Amazonがさらなる事業拡大に色々と忙しいようです

(写真:ロイター/アフロ)

Amazonについてのニュースが矢継ぎ早に入ってきてました。まずは大型買収の話。

Amazon、自然食小売りのホールフーズを137億ドルで買収(ITmedia 17/6/17)

買収総額は債務も含めて約137億ドル(約1兆5200億円)。現金での買収だ。取引は第2四半期中に完了の見込み。

出典:ITmedia

これだけの金額をキャッシュでポンと払ってしまうのやはりすごいですね。儲かっているところは違うなとただただ感心してしまいますが、さすがにAmazonでもこれだけの規模の買収は初めてとのこと。

Amazonの買収履歴一覧、Whole Foodsだけが異様に突出(TechCrunch Japan 17/6/17)

上記記事にある棒グラフを見ると、従来の買収案件とはその規模が違いすぎるのがよく分かります。さすがにこの買収で生じた余波は大きく、米国内の競合他社の株価はウォルマートを筆頭に軒並み下落したようです。

米ウォルマート株が急落 アマゾン買収で競争激化を懸念(日本経済新聞 17/6/17)

で、こうしたタイミングにまるで合わせたかのように、Amazonが妙な特許案件を取得している話がニュースとなっておりました。

アマゾン、店内で他社の価格をチェックしづらくする特許を取得(CNET Japan 17/6/19)

この特許では、買い物客がAmazonの所有する店舗(現段階ではAmazon Books、今後はWhole Foodsも対象となる見込み)を訪れてAmazonが提供するWi-Fiを利用すると、閲覧はAmazonによって監視され、競合他社のウェブサイトへのアクセスがブロックされるという。

出典:CNET Japan

Amazonが店内で提供するWi-Fiを利用しなければ消費者には何の影響もないことなのでいまひとつよく分からない施策ですが、Amazon自身が競合他社のリアル店舗内で商品価格をAmazonの売価と簡単に比較検討できるようなスマホアプリを提供しているという事実を念頭にして以下の論考を読めば、なるほどそういう可能性もあるのかと得心がいきます。

いまや実店舗小売業でもあるAmazonが「反ショールーム化」特許を取得した(TechCrunch Japan 17/6/17)

他の実店舗たちがその店舗内でAmazonでの価格チェックを阻止しようとする動きに、Amazonが法的に対抗できるようにしたと考える方が合理的だ。

(中略)

特許の記述によれば、小売業者は例えば、対抗価格を提示したり、クーポンを発行してインセンティブを与えたり、関連商品の情報を返したり、さらには買い物客のところに担当者を向かわせることさえ可能だ。

出典:TechCrunch Japan

Amazonならこういう方向に特許を行使したとしてもそれほど意外と思わないほどには強欲そうなイメージが定着していたりもしますが、実際のところ同社がどうするつもりなのかはよく分かりません。それにしても、スマホとウェブサービスの普及によってリアル店舗における小売事業のあり方は本当に変わってしまったなとつくづく思い知らされる次第です。

で、色々と話題には事欠かないAmazonですが、将来的にリアル店舗にとって一番脅威となりそうなのはこちらではないでしょうか。

米アマゾン、実質無料なAlexa対応注文デバイスDash Wand発売。スキャンや声で買い物ができる(Engadget日本版 17/6/16)

米Amazonが、2014年にリリースした音声認識付きバーコードスキャナー Amazon Dashを音声AIアシスタント Alexaに対応させ、Amazon Dash WandとしてPrime会員向けに発売しました。価格は$20ですが、次回注文時に使える$20のクレジットが配布されるので実質無料です。

(中略)

注文をするだけではなく、レシピを検索したり、ニュースを聞いたりと、Alexaのもつ膨大なスキルを活用することもできます。主にキッチンで使われることが多いデバイスだと思いますが、料理中に「大さじ1杯はティースプーン何杯?」などと質問できるのはとても便利そうです。ただし、Alexaのすべての機能が利用できるわけではなく、例えば音楽再生には非対応となっています。

出典:Engadget日本版

このところ日本でも話題となりつつある音声AIアシスタントですが、その最右翼であるAmazonの音声AIアシスタント「Alexa」を利用可能な製品を実質無料でばらまくというのはインパクトがあります。無料で手に入るのであれば試しに使ってみようという人はきっと少なくないことでしょう。まるでソフトバンクがその昔ブロードバンドルータを無料でばらまいて日本のインターネット事情を根底から変えてしまったやり方に等しく、これによって一気にAmazon Alexaのシェア率を高めようという思惑が透けて見えてきます。

幸か不幸か、日本市場においては、ここで紹介したAmazonの新しいサービスや製品はまだ今のところ縁の無いものばかりです。しかし、それを僥倖として安穏としていると気がつけばいつの間にかAmazonの新サービスが始まっていてシェアをことごとく奪われていたということにもなりかねません。国内小売業界の皆様はくれぐれもご用心いただきたいところです。

Amazon、日本国内で「法人向け通販」参入か 日経報道(ITmedia 16/6/16)

ITmedia NEWS編集部の取材に対し、アマゾンジャパンの広報部は「コメントは控える」としている。

報道によれば、米国などで先に提供している「Amazon Business」を日本にも導入。すでに一部企業向けに試験提供しているという。

出典:ITmedia

このあたり、Amazonの「先進的で、できることは全部やる」というスタイルが、結果として競合のふるい落とし、さらにはデータの独占まで立ち至ることになるんでしょうか。