LINEが一歩踏み込んだ形でプッシュ通知サービスを開始するようですね

(写真:ロイター/アフロ)

 スマホのプッシュ通知機能というのは帯に短したすきに長しと言いますか、便利である一方でウザイと感じることも多々あるのが悩ましいところです。実際、SNSやゲームがいちいちプッシュしてくるので、よほど必要なもの以外は通知を切ったほうが快適なスマホライフが送れると思えるほどです。ある程度はスマホのOSレベルでの設定や各種アプリ毎の設定から通知の可否などをコントロールできますが、家族や仕事の連絡など、込み入った連絡はタイムリーに貰いたいし、ニュースやゲームはあくまで空き時間に楽しみたいものですし、それでもなかなかそのさじ加減がむつかしいと感じることがあります。

 ところで、LINEがそのプッシュ通知機能において従来よりも一歩踏み込んだ形のサービスを開始するそうです。

LINE、「友だち」登録なしで電気料金や宅配時間をプッシュ通知へ(CNET Japan 18/3/2)

サービスの特徴は、LINE公式アカウントに対してユーザーが事前に「友だち」に登録していない場合でも、企業から通知が送れるという点。ユーザーのLINE開始時に登録されている暗号化された電話番号と、企業が顧客情報として管理する電話番号を照合して、必要な通知を送信できる。

(中略)

広告が送信されることはなく、通知される内容に送り先の氏名や住所などの個人情報が含まれることもないとのこと。

出典:CNET Japan

 つまり、ユーザー側は通知を自ら受信したいというリクエストをしていない状態でも、LINEに登録している電話番号と企業側が管理している電話番号が合致すれば、企業側からメッセージが送られてくるということになります。解釈の仕方によっては、サービス利用のための配信許可をユーザーが出す(オプトイン)ことをしていないのに勝手にオプトインした状態という見方もできそうです。このあたり、もう少し分かりやすい説明記事があったので以下に引用します。

LINEが法人向け新機能「通知メッセージ」で目指すもの(マイナビニュース 18/3/2)

個人情報の取り扱いが気になるところだが、今年1月に改訂されたプライバシーポリシーに含まれており、基本的にLINEを利用しているユーザーには合意を得ている状態だという。もし通知メッセージを受信したくないユーザーは、「通知メッセージを受信」設定をオフにすればいいという(個人情報の取り扱いがなくなるわけではない)。

出典:マイナビニュース

 なるほど、LINEユーザーは自動的に全員がこの新しいサービスにオプトインしている状態であるということですね。

 やや気になるのは、今回の新サービスに対応するJAL、ANA、東京電力、中部電力、東京ガス、ヤマト運輸といった企業側もユーザーに対してのプライバシーポリシーでLINE同様な取り決めが行われているのかどうかというところでしょうか。

 ためしに東京電力の個人情報取り扱いについてどうなっているのかウェブサイトをざっと見てみましたが、今のところLINE公式アカウント開設についてのお知らせはありますが、友達登録をしてほしいという要望は書かれていても、友だち登録なしで通知される可能性がある件については触れられていません。

LINE公式アカウントを開設いたしました!(東京電力エナジーパートナー 18/3/1)

 また、東京電力における個人情報の取扱いに関する基本方針というページを見ても、ユーザー本人の同意がある場合をのぞいては個人情報を第三者に開示・提供いたしませんとあるわけですが、今回のLINEにおける友達登録なしでの電話番号マッチングはそうした事例に当たらないということなのでしょうか。このあたりの解釈の仕方については立場によりそれぞれ違いはありそうですが、やはり誰にでも分かりやすい形で説明があってしかるべきなのではないかなと感じなくもありません。

 LINE側としてはプレス発表の場で以下のような見解を示したようですが、メールを送っても開封されないから半ば強制的に通知を送りつけるという論理は、ややもすれば企業の都合だけが先に立ってしまっているような印象を覚えなくもありません。どうなんでしょうか。

企業がメールを送っても開封されない、数多くのスパムの中で大切な通知メールが埋もれてしまうといったサービスの背景にある課題を挙げ、「ユーザーと企業のコミュニケーションをスムーズにするのに加え、サービスのペーパーレス化や業務効率化など、企業活動の向上にも貢献できるのではないか」と狙いを語った。

 LINEも非常に微妙な線で突っ込んできたなあという印象を受けますが、ユーザーにとっては利便性が高まるという判断で良い感じでしょうか。本件については、関心を持って推移を見守りたいと思います。