安倍晋三首相「中国名指しし安保法案の必要性強調」←言うんかーい

山本一郎です。今日も暑いですね。

ところで、先日は内閣支持率の変遷や要因について、フジテレビ系ホウドウキョク『真夜中のニャーゴ』で解説していたところ、昨日になって安倍晋三首相が「中国の脅威」を具体的に話し出してしまいました。せっかくみんな空気を呼んで「説明不足だ」「うん、説明不足だよね」ってやっていたのに、本当に説明してしまうという上島竜兵さんのような美しい国日本の伝統芸能を見せ付けることになってしまい、侘び寂びをビンビンに感じる次第です。

安倍首相、中国名指しし安保法案の必要性強調(TBSニュース 15/7/28)

「80%の国民が説明不足」の安保法制ですが、政府が公式にちゃんと説明したら大変なことになりそう(ヤフーニュース個人 やまもといちろう 15/7/21)

これで、もう安倍首相は退路がなくなりました。8月末には支持率30%を切って、死に体となって内閣改造すらできずに総辞職して谷垣禎一内閣でも誕生する覚悟を決めたのではないかと思うわけですが、今日になって、読売新聞にさえ「お友達人事」という野党評価がヘッドラインに入ってしまうような記事を掲載されてしまう始末で、このクソ暑い夏本番なのに首元が涼しくなってきております。大丈夫なのでしょうか。

首相秘書官、重要ポストに続々…野党「お友達」(読売新聞 15/7/28)

ということで、読売新聞の世論調査が出まして、傾向としては内閣支持率は下落の一途であります。もちろん、この程度でガタガタ騒ぐなと言いたい人もたくさんおられると思いますが、今回の影響が深刻化する可能性があるのは「自民党支持者からも政権支持率が5%近く下がり、不支持率が同率上がっている」という現象から堅くあるはずの支持基盤の劣化がはっきり見えているところにあります。

女性の不支持53%…無党派「説明不十分」9割(読売新聞 15/7/28)

放置すると、次回の調査で支持率が30%を割る可能性が高く、また、これは安倍政権が理由ではないかもしれませんが中国経済の変調もあって安倍政権を支持する大きな理由のひとつであった「アベノミクスによる株高」を失うことになります。この大事な一連の安保関連法案を通して安倍内閣は使命を果たしたとして谷垣さんや稲田女史に政権を禅譲するハラかもしれませんが、肝心の自民党支持率が下落すると首を挿げ替えただけでは安定した与党が実現できなくなります。

日中対立を政治面で決定的なものだという前提で議論するにはちょっと補助線がたくさんあるので分かりにくいところはあるのですが、もう一人の日本国民としてはこの安倍内閣が意を決して「やるぞ」と決めたことが結果として日本社会のためにどういう形であれなってくれることを祈るしかありません。

中国、日本の安保政策けん制 国防白書で名指し(静岡新聞 15/7/26)

個人的には「ちょw 支持者おいてどこに行くんだ安倍ちゃん」という気持ちでいっぱいですが、私としても戦争はとても嫌なのでどうにかならないのかなあと思う次第であります。もっとも、他のアジェンダを捨て、支持率を省みずやるべきことをやるんだって話なのかもしれませんが、さてどうなるのでしょうか。