当たり前の感想が思い浮かぶ次第であります。

 で、今後Twitter社としてはどうしていくのかなと他人事ながらにぼんやり考えていたところへ微妙なネタが飛び込んできました。

Twitter、「いいね」機能の廃止を検討 プラットフォームに健全な会話をもたらすため(CoRRiENTE.top 18/10/30)

英メディアのTelegraphによると、TwitterのCEO Jack Dorsey氏が、社内で実施された従業員向けイベントで、「いいね」機能の削除についてほのめかしたとのこと。これを踏まえて、Telegraphは同ソーシャルサービスが「いいね」機能をまもなく廃止する予定だと報じた。

出典:CoRRiENTE.top

 この報道は世界中のTwitterユーザーにかなり大きな衝撃を与えたようですが、その波紋の大きさにTwitter社も軽く火消し目的で公式アカウントからツイートを発信しているのですが、あまり火消しにはなっていないような気がしなくもありません。

Twitterからいいねボタンがなくなるかも、ソースは創業者【追記あり】(ギズモード 18/10/30)

しばらくの間申し上げているように、私たちは健全な会話を刺激するようにサービスのすべてを考え直しています。それにはいいねボタンも含まれます。私たちは取り組みの初期段階にあり、すぐにそれを共有する予定はありません。

出典:ギズモード

 先のCoRRiENTE.topの記事中では「ユーザーの期待とは裏腹にサービスの改悪をしてしまうことで有名なTwitter」と揶揄されておりましたが、まさにそうした印象そのままに何が言いたいのがよく分からないTwitter社の見解となっていますが、突き詰めればTwitter社も営利目的でTwitterという事業を運営しているわけでして、同社の儲けに直接つながらないようなサービスであれば正直やめたいというのも道理ではあります。

 ただ、SNSという商売もなかなか因果なことになってきておりまして、本来は愚にも付かないような人々の与太話を書き込むための単なるネット上のチラシの裏でしかなかったものが、何を間違ったのかいつの間にかジャーナリズムのメインストリームみたいなポジションに祭りあげられてしまい、書き込まれる内容が歪な社会正義的規範で精査され、そうした定規に合わない発言は勝手に遮断される流れになってきてしまいました。

 これも時代の流れということなのかもしれませんが、はたして単なる営利事業で営まれているにすぎないネットのチラ裏的存在に、どこまで期待すべきなのかは考えてしまうものがあります。すでにある種の思惑で検閲や言論弾圧的な動きが行われているのではないかと勘繰ってしまう展開も自身で体験したりしております。まあ、単語ひとつ見れば不穏当な語彙を使っているわけですから、そりゃ駄目だろと言われれば「あっ、はい。すいません」と言いたくもなりますが、文脈を見れば特定の誰かを中傷している内容ではありませんし、ボットで言葉や表現を監視するだけでプラットフォーム上の言論を管理していることになるのか? という指摘がなされてもおかしくありません。

高木浩光&山本一郎、Twitterに機能制限されて書き込みできない状況が続く(やまもといちろうオフィシャルブログ 18/10/25)

ちょうど我が国の公正取引委員会がプラットフォーム事業者に対する公正取引の状況についてのヒヤリングを進めている途上にあるわけですが、日本でのSNSサービス大手に位置するTwitter社の「Twitter」で意味不明の機能制限を喰らい、こりゃいったい何なの? と思うわけです。

出典:やまもといちろうオフィシャルブログ

 一方で、米国では現実に危険な人物が脅迫的ツイートを行っているという報告を受けながらTwitter社は看過していたという事件も報道されておりまして、これもSNSというプラットフォームを営利運営する事業者としてのTwitterにとっては適切に裁くにはやや荷が重たすぎた案件だったのかもしれないという感慨はあります。

Twitter、爆弾郵便容疑者の関連アカウントを報告後すぐに削除しなかったことを謝罪(ITmedia 18/10/29)

ロシェル・リッチー氏が最初に脅しについて報告した際、われわれは過ちを犯しました。当該ツイートは明らかにTwitterルールに違反しており、削除すべきものでした。この過ちについて深く謝罪します

出典:ITmedia

 もちろん、これがすぐさまTwitter社の問題なのか、と言われれば議論の余地はあります。脅迫を削除することで見た目は納まっても、実際に何らか凶事を企んでいる人が野放しであることには変わりなく、通報に至らない限りむしろそれが監視されなくなる恐れのほうが大きいからです。

 これはTwitterに限らず他のFacebookなども含めた様々なSNSすべてに当てはまることですが、はたしてSNS運営事業者はサービス上でやりとりされるすべての発言について検閲しその内容の可否を判断すべきなのかどうか。また、そういう判断をユーザーはSNSに対して求めるべきなのかどうか。誰もが納得する答えは永遠に出そうにない問いではありますが、これは今後SNSというプラットフォームがネット上に存在する限り問われ続けることになりそうです。悩ましいですね。