相変わらずで良くも悪くも世間をお騒がせなドローンの話題をいくつか

 山本一郎です。世間を騒がせることのない平凡な人生を送っています。

 ところで、鹿児島県が観光PRでドローンを利用した空撮動画をYouTubeに公開し、一部ネット民の間で話題になったりしているようです。

鹿児島県、ドローン動画で離島をPR(ZDNet Japan 15/8/1)

甑島(こしきしま)や種子島、屋久島、奄美大島、加計呂麻島、論島を3カ月、ドローンで空撮した。ドローン空撮により、視点から地形や水流などの特徴を見てとれるようになったという。

出典:ZDNet Japan

 空撮で見る風景というのは一種独特な雰囲気がありなかなか楽しいですね。こうした空撮はこれまで人間が操縦する飛行機やヘリコプターを稼働させるしかなかったのですが、今はドローンを起用することで従来では考えられなかったような低予算で実現できるようになりました。さらに、人が操縦するヘリなどでは接近が無理だったような視点での撮影も可能になったため、映像クリエイターにとっては表現の可能性が大きく広がったと言えます。

 しかし、こうしたドローンの持つメリットは、同時に大きなデメリットになり得る可能性もはらんでいます。

自宅上空に侵入したドローンを撃墜した男性、逮捕される(WIRED.jp 15/8/5)

米国ケンタッキー州で、自宅上空に侵入したドローンを撃墜した男性が逮捕された。ドローンをめぐっては、こうした事例の増加が予想され、プライヴァシー面での法整備が急がれる。

(中略)

英国や米国の規制当局は現在、責任ある安全なドローン利用方法についての規定を公示しているが、より複雑なプライヴァシー問題についてはあまり触れられていない。今回のようなケースは今後増加する一方と見られ、法律制定の面で対応を迫られることになる(オクラホマ州では、自宅敷地に入ってきたドローンを撃ち落とせる法律が検討されている)。

出典:WIRED.jp

 この事件、記事を読む限りではドローンを撃墜した側とドローン所有者側で証言に食い違いが生じており、事の真相がどうであったのかはよくわかりません。しかし、ドローンで手軽に空撮できてしまうという点がそのまま事件が起きる一因となっていることは間違いないでしょう。

 また、ドローンではこんな話題もあります。

消火活動を妨害したドローンに7万5000ドルの懸賞金 火災現場での「野次馬ドローン」問題が深刻化(ねとらぼ 15/8/5)

アメリカでは現在、火災現場に飛ばされる「野次馬ドローン」によって、消火活動が遅れる問題が続出。

(中略)

サンバーナーディーノでは今年3度もこうした事件が起こっており、ついに野次馬ドローンの操縦者を発見した人にそれぞれ2万5000ドルの礼金を出すことを決めました。また、消火活動を妨げたことで誰かの死につながった場合、ドローンの操縦者は「殺人で起訴される可能性もある」と厳しく警告。

出典:ねとらぼ

 ああ… 野次馬ドローンとはなんと優雅な言葉運びでしょう。響きが素敵過ぎて、いますぐドローンが欲しくなってしまいました。

 が、残念ながらこうしたドローンの無軌道な飛行ぶりは我が国でも同じで、首相官邸屋上にドローンを墜落させてみたり、善光寺の法要中にドローンを墜落させる輩が登場したことは皆さんの記憶にもまだ新しいのではないでしょうか。

 ドローンについては、無謀な運用による事故を防止すべく適切な規制を施行する一方で、最初に紹介した鹿児島県のPR動画のような事例が今後できなくならないように、バランスのとれた行政の対応が望まれるのですが、ちょうど良い落とし所を見つけるのがなかなかむつかしいのかもしれないですね。

 などと、ぼんやり考えていたら、ドローンそのものが国内では簡単に入手できなくなる可能性もあるような話も出てきました。

中国、ドローンとスパコンの輸出を8月半ばより制限(ITpro 15/8/4)

中国政府は、国家安全保障上の理由から、ドローンとスーパーコンピュータの輸出に制限をかける。中国商務部と中国税関総局が現地時間2015年7月31日に発表した声明から分かったこととして、複数の海外メディア(英Reutersや米Wall Street Journalなど)が報じた。

(中略)

中国国営の新華社通信は、「大型のハイテクドローンがテロリストなどの違法組織の手に渡るのを避けるため」と解説。もう1つの理由として「中国のドローン技術は世界でトップクラスになっているため、中国の知的財産権を保護する必要がある」と述べているという。

出典:ITpro

 中国製のドローンは安価で高性能なため世界中に普及しており、幸か不幸か首相官邸屋上に墜落したドローンも中国のDIJ製だったりします。DIJは民生向けドローン市場では7割と圧倒的なシェアを占める企業だけに、今後もし中国が本当にドローンの輸出規制を実施するとすればかなりの影響が出てくる可能性があります。まさか中国がハイテク分野でこうしたイニシアチブを取る時代がやってくるとはこれまで想像しませんでしたが、今後はこうした事例が増えるのかもしれません。

 良くも悪くも何かと話題になるドローンですが、今後も色々と世間を騒がせてくれそうですね。世間を騒がせたmixiも、次回大規模イベントをやるときはドローンを飛ばして墜落させてしまうなどの時流に乗ったギャグをかましていただけると嬉しいです。