何時までもあると思うな親と金、そしてウェブサービス

ちょうど今から2年ほど前になりますが、以下のような記事を書きました。

Amazonがコンシューマー向けクラウドストレージビジネスで無双プレイを展開(Yahoo!ニュース 個人 山本一郎 15/3/31)

これまでのストレージビジネスとしての常識の一線を越えたなという感慨があります。

これに対して他のクラウドストレージ事業者はどう対抗してくるのでしょうか。もし同じように容量無制限で対抗することになれば、ストレージコストを容量で考えるという時代は終わりを迎えるのかもしれません。

出典:Yahoo!ニュース

当時はかなりの衝撃を世界中のネット民に与えた事件でもありました。その後、いくつかのクラウドストレージ事業者はAmazonに倣うようなサービスを開始しましたがやはり長くは続きませんでした。

Microsoft、「OneDrive」の無料容量縮小ヘ “容量無制限”は終了(ITmedia 15/11/3)

そして、いよいよAmazonも白旗を揚げたようです。

米Amazon.com、容量無制限オンラインストレージを廃止(ITmedia 17/6/8)

米Amazon.comのオンラインストレージサービス「Amazon Drive」に容量無制限でファイルを保存できる「Unlimitedストレージプラン」が、提供を終了していることが分かった。日本時間の6月8日現在、Amazon Driveの容量の上限は30TBになっている。アマゾンジャパンの日本向け無制限プランは提供が続いている。

出典:ITmedia

起きるべくして起きたと申しますか。

やはり、容量無制限のストレージサービスというのは採算に合わないのかもしれないですね。とりあえず、日本向けにはなぜかまだ無制限プランが残されているようですが、これもいつまで続くかその保証は無いと考えておいた方が無難なのではないでしょうか。同サービスユーザーだった栗原さんが今回の件についてツイートされておりましたがなかなか身につまされるものがあります。

Amazon Drive Unlimitedの撤退により事務所のバックアップ計画の大幅な変更を余儀なくされてしまった 将来的にAmazon Primeなんかもユーザーが離れられなくなったタイミングで大幅値上げとかしたりするんだろうな

出典:Kiyoshi Kurihara

ウェブサービスなんてものは事業者側の都合でいつでもすぐに廃止されるし、条件も簡単に変わってしまうと覚悟した上でその利便性を享受するしかありません。昔のドットコムバブルが、無料でかき集めたユーザーをリストごと事業売却したり、後からいきなり有料化してマネタイズを図るみたいな悪質なものが横行する前提だったことを彷彿とさせます。

さて注目しておきたいポイントは、汎用データのストレージサービスでは容量無制限プランが無くなるにもかかわらず、写真ファイルだけに対応した「Prime Photo」は容量無制限のままサービスが継続される点であります。こうなる理由については以下の記事が明快に答えてくれています。

Amazon、クラウドストレージの無制限プランを終了(TechCrunch Japan 17/6/9)

写真が例外なのは注目すべきだが、これはライバルのGoogleが無制限の写真ストレージを続けているからというだけでなく、写真は個人データの宝庫だからだ ―― サードパーティーが機械学習技術を使ってデータ抽出できる。つまるところ、ユーザーのパーソナルな写真は大容量のデジタルエンターテイメントコンテンツよりもずっと価値が高いということだ。

出典:TechCrunch Japan

分かりやすいですね。事業者にとって活用できるデータであればバーターとして無料で容量無制限に預かってあげますよという話です。まあ、だからこそ無料なのだ、当たり前だろうと言われればその通りなのでしょうが、「この世にフリーランチはない」という言葉を噛み締めるしかない状況であることに変わりはありません。

それにしてもAmazonはやってくれましたね。期待を裏切らない展開でした。