Microsoftが次期Windows戦略で相当思い切るようです

 山本一郎です。都合がありヤクルトを十日ほど飲まないでいたら、お通じが悪くなりました… 乳酸菌が腸に届かないと具合が良くないようです。

 ところで、新CEOのナデラ体制となって以降、色々と積極的な事業展開を図っているMicrosoftですが、Windows戦略でもかなり思い切った施策を打ち出してくるようです。

「Windows 10」は190カ国で今夏リリース、海賊版も無償アップグレード(ITpro 15/3/19)

複数の海外メディア(米Wall Street Journalや英Financial Timesなど)によると、中国では正規のライセンスを取得していないWindowsユーザーに対しても正規のWindows 10アップグレードを無償提供することを、今回Microsoftは明らかにした。中国では80%のパソコンが違法Windowsを搭載しているとされている。海賊版も含めてWindowsユーザーを囲い込み、最終的にアプリケーションやサービス、コンテンツの利用拡大につなげる狙いと見られる。

出典:ITpro

 昔からMicrosoftは海賊版対策を熱心にやってきたわけですが、中国においてはあまり功を奏することが出来ていなかったと言えましょう。

発売前に中国で海賊版出回る ウィンドウズ7(47 News 09/10/21)

上海中心部にあるパソコンソフトの販売店では、海賊版のウィンドウズ7が店の奥でこっそり売られていた。経営者は「最も売れているのはウィンドウズ7だ」と言う。

出典:47 News

中国でiOS 6とWindows 8の話題がホットな理由(ASCII.jp 13/2/19)

海賊版を支持する人は依然としており、海賊版こそまだ出ていないが、Windows 8 RP(Release Preview)をどうにかして使っている人もいる。

(中略)

Windows 8のライセンスを数百円で販売するショップも出てきていて、「そんなに安いわけがない、海賊版にきまっている」という反応がある

出典:ASCII.jp

 こういう状況に対して、今回のMicrosoftの動きは海賊版を正規版で上書きしてしまえということなのでしょうか。かなり思い切ったなという印象があります。

 さらに、PC向けWindowsだけでは対中国戦略は足りないということなのでしょうか、スマホ向けにさらなる一手が用意されているようです。

Androidを上書きする「Windows 10」のカスタムROMをMicrosoftが開発中、スマホ勢力図が激変する可能性(Gigazine 15/3/19)

Microsoftが中国のスマートフォンメーカーXiaomi(小米科技)とタッグを組んで、なんとAndroidスマートフォンにインストールすることで「Windows 10 for Phone」OSに変更できるカスタムROMを試験していることが明らかになりました。

(中略)

つまり、Android OS上でWindows 10エミュレーターを動かすものでもなければ、デュアルブートで選択肢を与えるものでもなく、Android端末を完全に「ハックする(乗っ取る)」ものだというわけです。

出典:Gigazine

 この話、一体どこまでが本当なのか定かではありませんが、中国で最も人気があるスマホメーカーの一つであるXiaomiのAndroid端末に、そのままWindowsが走るということになればかなりのインパクトがあります。中国ではそもそもAndroid自体がほとんどGoogleの仕様では流通しておらず、いわゆるオープンソース版(AOSP)が主流であり、またカスタムROMの利用も普及しているため、こうした一見マニアックな手法も多くのユーザーにとってそれほどハードルが高くないことから中国ではかなり有効なWindowsのプロモーション施策となり得ます。また、もしかしてもしかすると中国においてWindowsスマホが大ブレイクという線もギャンブルとして狙えそうです。

 で、ここまで記事を書いたところで、海賊版Windowsのアップデートについての続報が入ってきました。

Microsoft、“海賊版でもWindows 10にアップデート可能”発言に補足説明(ITmedia 15/3/20)

中国を含む世界の海賊版のユーザーは確かにWindows 10にアップデートはできるが、海賊版からアップデートされたWindows 10は“非正規の”Windowsと判定され、セキュリティアップデートなどの対象にはならないようだ。

 米VentureBeatがMicrosoftから聞き出したところによると、非正規版Windows 10ユーザーに対して正規版購入を促す告知を表示するメカニズムを提供するという。

出典:ITmedia

 なるほど、とりあえず最新OSのユーザー体験を提供することで、正規版を買ってもらおうということのようですね。しかし、こうしたやり方がはたして海千山千の中国市場で通用するのかどうか。これまでの経緯を色々と考えると、いいように利用されてMicrosoftは一銭も儲からずというオチで終わる可能性が全く無いとも言えないのですが、まずは今後の成り行きを楽しみに見守りたいと思います。

 ところで、Tizenの今後はどうなるのでしょうか。