はてさてマイナンバー活用施策は無事に離陸できるのでしょうか

(写真:アフロ)

山本一郎です。鳴り物入りで始まったマイナンバー制度ですが、当初の政府の思惑通りにはなかなか事が進んでないようです。とくにマイナンバーカードの全国における交付率はいまだ1割を越えられない状況であるということが報じられております。

マイナンバーカード交付率 全国で8.4%(NHKニュース 17/3/17)

まあ、マイナンバーカード自体がその性格上取り扱いに神経質にならざるを得ず、顔写真付き身分証明著などとして利用できるというメリットよりも、どちらかといえばデメリットが注目されてしまうということもあって、多くの人が積極的に取得したいとは感じていないのが広く普及しない根本的な原因ではないかと思われます。

もっとも、実際に手続きでマイナンバーを使い始めてみると最初にいちいち番号を伝えたり送ったり書き込んだりする手間がだるいという以外は二回目以降が簡便に手続きも進められるということで「意外とストレスがない」というのはあるようです。また、こんな話もあります。

マイナンバーを身分証明書がわりに使うと思わぬワナが(All About It)

マイナンバーカードは便利な一方、マイナンバーが流出した際のリスクは非常に大きいことは知っておいた方がよいでしょう。

出典:All About It

【マイナンバー】「個人番号カード」は身分証明には使えないかも?!(ACTIONなう!)

政府は「マイナンバーは、身分証明書としても使えます」としてその利便性を宣伝していますが、実際の運用を考えた場合、身分証明書として使えるのは、役所などの行政機関で使う場面に限られてしまいそうです。

出典:ACTIONなう!

マイナンバーカードが必ずしも身分証明書として利用できるわけでないことについては、総務省のウェブサイトでもその旨が説明がされています。

マイナンバーカード(総務省)

マイナンバーカードは、金融機関等本人確認の必要な窓口で身分証明書として利用できますが(※)、個人番号をコピー・保管できる事業者は、行政機関や雇用主等、法令に規定された者に限定されているため、規定されていない事業者の窓口において、個人番号が記載されているカードの裏面をコピー・保管することはできません。

※マイナンバーカードを身分証明書として取り扱うかどうかは、最終的には各事業者側の判断となりますので、一部の事業者では利用できない場合があります。

マイナンバーカードを顔写真付き身分証明著として使おうとして拒否されたという類の報告もネット上ではちらほら見受けます。こういう話が広まればわざわざマイナンバーカードを取得しようという人があまり増えないのも当然ではあります。番号さえあればいいやって人が多いのも分からないでもありません。

本人確認書類に個人番号カードを使ったら拒否された話(togetter)

総務省はこうしたトラブル防止策をもう少し本気で取り組んでいかないと、やはりマイナンバーカードの普及は相当むつかしいのではないでしょうか。

マイナンバーを活用したサービスを巡るごたごたについてはさらにこんな話もあります。

マイナンバー、個人向けサイトの本格運用を秋に再延期(産経ニュース 17/3/16)

マイナンバーをめぐっては、基礎年金番号との連結開始も昨年1月から1年延期されており、計画の修正が目立つ。

出典:産経ニュース

こちらのニュースによると、行政手続きのオンライン申請などに対応する「マイナポータル」の本格運用が延期されたばかりか、役所での手続き申請時におけるマイナンバー対応も先送りされたことが報じられており、マイナンバーに関わる施策が押し並べてグダグダで滞っている気配です。いろんな事情はあるとは思いますが、さすがにどうなのかなと感じるところではあります。

こうしたマイナンバー関連の各種サービス運用開始延期措置については、このところ公共事業関連ウェブサービス周辺で立て続けに起きている情報流出事件がもしかして影響していたりするのでしょうか。

都税と住宅金融支援機構のクレジット払いサイトに不正アクセス、約72万件流出か(ITpro 17/3/10)

ジェトロに不正アクセス 2万件超のメールアドレス流出か(NHKニュース 17/3/11)

国際郵便サイトに不正アクセス 送り状など流出か(ITmedia 17/3/14)

とくに、都税と住宅金融支援機構のクレジット払いサイト不正アクセスについては、両サイトの運営を受託していたGMOペイメントゲートウエイがサイト内にあってはいけないはずのクレジットカードセキュリティコードを保存するという杜撰な仕事をしていた疑いがあるようでして驚くばかりの展開になっています。さすがにやばいということでしょうか、同社は色々と取り繕っているようですがどうなんでしょうか。

GMOペイメントゲートウェイ情報流出お詫びページがNOINDEXな件(怒なしメガネをかけて 17/3/16)

いずれにしても、同じような事態がマイナンバー絡みで起きてしまうとまさに目も当てられませんので、総務省はくれぐれも慎重に事にあたっていただきたいものです。