KDDIとソフトバンクがテザリング有料化に踏み切るそうですね

(ペイレスイメージズ/アフロ)

 KDDIとソフトバンクが携帯電話契約においてこれまで「キャンペーン」というような名目で無料提供してきたテザリングを有料化する方向へ踏み切ることになったようです。これについては昨年のいま頃からいつかはやってくる事態ということで話題になっておりました。

 その後もこの観測のまま否定されることなく今日まできているので、所定の方針なのかもしれません。

テザリング無料、いつまで? 各社の状況を確認(ケータイWatch 17/4/12)

3キャリアが料金プランの中で提供している「テザリング」サービス。機能はOSに標準的に搭載されているが、実際の利用には申し込みが必要になる場合や、無料キャンペーンが終わり有料化のタイミングが迫っているキャリアがある。

出典:ケータイWatch

知って納得、ケータイ業界の"なぜ"(16) なぜキャリアはテザリングの利用にオプション料金を取るのか(マイナビニュース 18/3/15)

 その後もKDDIとソフトバンクはそれぞれ牽制し合うような形で無料キャンペーン期間をずるずると延長することを繰り返してきたわけですが、いよいよそれもおしまいで両者横並びにテザリング有料化へ舵を切ったということになります。

 なぜKDDIとソフトバンクが今さらテザリング有料化に踏み切るのかについては、以下の記事などを読んでもいまひとつよく分かりません。

なぜ? auとソフトバンクの「テザリング実質有料化」 ―― ドコモは有料化の予定なし(BUSINESS INSIDER JAPAN 18/3/2)

通信キャリアとしては、「テザリング機能=有料」のものと位置付けたいという思惑が見え隠れする。

出典:BUSINESS INSIDER JAPAN

 原則としてテザリングを多く使うユーザーは比較的帯域を多く使うとされ、それが事実であるならば単に土管ビジネスとして辛くなってきたのでユーザーの皆さんに助けてもらおうという素朴な話だったりするのでしょうか。ドコモが「期限を定めないキャンペーンとして無料」を継続するというのも太っ腹な感じではありますが、今後の状況如何によっては「キャンペーン終了を含め、対応を検討」すると答えているあたりはテザリングを駆使するユーザー的にはなかなか不気味でもあります。

 で、実際のところテザリングがキャリアにとって本当に負担が大きいのかどうかについては、技術的な事情に基づいて論考した以下のブログ記事が参考になるかもしれません。

もうすぐテザリング有料化(無線にゃん 18/3/2)

いわゆるi-mode時代の遺産だと思うんです。管理下の端末がダイレクトにアクセスするネットワークと、PCがアクセスできるネットワークのサービスレベルやらセキュリティレベルやらがばらばらに管理されてた、たとえば、i-modeとmoperaではまったく別のネットワークだった、その名残と考えると分かりやすいと思います。

(中略)

「従来の仕組みを変えたくない」「余計なコストがかかるのがやだ」「自分の部門がそのコストを持ちたくない」「(あわよくばARPU向上に貢献したとほめられちゃおう)」……などなど、実に人間的なエゴが積もりに積もって、テザリング有料化に繋がっているわけです(あくまで想像です)。

出典:無線にゃん

 なるほど、下手に日本のケータイ通信はi-modeな時代にネット通信対応で特殊なことをしていたがために、今のスマホの時代に過去の資産が障害になっている可能性もあるということですか。あくまでも想像を積み重ねての考察ということわりはありますが、基本的に絶対転けてはいけない土管商売においては諸々の兼ね合いから社内政治の理屈優先で動くとこうなるという話は十分ありそうに感じます。まあ、帳尻を合わせる責任を担う中の人も大変ということですね、わかります。

 しかし、中の人の都合はエンドユーザーからすればどうでもいい話であって、なんともいただけない話でもあります。今回のテザリング有料化を良い機会として、テザリング無料のドコモやその他のMVNO(KDDI系のUQモバイルやソフトバンク系のワイモバイル、LINEモバイルを含む)に流れるユーザーも少なくないだろうと思われます。その流出ユーザー数がある閾値を越えるとまた無料キャンペーンが再開されるのか、それともまた別の違った展開があるのかは気になるところであります。

 スマホ普及が進んで成長率が鈍化したと言われて久しい通信業界ですが、結局はこのような採算を合わせるためのやりくりが今後も続くと見られ、決済から金融商品まで各種サービスで客単価を引き上げるために苦渋のあれこれが垣間見えるのかもしれません。