上西小百合女史サッカーネタ炎上に見る、議論のループするウェブ社会

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 先日、Twitterで「難波のエリカ様」こと衆議院議員の上西小百合女史が、ふがいないと彼女が思ったサッカーチームの試合の件で暴言を吐いたそうで、騒動が発生しておりました。

サッカーの応援しているだけのくせに、なんかやった気になってるのムカつく。他人に自分の人生乗っけてんじゃねえよ。

出典:上西小百合 - Twitter

 そこへ、プロサポーターとして名高い村上アシシさんが参戦、騒動に拍車がかかる中で、今度は上西小百合女史の事務所に殺害予告がやってくるという定番のプロセスを踏んでいるようです。

上西議員のサポーターを馬鹿にする呟きにモノ申す!「他人に自分の人生乗っける」のが応援の文化である(Y!ニュース 村上アシシ 17/7/16)

上西小百合議員事務所に殺害予告 J1浦和と協議へ(デイリースポーツ 17/7/16)

 読みようによっては、私なんかは上西小百合女史の発言は「サッカーを応援したいんだけど、浦和レッズのふがいない戦いぶりに憤慨した結果、彼女なりの叱咤激励ツイートをした」ところ「彼女一流のムカつく書き方がサッカーサポーターの顎を正面から粉砕するストレートのような内容になったため、サポーターが激怒するに至った」ため「村上アシシがやってきた」という状況なのではないかと感じております。

 で、ネット上でのトラブルにおいては、かなり定番なのですが「誰かが大事にしているものを、その誰かが支持しない人から否定される」と大概において大炎上するものでありまして、ああ、またしてもこの手のループが起きてしまったかという気持ちになるわけであります。というのも、今回のようなネタは過激化した人々が反発の挙句に後先考えない殺害予告を出すことは往々にしてあるもので、しかも発言の主はそういう圧力には屈しない精神構造を持っている人たちである可能性が高いので必要以上にヒートアップしやすいというのも特徴です。

 もちろん、解決策としては「言いたいことは分かるけど、いろんな人がネットを使っているので、穏便な書き方にしましょう」という内容になってしまい、私がそう書くとネット民が総立ちで「お前が言うな」と言われかねないネタになってしまうため慎むわけですが、上西小百合女史のネタの一方でこんな増田もあります。

昔、私をいじめから救ってくれたヒーローがいた(はてな匿名ダイヤリー 17/7/16)

 もちろんこの記事は匿名で書かれたものであり、創作である可能性もあるわけなのですが、一方で上西女史のいう「スポーツ選手に自分の人生を乗っける」ことは、一方で「尊敬する存在を具現化することでなりたい自分を明確にし、生きる方針を固めて自己肯定感を出したり、心を整える」という作用も持ちます。おそらくは、自分に然るべき自信を持ってここまでやってきた上西女史には尊敬する誰かを目指し肯定されることは必要としないのでしょうが、企業組織であれ宗教であれ家庭であれ学校であれ部活であれ所属する何かで自分の役割を明示されたり、自分が必要とされる存在なのだとはっきりすることが重要な人たちも少なからずいます。

 ネットでは何かに依存する人をとかく叩きがちな部分もありますが、それでも新興宗教やブラック企業などなど問題組織が無くならない理由もそこにはありますし、スポーツ選手を尊敬し、単に話題のネタに留まらない場合も多いでしょう。そして、こういう依存自体は別段何ら悪いことでもありません。好きなものは好きなんですからね。だからこそ、否定されてマジ切れした人が殺害予告したりするわけです。

 極論を言うならば、上西小百合女史がここでいう尊敬される存在、誰かを肯定する存在にまで昇華するのであれば、一段上の人物になるのでしょうし、政治家としても大成していく可能性はあると思います。何しろ、スポーツ選手以上に「他人に自分の人生乗っけ」る対象が国会議員に他ならないわけで、そのあたりも咀嚼したうえで議員として罵声を浴びない活躍をしてほしいと願う次第であります。